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サハラマラソン挑戦記vol.5
@marathondessables
2023.4.24
〜苦悩のStage2〜
【2nd stage】
■距離:31.7km 累積D+760m
★113位/5:03:47★
■ステージ後の生活
話は4/23の1st Stage終わりの続き。
レース後はテントに戻って、翌朝まで過ごす。
別の場所に来たはずなのに、砂と山に囲まれたその景色は同じ場所に戻ってきたように感じさせる。
レース後から翌日までにやることは、
①洗濯
②シャワー
③食事
このくらいしかない。
①洗濯は、トイレ用のゴミ袋に洗濯物と少量の水を入れて揉み洗いをする。
そんなに綺麗になっているわけではないと思うが、サハラの暑さの中で安全ピンで干しておけば臭いは気にならなくなる。
今回は寝間着としてTシャツとパンツを持ってきていたので、それに着替える。
この着替えるという行為だけで、サッパリできる。
②シャワーは、ない。なので、作る。
もらった水ペットボトルのフタに安全ピンで穴を開け、少量ずつ使えるように工夫をする。
汗だくで砂まみれの体を少しでも洗い流す。
気持ち良い。
③食事は @yama_messi_yuka のサハラ飯
夕飯にはチキンカレーを食べた。
夕飯の時間は17時くらいだが、レースの疲れもあり、食欲はある。
でも、一回で1000kcal食べるというより、レース後の昼食で500kcal, 夕食で500kcal+αの量でちょうど良い気がした。
就寝はだいたい20時前後、暗くなりやることもなくなると寝るくらいしかなくなる。
翌日もレースは続く、睡眠が最大の回復薬だ。
■Stage2 start
スタート前のMCは前日同様。
変わった点があるとしたら、2日目以降は前日のリタイア数が告げられることくらいだ。
Stage1のリタイア数は70人前後だった気がする。
すでに記憶があやふやだが、初日でそんなに辞めるのかと思った記憶が残っている。
この日のコースには、一面に並ぶ壁のような山があり、それを越える必要があった。
1st STAGEの反省を活かして、序盤はペースを落として走ろうと決める。
だが、僕の中に「日本人一位」にならなければというプレッシャーが、常にまとわりついていた。
「日本人一位」が大前提、
さらに「世界でどこまで闘えるのか」
この日も同じことを考えて走っていた。
自分の中で勝つためには、常に先頭にいなければいけないという意識が常にあり、自分のペースではなく、先頭を走れるペースで走ってしまっていた。
■CP1 12.6km
結果、CPは先頭で通過するも、出る前に後続がやってくる。
あまり差がついていないことに、焦りとプレッシャーを感じる。
焦ると、砂地を踏み込んでしまい、気力を吸い取られる。
CP1を出て17kmあたりの地点、本命の山の前の砂地の登りで、脚を掻いても落ちていくことに更に気力を奪われる。
2人に追いつかれ、抜かされる。
「先頭を」と走っていた自分のメンタルを自分で傷つける。
ついに糸が切れ、足が止まる
「意味がないじゃないか」
「何のためにサハラに来たのか」
走る理由を完全に見失う。
稜線にある岩の影で、ザックを降ろして座り込む。
抜かして行く選手に「大丈夫か?」と聞かれる。
「大丈夫ではない」でも、どうすればいいかもわからない。
先の方から笛の音が聞こえた。
もしかしたら、休んでいる自分が動けなくなって、要救助者と思われているかもと思い、何とか腰を上げて動き出す。
身体は元気。だけど走る理由とモチベーションを失った脚は鉛のように重たい。
悔しさから涙が止まらない。
CP2までの走れる直線もとぼとぼと歩く。。
たった5kmにどれだけの時間をかけただろうか。
CP2まで残り2km。
ふと後ろから名前を呼ぶ声がする。
「Koki! Koki!」
「Get on our train!」
@marioret と @osverflow だった。
もちろん、初対面だ。
背中のゼッケンの名前を見て、声をかけてくれた。
彼らは4人のグループで走っていた。
彼らの励ましに元気をもらい、ついて行くように走る。
自然と足は動いた。CP2まで途中歩きながらも走っていく。
■CP2 24.1km
マリオとオスカル率いるグループと共にCPに入る。
ここで、ミスを犯す。
その先も彼らに付いていけば良かった。
CP2から先はStage2最大の難所、壁のような山が聳え立っていた。
一度消えた火を点けてもらったのに、CPで休んでしまった。
また1人。
砂深い山を無心で登る。
ツラさも感じられなかった。
■Finish
山を超えて、ゴールに向けて足を進める。
下りも足は動かない。
ゴールが見えてようやく、それらしく走る
遅刻して姿が見えてから走る、そんな後ろめたさを感じながら。
ゴール後、 @tomomi_challenger と @takeshi924 に「大丈夫?熱中症?」と聞かれる。
熱中症でもトラブルでもない、
「疲れてない」
MDSに臨む者として、到底出てこない言葉が出た。
「一体ココに何をしにきたのだろう」
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