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築20年目の時効
我が家のスペックでも書いた通りですが、私の家は築21年目です。
築20年が施工業者に責任を問ううえで非常に大きなターニングポイントとなります。
今回の記事はそちらについてまとめたいと思います。
【いろいろな時効が20年で到来】
施工業者が何らかの不備をしていたとして、法的に責任を問う際に適用される法律は瑕疵担保責任、債務不履行責任、不法行為責任あたりが該当します。
それらの時効については以下の通りです。
1. 瑕疵担保責任
除斥期間: 買主が瑕疵を知った時から1年以内。
この期間内に訴えなければ、権利を行使できなくなります。
瑕疵に気づかない限り、この期間は進行しません。
消滅時効: 債権は10年間行使しないときは消滅するとの規定がありますが、瑕疵担保責任については、除斥期間の存在により、消滅時効が直接適用されるケースは少ないと考えられています。
2. 債務不履行責任
改正前の民法: 債権は10年間行使しないときは消滅する。
改正後の民法:
主観的起算点: 損害及び加害者を知った時から5年。
客観的起算点: 権利行使できる時から10年。
生命・身体の侵害による損害賠償請求権については、上記の期間がそれぞれ5年、20年に延長されます。
3. 不法行為責任
改正前の民法: 被害者が損害及び加害者を知った時から3年間。
改正後の民法:
主観的起算点: 損害及び加害者を知った時から3年。
客観的起算点: 不法行為の時から20年。
生命・身体の侵害による損害賠償請求権については、上記の期間がそれぞれ5年、20年に延長されます。
つまり、建物に何らかの不備(設計不良、施工不良)があったとしても、築20年経過後は法的には全て時効になってしまうということです。
私の家の被害についても、
・そもそも玄関柱には雨漏りが有ろうがなかろうが水が浸入する構造ではないか?
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・玄関ポーチ柱に木材が詰められてて、それが土間と繋がっていることによりシロアリ侵入リスクが高い構造だったのでは?
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参考:
このあたりの設計不備、施工不備を問えないか相談しましたが、結局は「時効の壁」があるので、正攻法での責任追及は出来ない形になってしまいました。
それゆえに、私のケースの場合は「2023年に実施した防蟻工事及びその契約過程における不備」でのみ、大手ハウスメーカーに責任を追及する他ない状況と言えます。
【設計、施工不備を問うための判例】
平成23年7月21日判決
ざっくりまとめると、本判例は「基本的な安全性を損なう欠陥」の定義と、そのような欠陥に対する設計者と請負業者の責任について説明しています。
最高裁判所は、そのような欠陥には、まだ現実化していない場合でも、居住者の生命、身体、または財産に現実的な危険をもたらすものを含むと判示しました。
また、最高裁判所は、建物の所有者は、第三者に建物を売却した場合でも、そのような欠陥に対して設計者や請負業者に損害賠償を請求できると判示しました。
私のケースに当てはめれば、上述の通り雨漏り有無にかかわらず玄関ポーチ柱に水が浸入する構造であった場合、シロアリ侵入リスクを誘発することから、この判例に該当する可能性があると言えます。
また、中古で物件を購入した場合においても施行主である大手ハウスメーカーに責を問うことができる事例として有力なものです。
ですが、これも築20年目の時効の壁に阻まれている故、私のケースでは残念ながら使うことが出来ません。
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