おばば様たちの叫び。
最近、お仕事系のお話、ばっかりだなぁ。そうだ、面白いお話を書くためにブログを書き始めたのだった。と、初心に帰り、楽しげなおはなしを書いてみよう。
昼食時母上が唐突に
「〇〇さん(母の友人)とこのの〇〇君(母の友人の息子)あんたと同い年で23歳のお嫁さん貰ったらしいで」
と切り出してきた。
年の差なんと20歳程度(私の年が計算できちゃいますね(笑))
40を過ぎてもプラプラ陽気に独身ライフを満喫している私をしり目に母上のお話が続く。
「〇〇君バツ2で、嫁さん23やで、あんた一回も(結婚)してへんやん。あんた〇〇君に負け負けやん」
突っ込みどころ満載だが、私は押し黙って、黙々と目の前のきんぴらごぼうを貪り食っていた。
「なんやなぁ。もてる男ちゅうのは、何回もできるんやなぁ。〇〇君今まで前の嫁さんらとの間に、子供はおらんかったから今、一歳の娘さんにメロメロやねんて。〇〇さんも70ちかなってからの初孫やろ。大変や~。いうてはるわ」
と、いいながら、どこか、チラチラとこちらを伺い見るような視線を照射する。
私は、適当に相槌を打ちながら、
「おっ、オカンこのジャガイモ「きたあかり」やんけ。醤油バター最強やな」
と、雄大な北の大地から、遠路はるばる泉州の片田舎までやってきてくれた、大地の恵みを愛でていた。
「なんかなぁ。お嫁さん事情があって、里帰りも嫁ぎ先の〇〇さんのところに来ててんて、ほんで、息子の〇〇君も帰ってくるっていうから、お前はいらんって、断ったいうてたわ。ほんま大変やね~」
と、大変だ、大変だ、といっている、母上の顔と話し口調はあきらかに
「うらやましい!!!!!」
と叫んでいる。
食事も終わり、私が今日調べなきゃいけないクリューバービューシー症候群の資料をリックへ大量に詰め込んでいると、私の背中越しに終わりのない「うらやましい!」会話の音量が少しづつ上がり始めてきた。
こりゃいかんと私は取り急ぎリュックを背中に担いで、「では、さようなら。私は勉強に行ってまいります」と言うように、話し続ける母上に無言で深々とお辞儀をして家を出た。
逃げる息子の背中に大声で行ってらっしゃにの代わりに「今晩のご飯は肉やで!!」と草食系をなんとか肉食に変えてやろうというような隠語をふわりと含ませて、母上は私を送り出してくれた。
いや~。親と言うのは普段は「あきらめてる」とか、「まぁ、結婚だけが人生じゃないから」とか言ってるが、深層心理は
「はよ、あんたもなんとかせい!!孫!!!」
と思っているんだろうなぁ(苦笑)