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Wintermute,dawnを読んでの考察

はじめまして。
今回は、「Wintermute,dawn」を読んだので考察をここに記します。


はじめに

考察の内容で「そんなわけね―じゃん!」と思った場合はコメントで教えていただけるととってもありがたいです。

Wintermute,dawnって結局どんな話だったの?

結論から先に申し上げますと、Wintermute,dawnは

芹沢あさひの取捨選択の話です。

・・・・・・・・・?

…?

と思われた方が多いと思います。
これから説明していきます。

取捨選択って何の話?

選択するというのは、
「これが重力なら」
「必要な重さなら」
「私たちにできるのは」(私にできるのは)
「選択することだけ」(選ぶことだけ)
の部分のことです。(書いてある言葉とあさひが喋っている言葉が違うのは、書いてある内容はコンペの先生の引用だからですかね。)
あさひが選べていないというのは、愛依ちゃんとの対比でもあらわされています。

持っていく荷物を選べる愛依ちゃん
ゴミでも荷物に入れたままにしてしまうあさひ

さらに、今回の話ではあさひが選ばず、誰かに答えを委ねたり、誰かに言われたとおりにしているところが多くあります。
踊ってみたい曲が無かったり、クレーンゲームで冬優子ちゃんにやってもらったり、ぬいぐるみを置くとこないって言ったり、(私の感想ですが)かなり強調されていたと思います。

あさひが選べていなかったことはわかったけど、じゃあ何を選ぶのか?今回の話では、「おもい」を選ぶということになると思います。

「おもい」って何?

「おもい」とは、「誰かのあさひに向けられた想い」と「その重さ」の事だと思います。
「想い」は今回の場合は同級生の「サインを貰ってきてほしい」、ブルゾンの男性の「海外に来てほしい」、プロデューサーの「学校に行ってほしい」、冬優子ちゃんの「ちゃんとしてほしい」とかの「願い」でしょうか。

ではこの時の「重さ」とは何でしょうか。もちろん重量のことでもあると思います。重いものを抱えてしまったせいで自由ではなくなってしまって動きづらくなってしまった。

しかし私の意見としては、(これはかなり妄想となってしまいますが)「重さ」が生み出す引力(万有引力)のことではないかと考えます。
あさひが今回自由でなくなったのは、いろいろな人の想いに引かれて動けなくなってしまったのではないのでしょうか。

今までの芹沢あさひは、他者に引っ張られるよりは、自身が一番大きな引力をもって行動していました。「ほっとけない」「周囲の人が助けてくれる」のように、周囲の人間を衛星のように引き付けていました。(冬優子ちゃんがあさひに引き付けられてしまう話は「×トリック 〇___」や「(ノージャンル)グラビティ」など、あさひに引力がある描写はいくつかあった)また、今までも他者の願いを叶えるところや想いを引き受ける場面はありました。(「ひかりしめすは」など)
しかし、今回に関してはその想いが多すぎたために、引かれて力が釣り合ってしまい、どこに行けばよいかわからない、もしくは行きたいところに行けなくなってしまいました。

今回の話で他に引力が関係あるところとして「ステージの上には何もなかった」というところがあります。
プロデューサーは「獣は何もないところには行かない」と言っていました。それと同時に、何もないところには万有引力がありません。なのであさひは飛び出せないのです。
しかし、本番では冬優子ちゃんと愛依ちゃんがセンターステージに集まったことでそこに「引力」が生まれました。その結果、「わたしもセンターに行きたくなったっすよ」となったと考えています。

話を戻しますが、ここで力が釣り合ってしまった理由として「選択」があります。実際、いろいろな人の想いを受けたとしても、その想いに優先順位をつけたり、断ったりすれば動けなくなることはないのです。これができなかった。(冬優子ちゃんに「特番に集中して」「後回しにしたっていいんだから」と言われるなど)

では、どうやって選べばよいのか?今回の話では、同じ「引力」に引かれてかつ道標となってくれる「コンパス」があります。

コンパスについて

そもそも、重さ(想い)及び重力というのは「生きるのに必要なもの」もしくは「無くては生きていけないもの(捨てられないもの)」として描写されています。(コンペの先生との会話や船頭の女性の「船が動くのは簡単で、それよりも人のための荷物が多い」など、ずれたところでは「アイドル辞めたら学校行かなくていいっすか?」も(アイドル辞めたところで学校に行かなくて良いわけではない))
他人の想いやそれからの引力が必要というのは、「あさひが生きていくうえでなくてはならないもの」なのか、「全人類共通で生きていくうえで必要不可欠なもの、捨てるためには死ぬしかないもの」なのかは私にはわかりません。(あさひの「体がいらない」という描写(なくすためには死ぬしかない)や、船頭の女性の話を考えると後者な気はしますが、それだと少し味気ない?)
どちらにせよ、この「おもい」とは今後も付き合っていかないとあさひはどうにもならないと考えられます。ただし、前述したように、抱えすぎると動けなくなってしまいます。途中、「良くも悪くも」という言葉が強調されていましたが、「おもい」は良くも悪くも生きていくうえで重要ということでしょうか(無くては生きていけないが、ありすぎても不自由)。それを選ぶのがコンパスです。

「ざざ、ざざざざ」より

今回、あさひをコンパスのように導いてくれていたのはやはり冬優子ちゃんや愛依ちゃんでしょうか。
冬優子ちゃんはディレクターに言われた「子守」というところや、上述したように「後回しにしてもよい」と優先順位をつけるように導き、愛依ちゃんはサインを貰いに行ってくれたり、「海外へは三人で行けばいいじゃん」と答えをくれたりといったようにあさひの想いを減らそうとしてくれました。
ラストでもあさひはコンパスを使ってどこに行くか決めていました。「いざというとき、コンパスを使えるようになった」という描写だと思っています。

では、プロデューサーはどうなのか?というところですが、ラストにもあったようにプロデューサーはコンパスのように「導く」というよりは行きたいところに「連れていく」、もしくは行きたいところを「一緒に見つける」存在でしょうか。答えを直接渡すのではなく、サポートするような立ち位置で。

まとめ

まとめると、芹沢あさひは
「行きたいところがわからないとき、たくさんあった時に、コンパスで決められるようになった」
というのが、Wintermute,dawnのまとめと私は考えています。

以下、雑記

・「自由」について

今回、いろいろなことが組み合わさったおかげであさひが自由でなくなり、「前と変わらない気がするっす」と言っていました。この「前」というのはアイドルになる前のことでしょうか。
この「前」と「今」の状況ですが、「子供」と「大人」のことなのかなと思いました。
一般的な話では、子供の時は責任もなく、自由に使える時間も多くありますが、お金(手段)がありません。しかし大人になると働き始めて自由に使えるお金がかなりありますが、仕事があるので時間がありませんし、責任もあります。
あさひの場合は、「前」は学校以外の責任が無く、自由度は高くありましたが、楽しいことをあまり見つけられず、変化が無いため長続きもしませんでした。それにやりたいこともなかなかできませんでした。(池にいると怒られるし、重いすいとうを持たなければおんもにいけないなど)
「今」はどうなのかという話ですが、楽しいことがたくさんあり、冬優子ちゃんや愛依ちゃん、プロデューサーのおかげで長続きするようになりました(ファン感謝祭編の「果てが見えない」、LP編の「ステージでは同じ状態は一瞬もない」)。しかし、それに伴い責任が増え、時間が無くなってしまいました(ディレクターの「前の時は大変だった」、学校サボった後の「学校に行ってる時間がもったいない」)。
私たちは大人になって仕事をするようになればいくらでも「仕事だから仕方ない」とあきらめることができます(例えば冬優子ちゃんならクッソやりたくない仕事でも、何もなくても、折り合いつけてやるでしょうし、自分の気持ちもある程度コントロールできる)が、あさひはまだ若いので(プロデューサーの「まだ14歳だ 多くは求めない」など、感想ですが個人的には果歩ちゃんよりも「若者である描写」が多い気がします)気持ちのコントロールもできないしきつかったのでしょう。
そういう意味では、今回の話は「子供から大人への成長」という風にとらえることもできるかもしれません。(まあ一日やそこらで変化できるわけではないのでこれからゆっくり成長していくものだと思いますが)

・「温度」について
ファン感謝祭や今回もありましたが、寒い場所や静かな場所であさひは止まってしまっていました。(その時の描写としてノイズのようなものが走るがおそらく「Howling」の雪原)また、「Boiling sky」では、同じ泡でも熱によって違うという話がありました。この描写から、あさひが動くには「熱」が必要なのではないでしょうか。個人的には原子や電子などの熱振動を連想しました。熱があるとあさひは自由に動き回り、温度が低すぎると振動が無くなって(正確には零点振動がありますが)動けなくなる。今回のように温度が冷えている場所では、冬優子ちゃんと愛依ちゃんのような引力が必要だったのかなと思いました。
この「温度」が何によって上下するかは私にもよくわかりません。もしかしたら他人との関わりかもしれないし、冬優子ちゃんや愛依ちゃんかもしれないし、単純に「面白いこと」かもしれません。わかるようになりたい。

・「真空の庭」について
まずこのタイトルですが、「真空」の場所では振動するものが無いので静かです。Howlingでは何もない場所として雪原があり、そこは寒くて静かな場所でした。(この「真空の庭」というのはステージのことでしょうか?)
真空でも届く波といえば「光」でしょうか。あさひが「くらい」と言っており、「あった気がする」場面では明るくなっていたので可能性はあると思います。また、今回何か所かで「飛び出す」という言葉がありましたが、前述の電子のことを考えると、光を当てると電子が飛び出す「光電効果」でしょうか。

・GPSについて
GPSとは何を表現するために出てきたのか。 ぶっちゃけこれはよくわかりませんでした。前述の電子にこじつけるならば、「不確定性」でしょうか。電子は雲のようにぼんやり存在するものとされていて、電子の位置×運動量はある定数以上になると言われています(ハイゼンベルクの不確定性原理)。そのぼんやり存在していたあさひを見つけ出すためにGPSが必要だった、ということと考えられます。
まあ、この電子周りの考察はかなりこじつけっぽいのであんまり自信ないですね。じゃあ書くな

・同級生について
今回サインを取ってきてほしいと同級生に言われていましたが、あさひが断らなかったのは冬優子ちゃんが「借りを返す」と言っていたからでしょうか(最後にも「『借り』は返したよ」と言っている)。

「ヨイヨイ」より

同級生は最後ストレイのサインでもいっかーとなっていますが、やっぱりあさひが自分のことを考えて書いたサインだったからでしょうか。というか、そういう感情だったらいいなあと思います。(「君が選んだプレゼントだったらなんでもいいよ」みたいな。実際あさひは同級生のために頑張ってサイン貰いに行きましたし、ストレイの二人も手伝ってくれたので、その想いが伝わったって感じだったらいいですね)

・ブルゾンの男性について
ブルゾンの男性は「あさひさんの意志が固まってから相談した方が良い」と言っていました。この発言を好意的にみるなら、他の人に相談してしまうとその意見に引っ張られて、本人の意思が無くなってしまうと考えたからでしょうか。周囲の大人に言われたことを「正しいのかも」となってその意見をそのまま取り入れてしまう子供は少なくないと思います(あさひも冬優子ちゃんの意見に引っ張られることがある)。純粋なあさひの意見が聞きたかったものだと推測します。
敵意的にみるなら、あさひの能力はとびぬけており、ストレイライトのセンターなので、ユニットのメンバーやプロデューサーに相談すると「行かないでほしい」と言われるだろうな、と思ったからでしょうか。ブルゾンの男性としてはあさひに海外に来てほしいので、その確率ができるだけ高くなるような戦略と考えます。

・すい姫について
かなり冬優子ちゃんに似てますよね。
・あさひのことが嫌い
・ファンサービスがめちゃくちゃ良い(多分売れるためにめちゃくちゃ努力している)
・普段の態度とテレビ(アイドルの時)の態度が違う
冬優子ちゃんを意識した人だとは思うのですが、個人的にはあさひに似ているところもあると思います。
例えば同級生には「目が大きくて、体格が小柄」と評されています。目が大きいというところは置いておいて、「Anti Gravity」においてあさひがオーディションに負けた理由が「手足が(受かった人と比べて)短いから」でした。(まあ、相対的に短かっただけで、絶対的に小柄かどうかはわかりませんが…)
また、あさひがすい姫を覚えていた理由として「踊り方に緩急のクセがあった」と言っていました。同じく「Anti Gravity」では手足の短さを補うために緩急をつけたりしていました。(まあ、緩急のクセがあっただけで小柄なのを補うためのものかどうかはわかりませんが…)
このようなところが共通点かなと思います。書いてある通り、考えすぎな気もしますが。じゃあ書くな

・「かえってくるもの」について
この話に関してはさっぱりわかりませんでした。怖い話が刺さらないあさひと怖がる愛依ちゃんの対比の意味もわからないし、禁止されるとやりたくなる(カリギュラ効果?)のがないあさひとある愛依ちゃんとあさひの対比もわかりませんでした。
「不機嫌なテーマパーク」で遊園地のチケットを折り紙にしてしまうところや、一位のぬいぐるみより五位のフリスビーが欲しいというところであさひの「普通とはちょっと違った感性」のようなものは見せていたので、今更その描写をしたとはちょっと考えにくい気がします。
また、「かえってくるもの」というタイトルもわかりませんでした。
わかる方いましたらご教示いただきたいです。

終わりに

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
あまり推敲できていないので読みにくい文章だったと思います。
また、「内容がちがうよ」と思った方はぜひ教えていただきたいです。
あさひを間違って理解している人間を減らすことにご協力お願いします。

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