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大統領と首相

このタイトルからおおよその事を想像される方は多いかもしれません。言うまでもなく大統領は国家元首、首相はその国に王室があったり別に大統領がいたり、中国のような国など。日本ではもちろん皇室があり議員内閣制をとっていて、もちろん政治のトップは首相である。

いまオリンピックがコロナ禍の中で大きな関心ごとになっているが、1972年、西ドイツで行われたのがミュンヘンオリンピック。そのオリンピックの開会式で私は初めて西ドイツに大統領が存在する事を知った。新聞やテレビニュースに出てくるのは常に首相だったからである。ハイネマン大統領という名を初めて耳にした。調べたところ、西ドイツには王室は無く、政治のトップは首相が努める。これは東西が統合された今も変わらない。ドイツでは大統領は精神的支柱であり、哲学をもち国のあるべき姿を示す存在だという。

日本では小泉元首相が「首相公選制」を唱えたが、議院内閣制の中反対意見もかなりあった。今日私がこの事を取上げた大きな理由がある。地球規模の環境危機、核の脅威、コロナとの対決など、まさに人類の明日が崖っぷちの状態で、平和への哲学をもった強力なリーダーの出現こそが、世界にとっても日本においても必須であると。日本にも首相として力を振るえるだろう政治家が皆無だったわけではない。好き嫌いは別として、小沢一郎、亀井静香、石原慎太郎、橋下徹など。ただ、石原さんも橋本さんも私は首相としては支持出来なかった。それは国家観が違うからである。物事をはっきり言う、行政能力がある、決断力がある事は総理大臣にとって必要な事だが、同時に日本では外交も総理大臣がトップである。総理大臣が外交の方向に大きな力を持つ限り、私は彼らを支持出来なかった。逆に鳩山元総理は哲学は共鳴出来る存在だったが、行政能力に問題があったように思う。

かつて私は天皇制にどちらかというと消極的な立場であったが、昨今の天皇陛下の平和への思いを聞いていると、もちろん現憲法の「象徴」という事には賛成だが、平和へのお気持ちをもっと出せる場が多くても良いのではと。踏み込んだ発言があっても良いのではと思う。またそれが不可能であるならば、平和国家として生きて行く日本の普遍的なメッセージを発信するポジションとして天皇と首相の中間に位置するような存在を考えても良いのではないかと。

もし、いま現在で言うならば、私が適任だと思うのは「河野洋平」さん。お亡くなりになった方では「後藤田正晴」さん。とにかく私の願いは、日本が世界平和を実現する先頭に立って欲しいという思い、願望なのです。

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