北風と太陽の川を

11月5日(土) 晴れ。
最高気温20、3度(最低気温7、3度)。

北風が吹きはじめた秋晴れの川を、カヤックでくだりました(R1A:1日コース)。
今秋の四万十川は、雨量が少ない。
水量が少ない川は、川原がグンと広くなり、流れがとても痩せています。
瀬は入り口が、きゅっと狭く浅くなり、コースをよくえらばないと、喫水が浅いカヤックでもすぐに座礁してしまうほど。

 「通常の江川崎からくだるAコースでは、初っ端の瀬で(西土佐大橋下流、右側)、カヤックは間違いなく座礁してしまうだろう(迂回ルートをくだっても)。水温も低いし、北風も吹きそうだし、うーむ・・・」。というわけで、当初のコースを変更し、網代(江川崎4キロ下流地点)から口屋内までをくだるコトに。

天候や川の状況などにあわせて、臨機応変に対応できるのが、アークツアー(プラーベートツアー)のよいところ。思いっきり手前ミソですが。

深秋の淡い日光が、岸辺のエノキの黄葉を、黄金色に輝かせてます。
ヤナギタデが、赤くなりはじめた川原で、オギの白銀の穂が、風に小さくゆれるのを見てガイドは思う。
このまま、北風がおとなしくしてくれれば、良いのだけど、と(昨日の川は、強い北風が吹いた)。
南国の川も、木枯らしの季節が近づいてきたのです。

 長いトロ場の岸辺で、(簡単な講習後)カヤックに乗りこみ、少し慣らしたあと、下流へ。水位が低く、流れがとても遅くなった川は、トロ場では、パドルをしっかり漕がないとくだってゆけません。
手をのばしてふれる水は、ヒンヤリ冷たい。川面の水温は、17度(真夏は、30度)。

 水温が低くなった川は —微生物の活動も弱くなって—
水の透明度がよく、5メーターほどの川底までよく見えます。
透明度がよい川は、大小さまざまな魚の姿が見えてなかなか楽しい。
キチヌ、エバ、ニサダイなどの海水魚たちも、そろそろ川をくだりはじめていることでしょう。
パシャパシャ!丸く円をかくように、水面をはねるアユの姿もたくさん見える。頭上を、目のまえを、オシドリ、ミサゴ、ウなど、夏の間は見なかった鳥たちも飛んでいきます。

南にむかう秋の太陽は、山の影を、沈下橋の影を長くし、早い時間から水面をキラキラ輝かせます。
「うーん、きれいだねぇ、いいねぇ・・・」一同声をあげました。
近くを漕ぐゲストと、川の自然、旅、四方山バナシに花を咲かせながら、秋の川をのんびりと下ってゆく。(同世代の気やすさに、チョーシにのったアーク佐野が、ゲストの二人にくだらないギャグとつまらない物語をたくさん聞かせてまいました。謹んでお詫び申し上げます。笑)。


日暮れが早い季節のカヌーツーリングは、

日陰に追いつかれないように、時間&コースを調整するのが楽しく下るコツです。
陽が山に沈むのがはやくなった深秋の川は、(夏のころにくらべ)川原が日陰になるのもはやく、日陰の川原は、気温がグングンと下がり、ひやいし川景色も暗い(場所にもよりますが)。

昼前に、僕らがくぐりぬけたときは、燦々と陽があたっていた沈下橋も、昼過ぎにはもう日陰に。
朝の太陽に、アウターをぬがされた僕たちも、昼前から吹きはじめた北風と、日陰にアウターを着せられたのでした。

陽のあたる川原に上陸し、北風に吹かれながらゴハンを食べ、コーヒーを飲み、ふたたび川へ。
午後の陽にキラメク流れのゆるい川を、北風に背中をおされながら下れば、ゴール地点が見える長いトロ場で、トツゼン風向きがかわり、キツイ向い風に。最後に試練が・・・。
もくもくと、ひたすらパドルを漕いで、無事ゴール。ふぅ~。
二人のゲストのやわらかな笑顔は、深秋の陽ざしに淡く輝きました。
本日の漕行、約11キロ。

Kさん。 「四万十川の水を飲んだものは、四万十川へ帰る」です。
またお二人で、四万十に遊びに来てくださいね。
あ、そうそう、流してしまったか? と思われたペットボトル。 カヤックの中から出てきましたよ。
*画像CDは、7日発送(郵送)します。お楽しみに~。


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