アイドルの話をしよう⑤
2010年に入る頃……
まず、当時の自分の音楽をめぐる状況から。アイドルのネタ振っといてあれなんですけど、2009年あたりから、それまで久しく眠っていたアニメ熱が復活するんですな。『けいおん!』(2009年)、『とある科学の超電磁砲』(2009年)、『ハートキャッチプリキュア!』(2009年)、『けいおん!!』(2010年)あたりがきっかけだったかと。それでもって、作品自体もさることながら、やはりOPやEDに使われてる曲は気になりますよね。見ていたアニメのOPやEDでプレイリストを作っているうちに、基本的に聴く音楽がアニメ経由になってしまったのでした(笑)。
『けいおん!』と『けいおん!!』のOP、EDはもちろん、アルバム『放課後ティータイムⅡ』(2010年リリース)とかむちゃくちゃ聴いたよな……。あとは『魔法少女まどか☆マギカ』(2011年)からのClariSとか、『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』(2009年)からのSCANDALとか。パスピエは以前から知っていたのだけど、『境界のRINNE』(2015年)でタイアップ決まったときは嬉しかったなぁ。
声優さん方面には敢えて深入りをしなかったのが幸運だったのか、はたまた不幸だったのか……。アニソン沼にはどっぷりはまることなく、アニメとアーティストの接点をさらっていく感じの聴き方だったですね。
2010年代はアイドル戦国時代だったんですって
初っ端からなんだよ!その伝聞調って感じですけど、前述のような音楽の聴き方だったので、そんなにアイドル界隈が盛り上がっているなんて存じ上げなかったわけですね。AKB48がチャートを席巻してるってのはさすがに知ってましたけど。あと、TSUTAYAのCDショップ大賞でももいろクローバーZが選ばれてるのを店頭で見て、「へー」って思ってました。このあたりからアイドルシーンを見てらっしゃる方は非常に多いと思うので、たぶん、皆さんの方が詳しいと思いますね……(汗)。
さて、これはあくまで個人的な話なんでね。戦国時代の分析なんてしないでざっくり進みますよ。ずーっとアイドルシーンを引っ張ってきたハロプロでは、スマイレージがアンジュルムになったりしてるのは認識してましたけども、相変わらず Buono! だけ聴いてました。Buono!は頻繁に活動があったわけじゃなかったにも関わらず、2011年、2012年とミニアルバムをリリースします。そして、ついにみんな知ってるあの曲が!
どうですか、『初恋サイダー』。Buono!は前回の記事でも取り上げてるんですが、かわいらしかった彼女たちがこんなに成長するわけです。Bメロのコーラスワークなんて、ちょっとそんじゃそこらのアイドルでは醸し出せませんわね。ミニアルバム『SHERBET』(2012年リリース)はヘビロテで聴いていました。1曲目の『FEVER』って曲も大好きで、イントロ聴くだけで「うぉー!!」って盛り上がっちゃいますね(笑)。
ソニーと名曲ルネッサンス
元々は1980年代のアイドルファンなのですが、そのことは私の知人の間では周知のことなわけで。で、ある日、私よりよっぽど広範囲で音楽好きな後輩の一人から「先輩が好きそうのがあるっスよ」と紹介されたのがアイドルネッサンス(以下アイルネ)の『アワーソングス』(2016年リリース)でした。大好きだった大江千里の『YOU』をアイドルがカバーしてる!ってんでビックリ。
そもそも、この曲、大江千里のLIVEでも盛り上がる鉄板曲でしてね。それをまさか若い女の子が歌うとはなー、と新鮮な趣きでした。『YOU』以外も『あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう』(岡村靖幸)とか、『STILL LOVE HER(失われた風景)』(TM NETWORK)など、いかにもSONYらしい選曲もエピックソニーのアーティストを聴いて育った自分のノスタルジーをくすぐりました。あと、80年代選曲とは別に『恋する感覚』については、本家のBase Ball Bearを全く知らなかったこともあって衝撃を受けたのを記憶しています。
"名曲ルネッサンス"というテーマは面白いと思ったのですが、アイルネ自体は(MVを見てもお分かりのように)あまりに純朴すぎるな……ということもあって(おじさんは純朴なモノに近づいてはいけないのでは?と二の足を踏む傾向があります)、LIVEに行こう!というところまでは行かず……。のんびりアルバムを聴いているうちに解散が決まって、「しまったー!こんなことなら行っておけば良かった……」と悔やんだ覚えがあります。
ただ、アイルネ解散後も石野理子、原田珠々華、南端まいな、百岡古宵など、個々が芸能活動で引き続きその才能を発揮しているのは嬉しくもあり、注目しております。
まだ知らない夜明けへ
SCANDALやパスピエのLIVEに足を運びつつ、その後も深夜アニメ視聴の方は続けておりましたが、そんななか衝撃的な出会いがあります。2018年6月頃のことですが、当時TOKYO MXで『ひそねとまそたん』という作品が放映されてまして、これをリアルタイムではなく録画試聴しておったんですね。
私は録画した番組のCM部分を早送りで飛ばす技ってのに長けてまして(ビデオテープの時代からやってますからね)、たいがい推測でピッタリ飛ばせるという特技(?)なんですが、そのなかに毎度繰り返し流れてるCMがある……なんとなく声優さんとかのグループっぽいな……なんて思って見てたんですね(4倍速早送りなんで音声は聴いてません)。そんなとき、『ひそねとまそたん』の後番組が『ハイスコアガール』(原作:押切蓮介)で、そのOP曲に採用されたのが sora tob sakana (ソラトブサカナ=以下オサカナ)というアイドルグループだとネットニュースで目にします。ん?このグループ、ひょっとして何度も流れてたアレか??
ここでようやく、ちゃんとCMを見ることになります。確かに5月にリリースされたミニアルバム『alight ep』(2018年)の告知でした。流れていた曲はこちら。
『Lightpool』という曲ですが、「おや?これはちょっと……」と引っかかりませんか?私が見たのはCMだったので、たぶん30秒だったと思うのですが、あまりに気になったのでネット検索して、MVを見て「おおー!?なんだこれ!?」となって、iTunesでアルバムを購入という超速展開で、我ながら久々に「これはすごいの見つけたかも」感に満ちあふれてました(笑)。
アルバムを聴いてみると、これまた全部曲がいい!しかも、訳の分からんリズムを刻んだりしてる!色々と変態な(ほめてますよ)曲があるんですけど、対外的によく紹介されていて、後に『関ジャム』(テレ朝)でも取り上げられたりする『広告の街』も貼っておきましょう。
そもそも2010年代のアイドル事情を知らなかったからということもあると思うんですが、「今どきのアイドルはこんな曲を歌ってるのか!!」って仰天したわけでして。その後、彼女らに曲を提供している(プロデューサーでもある)照井順政という人がマスロックとかポストロック界隈では有名な人だと分かって、なるほど!と納得。なぜだかやけに耳に残るのは、あまりこのジャンルを聴いてなかったってこともあったかも。一度オサカナの曲を聴いてしまうと、他のアイドルの曲が物足りなく感じてしまうほどでした。
そのうち、聴いているだけでは飽き足らなくなり、ラジオやTV番組をエアチェックしたり、2019年からはイベントやLIVEに実際にでかけるようになり、オサカナによって未知の世界(アイドル現場)に足を踏み入れることになるわけですが……。
残念ながら、オサカナは昨年惜しまれつつ解散してしまったのでした。デビューは2014年だったので、気づくのがちょっと遅かった感は否めませんね……(汗)。オサカナに関しては中途半端には終われないので別枠で書く必要がありそう……。いや、書かねばなりませんな!いつか書きます!
終わりに……
アイドル戦国時代の2010年代ですが、意外にもあっさり……(笑)。そもそも、よく知らんのでご容赦いただきたい。私が観測できた2019年あたりでも業界としては飽和状態で、既に一時のブームは終わりを告げていたようにも感じます。特にコロナ禍に見舞われての2020年は、アイドルグループの解散が相次ぎました。LIVEでの集客も覚束ない現状で、2020年代のアイドル事情はどうなっていくのか注視していくことになりそうです。
個人的には、自身のルーツでもある1980年代の流れと、アニメからの流れがうまいこと合流しているような、そんな2010年代だったように思われます。
1980年代に比べると、ずいぶん身近になった現代の"アイドル"ですが、日本でのアイドルという存在は(ファンとの関係性も含め)もはやジャパニーズ・カルチャーと言っても良いでしょう。これからも広大なアイドルの世界を地道に掘っていきたいなぁということで、ひとまず自己紹介がてら続けてきたアイドル遍歴の記事は終了です。
今後はアイドル以外の投稿もあるかと思いますが、良かったら引き続きおつきあいください。ではでは!
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