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ロメリア戦記が出来るまで ~その1、偉人の思考法~

需要があるか分かりませんが、ロメリア戦記の誕生秘話を語ろうかと思います。

 拙作、ロメリア戦記は、その名の通り戦記物として書いております。執筆にあたって、私は歴史上の偉人や英雄の行動を、下敷きとすることにしました。
しかし、手本とするのはいいとしても、歴史上の事件をそのまま小説の中に再現することに意味はないと思いました。

 そもそも全く異なる世界です。似たような状況になることはあったとしても、完全に同じにはならないはずです。当然歴史と同じ解決法が使えません。
そして重要なのは歴史の事件をそのまま再現するのではなく、歴史上の偉人や英雄の思考法を再現することであると考えました。

 例えば織田信長は楽市・楽座を設けたことは有名です。しかしファンタジー世界で同じことはできません。そもそも織田信長が行ったことは、停滞した商業に対する規制緩和であり、楽市・楽座が必ずしも成功する政策ではないからです。

ここで重要なことは楽市・楽座を設けることではなく、信長が商業を重視し、景気刺激策を行った。ということです。

 商業とは、大きく分けて、人の流通、物の流通、貨幣の流通の三つです。
この三つは軍事にも密接にかかわっており、人の流通は情報収集を容易にし、徴兵を可能とします。物の流通は食料や武器の備蓄を、貨幣の流通は軍資金を集めることが出来ます。

もし信長がファンタジー世界にいたとして、楽市・楽座を行うとは限りません。ですが景気刺激策を行い、商業を活性化させたことは確実です。

 

さて、ロメリアがカシューに赴いた時、あの場所は辺境も辺境でした。人口は少なく、資金もない。物流はどん詰まり。もしロメリアが信長だったらどうするか? と考え、海運による物流の改善というアイデアがひらめきました。
そしてその準備として、金鉱山の開発による資金の投入と、出稼ぎ労働者の流入を誘導することを思いつき、カシュー地方の開発が出来上がりました。

それでは、今日はこの辺で





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