ココロも温める音

「ココロも温める音」2005年に書いた旅雑文です。期間限定公開中。

10月の夜空に、まあるい月がぽっかりと浮かんでいます。
月光に蒼白く沈む庭から聞こえてくるのは、秋の虫の合唱。
今宵は、ベランダで焼酎片手に月見&月光浴です。

少し冷えてきた空気の中、お湯割りショーチュー用の湯をわかす。
「家庭用ガスコンロで湯をわかすのは、なんだか味気ないなぁ・・・」。
そう思った僕は、キャンプ用の小型ガソリンストーブを引っ張りだした。
シュコ、シュコ、シュコ。ポンピングし、燃料タンクに圧力をかけ、火力調節レバーをまわしライターで点火。

シュッー、ボッ!シュゴォーッー。強い火力で、すぐにお湯がわきはじめる。夜の静かさの中に、シュゴォーッとストーブの低い燃焼音がひびく。
ストーブの火を止める、とあたりはふたたび静かさにつつまれた。
ストーブの燃焼音は、火を使える(温かな食事、飲み物にありつける)という安心感をもたらしてくれる。

「山、川、海、荒野」自然のフィールドをひとり旅する時、その音に何度もココロも温められたものです。

わおっ!!すげっ!!はぁーっ・・・。
夜空にかがやく無数の星、ほし、ホシ、☆・・・。
それは、お湯割りウイスキーを片手に、テントの外に出た時のデキゴト。
荒野にマットを敷き、ごろり寝ころんで、すばらしい天体ショーをボーゼンとながめた。
そこは「アウトバック」と呼ばれるオーストラリアの内陸荒野。

ある時僕は、どでかい空と赤茶けた荒野の熱風大陸を、オフロードバイクで気ままに一人旅をしていた。
その日も足元の悪路(ガレ場や深い砂場のミックス)に苦戦し、時速30~40キロの低速で慎重にバイクを走らせていた。全神経を集中し、体力をフルに使って。

期間限定公開終了。
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