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エヴァという呪い
ふと思い立って「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」を観てきた。
内容については一切コメントはしないが、劇場版の1作目が2007年、2作目2009年、3作目2012年から9年してようやく完結という……。
もう何でもよいので作品を終えてくれたというそれだけで充分素晴らしい、よくやった、ありがとうという気持ちで一杯である。
何事も始めるより続けること、続けるより終えることの方が才能と根気が必要である。
話は変わるが、個人的に漫画の連載でずっと待ち続けて、できれば作者の生きてるうちにラストまで描ききって欲しい(けどおそらく叶わなそうな)作品が3つある。
1つ目が「くにたち物語」、2つ目が「バガボンド」、3つ目が「ベルセルク」である。
それぞれもう何年も最新巻が出ていない作品である。
例えば、2つ目のバガボンドを読んでいたときになんとなく察せられたのが、作品のキャラクターの精神性が作者の限界を超えてきているという点である。
作者が背伸びしても描けないものを描かないと作品は完成しない、そうした矛盾を抱えて描き続けるのはさぞ苦しかったことだろうと思う。
今回「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」についても、ストーリーや作画・アニメーションなどは今となってはもうどうでもよくて、「ひたすら作品を終えるために矛盾を抱え続けることの苦しさのようなもの」を感じた。
ただもうエヴァという呪いは終わったのだ。ありがとう(9分21秒)。