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ブックサンタ2024
ブックサンタについて
「ブックサンタ」は2017年にスタートした全国のさまざまな困難を抱える子どもたちに本を贈るための社会貢献プロジェクトであり、ブックサンタに賛同する書店やオンライン書店で本を買って NPO を通じて子どもたちへ本のプレゼントが届けられる活動のことである。
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じぶんは2021年に初めてブックサンタしてから 2022年、2023年の年末と本屋に行って子どもたちにプレゼントするための本を選んでブックサンタした。
実際にやることとしては、ブックサンタに参加している本屋に行って本を何冊か選んでレジでブックサンタしますと言って会計を済ます。それだけである。
ブックサンタ2024
2024年は合計7冊の本をブックサンタした。ブックサンタ備忘録として選んだ理由とともに本を紹介する。
すべての、白いものたちの(ハン・ガン (著), 斎藤 真理子 (翻訳) )
2024年ノーベル文学賞受賞作家の作品。短編小説というよりは散文詩のようだが読み通すと薄っすらと物語が色が浮かんでくる。白の再構成という実験的作品ながら文学的な凄みが凄まじい作品。短いので高校生とかでも読みやすい。
柿の種(寺田寅彦 (著))柿の種(寺田寅彦 (著))
個人的に科学者のエッセイジャンルが好きなので昔読んだおすすめの一冊を選んだ。
エスノグラフィ入門 (石岡 丈昇(著))
今年読んで面白かったので選んだ。エスノグラフィとは社会学の文化人類学などで調査対象の生活環境に身を置き、生活者と行動を共にし、その人の行動や環境をありのままに観察し、文章として記録に残す手法のこと。当事者に肉薄した内容が興味深く描かれている。
君と宇宙を歩くために 1(泥ノ田犬彦(著))
タイトルから勝手に宇宙飛行士ものかと思ったが全然違った。テーマとしては発達障害をテーマにしたリエゾンなどと近いものがありそうだが、主人公の持っている「性質」を言葉に当てはめることを避けて友情を表現している点が良いなと思った。バディもの。
独裁体制から民主主義へ(ジーン シャープ (著), 瀧口 範子 (翻訳))
今年読んでよかった一冊。ただ独裁政権に苦しむ人たちのために書いたという著者のあとがきに胸を打たれた。いつも思うがちくま学芸文庫はコスパが凄い。
「最初は宗教的な理由によるものだった。だがそれはそのうち宗教的でも倫理的でもなく、苦しんでる人間がいるという認識に取って代わられた。これをどうにかしなければならないと思ったのだ。私は自分が人生を終えるときには世界が少しでも良くなって欲しいと願っている。それは、あらゆる人間の責任でもあると思っている」
しあわせの理由(グレッグ イーガン (著), 山岸 真 (翻訳) )
SF短編集。SF小説を1冊選びたかったので読みやすそうな短編集をチョイスした。
エレンディラ(ガブリエル ガルシア=マルケス (著), 鼓 直 (翻訳), 木村 栄一 (翻訳))
2024年ガルシア=マルケスの「百年の孤独」が文庫化されたというのが本読み界隈的には一大ニュースになっていた。しかも来年2025年2月には「族長の秋」も文庫化されるらしい。そうしたガルシア=マルケスの代表的な2作品の狭間に書かれたのがこのエレンディラという短編集である。短いので高校生でも読めるはず。
おわり
来年もまた良い本と出会えることを願って。