交通安全週間
全国交通安全運動が4月に実施されました。
飲酒運転か~。今は厳しいよね~。昔はもうちょっと緩かったのにね~。時代だね~。
そりゃひき逃げはいかんが、被害者は死んでないし、元気いっぱいツイッターして遊んでるぐらいなんだから、もうちょっと吉沢さんに世間は寛大でもよかったのではないだろうか?とも思う。そりゃまぁ、飲酒はいかん。ダメですよ。「飲んだら乗るな乗るなら飲むな」でございます。
と言う訳で、交通安全にちなんだお話を書いてみよう。しかも、祝交通安全週間ということで、ちょっと趣向を凝らしてお芝居仕立て、台本仕立てで書いてみよう。よろしくお願いします。
本作品は2003年。私が体験した交通違反、交通事故をもとに書いた、ほぼノンフィクション作品でございます。それでは間もなく開演です。
(*- -)(*_ _)ペコリ
ときは2003年。舞台は群馬県。
全国の交通事故は、発生件数947993件、死者数7702人、負傷者1181431人、一日平均死者21.1人、負傷者3236.8人。車は大変便利で快適な乗り物で、私達の生活から切り離せない身近な文明の利器になっています。その反面、車は使い方を誤ると悲惨な交通事故を起こす凶器になったりもします。
交通事故のほとんどが、運転者の不注意によるものです。交通ルールとマナーを守り、交通事故を起さないように、細心の注意を払って自動車を運転する事が私達一人一人の運転者に求められているのです。注意一秒怪我一生!!
「恐怖の殺人無人車」(タイトル。バックスクリーンへ、どん!)
男サス (ポットライトが男にあたる)
男:私は、この一年で三件もの事故や違反を犯してしまい、ホントに心から「ついてないわね」と思うほか有りません。さらに、免許取り消し処分となってしまいました。不便です。車・・・乗りたいです。群馬で車が無いって言う事はどう言う事かと言うと、不便です。その日私は妙に目覚めがよくいつもより30分も早く目が覚めてしまい、たまには、余裕を持って出勤しようと早めに家を出たのでした。いつもは、朝、時間が無い為缶コーヒーで済ませる所を時間もあるし朝食でも取ろうかと通りかかったほか弁屋さんに入ったのです。事件は店頭に入って直ぐに起きました。
明転。
男、運転をしている。
男:時間も早いしおにぎりでも買って行くか。ぽかぽか亭でいいかな。
男、ほか弁屋の駐車場に車を止めて、ぽかぽか亭の中に入っていく。
男:すみませーん。あれ?誰も居ないのかな。すみませーん。
奥から割烹着姿の中年のおばちゃんが慌しく出てくる。
おばちゃん:はい、はい、はい、御免なさいね、お待たせしちゃって。
男:いえ
おばちゃん: 何します。
男:えーっと。
おばちゃん:今ね、今ね、焼肉弁当とから揚げミックスがセール期間なのよ、
男:朝飯なんで
おばちゃん:あらそうお、お勧めなんだけどな
男:すみませんけど
おばちゃん:朝ご飯なら、これどうお、すき焼き茶漬け
男:すき焼き茶漬け?
おばちゃん:そ
男:メニューに無いですけど
おばちゃん:おばちゃんオリジナルよ。
男:いいんですか、チェーン店でそんな事して。
おばちゃん:若いくせに小さい事を言うな。
男:すみません。でも車で食べたいんで、おにぎりでいいですか?
おばちゃん:おにぎり!!
男:なにか?
おばちゃん:いいねぇ。
男:良かった。
おばちゃん:お勧めがあんのよ。お勧めが
男:焼肉はいいですよ
おばちゃん:違うよ、おにぎりのお勧め
男:はぁ
おばちゃん:分家かまど亭とかで売ってる海賊握りってあるじゃない。1つのおにぎりの中に色んな具が入ってるやつがあるじゃない。
男:はぁ
おばちゃん:それをヒントにおばちゃんが独自にあみ出した究極のおにぎりその名もパイレーツ握り!
男:パクリ
おばちゃん:うるさい!!パイレーツ!今は亡き巨乳二人組みと思ったら大間違い。おばちゃんは、その片割れよ
男:えっ!!
おばちゃん:嘘、嘘
男:あーびくっりした。そこまでやばかったかなって、思い返しちゃったよ。
おばちゃん:そこまでって?
男:いやいや、おにぎり、おにぎりだよね。パイレーツ
おばちゃん:そ、パイレーツ泣く子も黙る、海賊の中の海賊、海の王者!!
男:何が入いってんの?
おばちゃん:パイレーツの異名からも連想できると思うが、ゼンマイ、干し椎茸、竹の子、竹の子はそん所そこらの竹の子じゃないおばちゃんご推薦のはっ竹を使用。えりんぎ、マイタケ、ぶなシメジ♪
男:見事に山の幸だね
おばちゃん:それだけじゃないよ。セリ、ナズナ、五行、ハコベラ、仏の座、スズナ、スズシロを絶妙にブレンド
男:七草かよ。体によさそうだけど
おばちゃん:おばちゃん特製おにぎり、一口ほうばれば、青春時代の淡い恋心が口の中に広がるような、夢のおにぎりなのよ。
男:分かったよ、じゃぁ、たらこ。
おばちゃん:えっ?
男:たらこ
おばちゃん:たらこ
男:そ、たらこ1個、パイレーツと青春と全く関係ないし。
おばちゃん:はい。(おばちゃん不服そうに)折角一生懸命説明してやったのに最近の若いもんはホントに・・・・
おばちゃん、ぶちぶち言いながら奥に入っていこうとする。その瞬間、男の後方から「ドン!!」と大きな音がする。「バリンッ!!」ガラスの割れる音が鈍く響く
男、おばちゃん:わっ!!
おばちゃん:ナニナニ?
男、振り返ると自分の車が迫ってきている。
男:ちょっちょっと
男、自分の車を押し返そうとする。
おばちゃん:ちょっとちょっと、どう言う事?何?どうなってんの?
男:分かりませんよ!兎に角押し返してください。
おばちゃん:えっ!押し返すの?
男:だってしょうがないでしょ!
おばちゃん:この車運転手乗ってないの?何処行ったんだろ、運転手探してくるよ!
男、必死に車を押し返しながら、男、ゆっくりと手を挙げる。
おばちゃん:ん?何?えっ!あんたの!
男、頷く
おばちゃん:どうして、あんた自分の車に引かれ掛けてんの?
男:分かんないですよ!
おばちゃん: どうなってんの?
男:分かんないですけど、状況的に見て判るとは思うんですけど大変なんで手伝ってもらえます?
おばちゃん:あーそうだね。あまりの驚きに我を忘れてたわ。
男とおばちゃんが車を押し出そうと必死に頑張っている。
おばちゃん:どうでもいいけど、この車重いわね、何ていう車なの?
男:パジェロです。
おばちゃん:コレがパジェロかぁ。
男:知ってるんですか?
おばちゃん:良く分かんない。
男:やっぱり
おばちゃん:ほら、くっちゃべってないで真剣に押しこくんな!
男:はい。
おばちゃん:そう!パリダカの男達の様に!!
男:はい!
おばちゃん:トヨタやホンダに負けんじゃねぇぞ!!
男:はい!!
おばちゃん:ほら、にいちゃん、おっぺして、おっぺして!
男:はい!
おばちゃんと男がなんやかんややりながら、どうにかこうにか車を表に出す。
おばちゃんと男「はぁはぁ」と息を切らしながら店の中に入ってくる。
おばちゃん:あーあ。何でこんな事になってんの?
男:さぁ?
おばちゃん:エンジンは?
男:切ってましたよ。
おばちゃん:サイドブレーキは?
男:掛かってなかったみたいです。
おばちゃん:じゃぁ、車がこっちに勝手に転がってきたんかいねぇ
男:そうみたいです。
おばちゃん:車輪留めで止まるはずだけどねぇ
男:丁度、車輪留めと車輪留めの間に止まってたみたいです。
おばちゃん:それなら、道路側が下り坂になってるから向こう側に進むはずだけどねぇ。
男:ん~
おばちゃん、周りを見渡して
おばちゃん:あーあ。お店めちゃめちゃになっちゃったねぇ。
男:はぁ
おばちゃん:にいちゃん、運転してなかったのに不敏だとは思うけど、ぶっちゃけにいちゃんのせいだから
男:はぁ
おばちゃん:ここ一応チェーン店だから群馬の本部に電話してからじゃないと、何とも言えないんだいねぇ。電話して見らいね。
男:はぁ
おばちゃん:あっもしもし本店さん吉岡の尾尻です。お久しぶりです。どうもどうも。いやね、車が店に突っ込んできたんですよ。はい、そうです。「ドカン!」て
男:そんな感じじゃなかってですよ
おばちゃん:えっ?(男に)
男:そんな「どかん!」って感じじゃなかったですよ「ドン、バリ」って感じですよ
おばちゃん:(電話に)すみません、「ドン、バリバリ!!」って感じです。そうです、ガラスが
男:そんな、バリバリ!!て言ってませんよ。バリ、スーって感じですよ
おばちゃん:もううるさいな。スーって何よ、すーって。
男:車ですよ、スーっておごそかな感じで、遠慮がちに入ってきたでしょ
おばちゃん:そうかな?(電話に)スーって感じでそうです。車です。入ってきたんですよ。そうです。車です。そうです。入ってきちゃったんですよ。どうしってって、知らないですよ、入ってきちゃったもんは入ってきちゃったんだから。店?あー(店を見渡して)以外にぐちゃぐちゃになってますよ。営業は何とかできるんじゃないですか、風邪通しがいい感じですけど、涼しくていいんじゃないですか?あーそうですか。はいはい、分かりました。(電話を切る)
男:どうでした?
おばちゃん:あーそうね、本店から保険屋さんが来て、見てもらって査定してからって事になるらしいよ。
男:保険屋?
おばちゃん:直ぐ来るらしいよ。
保険屋:はい、どうも~!
おばちゃん:あんた誰?
保険屋:保険屋です。あらーこりゃえらいことになってるねぇ。
男:早くないですか?
保険屋:えっ?
おばちゃん:直ぐ来るって行ってたから。
男:それにしても
保険屋:はい、わが社は、はやい、うまい、安いがもっとうですから。
おばちゃん:牛丼屋か
男:早い、安いは分かるけど。うまいがわかんねぇなぁ。
保険屋:査定がね、絶妙なんですよ。なんて言ったらいいのかな?
男:分かりました。
保険屋:あーこりゃまた。どうしたの?
おばちゃん:車が入ってきちゃったのよ。
保険屋:どうして?
おばちゃん:知らないわよ。お腹すいてたんじゃないの。
保険屋:誰が?
おばちゃん:車
保険屋:あっそ。(男に)ねぇどうして?
男:サイドブレーキがどうも掛かってなかったみたいなんですよ。
保険屋:サイドブレーキが
男:そうです。
保険屋:車輪止めがあったでしょ。
おばちゃん:車輪止めの間に止まってたみたいだよ。
保険屋:あんた、ついてないねぇ。ダメだよちゃんと止めなきゃ。
男:すみません。
保険屋:車、こっち向かってきちゃったんだ。
おばちゃん:そうなんだよ。私、びっくりしちゃった。ドキドキ
男:どうして可愛くなってんの?
おばちゃん:なんとなく
保険屋:(店を見渡し店の横の方を見て)このひびもそうかな?
男:当たったのここなんですよ、どうしてそんなとこにひびがいくんですか。
保険屋:衝撃でね、衝撃で
男:そんな
保険屋:あっ!
男:何ですか?
保険屋、天井も見て
保険屋:あのひびもそうかな?
男:そんなとこまでいくわけないじゃないですか
おばちゃん:あそうそう。厨房もね、古くなっちゃって、いろいろ、がたきちゃって、システムキッチン見たいにしてほしいねよねぇ。
男:そんなんなるわけないでしょ。
保険屋:考慮してみましょう。
おばちゃん:やったー!!
男:訳がわからない!どう言う事ですか!?(保険屋に)
保険屋:冗談だよ。
男:笑えませんよ。
おばちゃん:本当だよ。
何故かおばちゃんがちょっと怒っている。
保険屋:それにしても、こりゃ結構行くねぇ。
おばちゃん:どれ位?どれ位?1億?2億?
保険屋:こんな掘っ立て小屋みたいな店にそんなに掛かってるわけないでしょ。
おばちゃん:掘っ立て小屋って、失礼しちゃうわ。
男:だから、どうして可愛くなってんの?
おばちゃん:ノリよノリ
保険屋:50ってとこかな。
男:50円って事はないですよね。
おばちゃん:当たり前でしょ!50円って、駄菓子じゃないんだから。
男:冗談ですよ
保険屋:笑えないな。
男:すみません。
保険屋:面白さが分からない。
男:だから、すみませんって。
保険屋:あんた、保険入ってる?
男:えっ?
保険屋:保険
男:あー入いってますよ。保険
保険屋:任意じゃないよ。
男:分かってますよ。
保険屋:じゃ、そっちと話するから。教えて?
男:あーはい。車に証書があると思うんで。
保険屋:あーそう。じゃぁ。取ってきて。
男:はい
男、保険書を車に取りに行く。
おばちゃん:私、手持ち無沙汰なんで、奥、行っていいですかね。
保険屋:私が言う事じゃないと思うんですけど。仕事した方がいいんじゃないですかね。
おばちゃん:思いがけず、平穏な日常がドラマチックになったもんだから、嬉しくって。
保険屋:そうですか。じゃ、居ます?
おばちゃん:いや、いいわ。一応仕事しないと。時給下がっちゃうから。
保険屋:大変ですね。パートも
おばちゃん:そうなんだよ。大変なんだよ。ちょっとあんた聞いてくれる?
保険屋:嫌です。
おばちゃん:見も蓋もないねぇ。いいじゃないちょっとぐらい。
保険屋:おばちゃんの愚痴は無意味の上に長いから。
おばちゃん:最近の若いのはホントに
ぶちぶち言いながらおばちゃん奥にはいっていく。保険屋の携帯電話が鳴る。
保険屋:はいもしもし、はい、あーそうですか。分かりました。そちらの証書の確認もしておいてくださいね。はいはい。それでは(電話を切る)
男、帰って来る。おばちゃん、ピザの生地を回しながら入ってくる。
男:証書持ってきました。
おばちゃん:ピザ回してきました。
男、保険屋おばちゃんを見て
保険屋:あっそ。
おばちゃん、めっちゃ回す。男、保険屋おばちゃんをよそ目に
男:保険書
保険屋:もういいよ。
男:えっ?
保険屋:もういいんだって。
男:何がいいんですか?
保険屋:ぽかぽか亭さんがいいって。こっちの保険でやるからって。お弁当買いにきてくれるお客様だからって。
おばちゃん:ホントに?
保険屋:えぇ。
男:本当ですか?
保険屋:はい。
おばちゃん:ホトンに!いい会社だねぇここの会社は、大岡越前並の裁きだね。
保険屋:ホントに。
男:じゃぁ
保険屋:無罪放免ってことになるね。
男:本当ですか。
保険屋:はい、
男:ありがとう御座います。本当にありがとう御座います。
おばちゃん:よかったね。にいちゃん
男:本当にありがとう御座います。
おばちゃん:いいよ。別に、私の懐の深さに感謝しな
保険屋:あんたの手柄じゃないでしょ。
おばちゃん:まぁそうだけど。
男:ありがとう御座いました。それじゃ私、仕事有るんで
おばちゃん:あっそう。じゃぁ元気でね
男:はい。
保険屋の携帯電話が鳴る。
保険屋:はい、メダカです。
保険屋、電話をしている。
おばちゃん:あそうそう、
男:はい?
おばちゃん:おにぎり
男:おにぎり?
おばちゃん:そ、どうするおにぎり。
男:あそうでしたね。おにぎり買いに来たんだった。
おばちゃん:パイレーツ握り作っといたから。
男:たらこ
おばちゃん:こっちの方が美味しいから絶対。
男:じゃ、それで。
おばちゃん:じゃ、500円ね
男:高いな
おばちゃん:お試し、お試し
男:分かりましたよ。
男、渋々財布から500円をおばちゃんちゃんに渡し、おにぎりを受け取る。
男:じゃ、これで
おばちゃん:じゃぁね。また、お弁当買いに来てよ。
男:はい、絶対きますよ。会社の人間にもここに買いに来るようにって宣伝しときますよ。
おばちゃん:ありがとね。ここまでの寛大な裁きはないよ。
男:本当に、ありがとう御座いました。
男出て行こうとする。
保険屋:ちょっちょとまって。
男:何ですか?
保険屋:いやね、今、本店さんから電話だったんだけど。ダメなんだって。
男:えっ?
保険屋:ダメなんだって。向こうの保険じゃ、
男:ダメ?
保険屋:見れないんだってよ。車が突っ込んできた場合は。
男:そんな。
おばちゃん:まぁ、世の中そんな美味しい話はないわな。
保険屋:ま、そう言うわけだから。保険書貸してくれる?保険使うでしょ
男:はい
保険書を渡す男。
センターサス男がサス(スポットライト内)に入ってくる。
男:結局、私は、自分の保険を使って、店を修理する事となりました。
ブーーーーーー!一話終了。
休憩です。
いやーあの時は本当に自分で自分の車に引かれるかと思いましたよ。(笑)
あっそうそう。この台本を無断で使って舞台やコントの一つもやってこましてやろうという人は必ず許可を取ってくださいね!!!!
見に行きますから!!(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)