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フェロモン欲しいわ~。
以前、「動物好きの極悪人」で登場した妹御が突然実家に帰ってきた。しかも一人で。いつもならフナッシー顔負けの意味不明行動を爆発的に行い、家をめちゃくちゃにしてくれる甥っ子どもがいない。
中学の時の同級生と映画を見てきたそうな。
妹御がアウトレットで購入してきた、ブレスレットを胸に当て、私に見せた。
「なっ!ぴったりやろ」
突然の言葉に私が当惑していると
「イエローゴールド。これやわー。若いころやってたシルバーが全然似合わへんようになってんねん。なんでや思う?」
私が首をかしげて答えると
「肌。肌やねん。若いころは透き通るような色やんか、年いったら、ほら、黒ずんでくんねん。せやから、イエローゴールドがぴったりやねん」
なるほど、そう言われてみると、肌の色と金のネックレスがばっちり合っている。
「これからは、ゴールドやで兄ちゃん」
妹御はそういって、私の鼻先にネックレスを突きつけた。さしずめ、押し売りのオッサンのようだ。
「おばはんになってきたら、フェロモン無くなってくるやんかぁ。せやけど、これでフェロモンたっぷりやで」
自慢げにネックレスを胸に当てる妹御。高校生の息子がいる女子の発言ではない。
いや、女も40越えると無敵になるのだろうか、いやまてよ、旦那とラブラブ20周年を迎えるこいつが、いまさらどうしてフェロモンがいるんだ?
そんな兄の疑問も素知らぬ風に「ダンミツ並みにフェロモン欲しいわ〜」と、大阪のおばはん。もとい、妹御はネックレスをつけて身をよじっていた。
なんやねんこいつは。
┐(´〜`)┌ ヤレヤレ