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なぜ「しっぽ」へ至ったか

「このままじゃだめだ」
私はショルダーバックを使いながらこの夏を過ごした。吹き出す汗はバッグへと浸み込み、肩紐によって体に押さえつけられた服は通気性を失っていた。バッグに浸み込んだ汗は乾きが悪く、汗が気化熱とともに蒸発することは期待できそうになかった。通気性を失った服が暑さをさらに一層引き立て、カバンが原因で起こる悪循環が私の体力を削り続けていた。
私は新たなカバンを探しに、街へと買い物しに行く決心を固めた。


「ほとんどの汗を上半身でかくのなら、荷物はそこ以外で身に付けたい。」
肩を必要とするバッグは選択から除かれることになった。
残るはウェストバッグ、キャリーケースくらいだ。
しかしキャリーケースを引きずって歩くほどの荷物は持ち歩かないため、これも除外した。


「ウェストバッグってどこを探せばいいんだ?」
売ってそうな町へふらふらと歩き探してみたら、意外と簡単に見つけられた。しかし、街で見つけたウェストバッグは有難迷惑なほどオシャレだった。使えない機能と意味が分からない飾りが付いて4万円。
そんなに高いのかと驚いたが、相場であるならしかたがない。
買うかどうかは保留にして次を探した。

そこで、いつも買っているアウトドア用品店であるMontbellを覗いてみることにした。そしたら、そこのウェストバッグは使う機能だけが搭載され、不要な飾りは一切なし、それでいてたったの6千円だった。
私は迷いなく買った。


「なるほど、仙骨で荷物を持つのか。」
ウェストバッグとは、腰に荷物を固定するバッグである。
だから、荷物を入れて背中側に回すと、ちょうど仙骨のあたりに荷物の重さがかかることになる。これが思いのほか具合がいい。
上半身が荷物から解放され、服の風通しは最高。体の重心近くで荷物を固定していることもあり、動いても荷物に体が引っ張られることも無かった。
仙骨まわりの重さは苦にならないことがわかったのだ。


「女性は、、、」
腰回りにもっと何かあっても苦にならないのではないか。しかし、女性にウェストバッグは似合わないだろうし、嫌がるだろう。ならば、荷物を持てる何かがあればいいのではないか。しっぽがあればいいのではないか。

「そうだ! 女性は、しっぽだ!」


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