【NEON ACADEMY DAY4 レポート】辻史名さんと学ぶ「取材・執筆力をあげるポイント」とは?
2024年2月に開校した、「日本をもっとネアカに」を信条に活動する制作会社NEON GREEN Inc.が提供する、クリエイティブディレクター養成講座 ・NEON ACADEMYは、1期生はベーシックコースを終え、現在はアドバンスコースが行われています。
今回は、3月13日に行われた第4回の講義の様子をレポートします。
前回のレポートはこちら↓
今回の講義テーマは「執筆力」。記事の執筆のポイントを学んだ上で、特別講師の辻史名さんをお迎えし、ライティングや取材のTIPSや普段意識していることについてお話を聞きました。
クリエイティブディレクターにはいつ執筆力が必要?
クリエイティブディレクターにとって、執筆力は最も求められるスキルと言っても過言ではありません。
例えば企画をする時には、まずクライアントとのヒアリングから始まり、企画書や資料作成、SNS用の文章案、メディア記事やインタビューの監修に至るまで、各段階で執筆力が求められます。
クリエイティブディレクターは、必ずしもすべての文書を一から自分で書くわけではありませんが、質の高いコンテンツを識別し、編集や監修を行う上で、豊かな執筆スキルが必要となります。
記事を執筆する心構えとは?
執筆力の重要性を学んだあと、早速、執筆力を上げるためのノウハウをチェックしていくことに。
最初に、案件として執筆する際の心構えを知るべく、一般的なブログ記事とメディアで依頼された記事の違いを見分けるクイズからスタート。
二つの記事を比較することで、メディアの記事がどのように専門性を持って作成されているかの理解を進めました。
ここでは執筆する心構えとして、
・公にするもの、取材対象がいることへの責任感
・受け手に対する配慮
・目的意識を持って、対象となる施設やサービスを正確&魅力的に執筆すること
の大切さに触れていました。
記事執筆の際には、ただ情報を伝えるだけでなく、受け手の心に響くような、影響力のある内容作りが必要なのです。
ターゲットを定めよう
次に記事を執筆する際における「ターゲットの重要性」に焦点を当てました。
記事の執筆はただ情報を書き連ねるのではなく、誰にどのように伝えたいのかを明確にすることが大切。
特に、メディア記事の執筆では、「コンセプトとターゲット層を理解し、適切にヒアリングした上で内容を構成する」ことが、読み手にとっての価値となります。
ターゲットとなる読み手にはどのような情報が求められているのかを見極め、それに基づいた内容を作っていくことが必要があります。
記事執筆におけるターゲットの決定は、単に情報を伝える以上の価値を生み出すための重要な作業なのです。
記事の構成とは?
ここでは、効果的な記事執筆のための基本的な構成要素と、その適切な組み合わせについて記事の事例を用いて深掘りしました。
記事の構成で特に重要なのは、誰向けにどのようなテーマで話を展開するかを明確にし、記事全体を通して一貫性を持たせること。
この基本的な構成は、読者にとっての価値を高め、記事の目的を達成する上で欠かせません。
この視点をベースに、記事構成に必要なセットとそのための準備の流れについて具体的に学びました。
細かな執筆TIPS
記事制作の大枠を理解したところで、次に細かな執筆TIPSを学んでいきます。
前提として、メディアコンテンツにおける良い記事とは、「はじめての情報を目にする読者でもすぐにイメージでき、読んだ後にすぐ情報を活用できる内容」です。
はじめて情報を目にする読者の視点に立って、対象となるテーマや商品について十分に説明することで、「明日この商品を買ってみよう!」「ここに行きたいな。」と思わせられるような文章を書く必要があります。
執筆のTIPS
記事の読者を次の行動へ移させるためには、読者にとっての読みやすさがとても重要になります。
そのような記事を執筆するための細かな確認ポイントとして、
文章の構成
固有名詞の正確性
語尾の統一性
記事内での事実、感情、解釈のバランスのよさ
などが紹介されました。
これらの細かなテクニックを抑えることで、プロらしく読みやすい文章を作成することができます。
各グループブレイクアウトルームでの感想シェア
記事執筆の基本を学んだ上で、ブレイクアウトルームに分かれて受講生が自身のnote執筆課題「今ハマっている〇〇をPRする」の振り返りをしました。
みさとさん:自分が愛するものについて語る文章だったため、エッセイチックになりすぎてしまい、ターゲットやメディアの意図を見失っていたという反省がありました。お仕事としての執筆力を上げるために、講義で学んだ内容を今後活かしていきたいです。
受講生それぞれが、講義を聞いた上で自分の書いた文章を後から振り返ることで、執筆の改善点が明確に見えたのではないでしょうか。
辻史名さん登壇:取材のリアルを聞いてみよう
ここで本日の特別講師である辻史名さんに登壇していただきました。
辻史名さんは、「ELLE」と「ELLEgirl」のコントリビューティングファッションエディターとして、ファッション関連のエディティングやライティングの仕事を行っており、ファッションウィークの取材、トレンド特集の記事執筆、インタビュー企画など幅広い活動をされています。
取材のリアル
辻さんの具体的なお仕事の紹介を通して、取材のプロセスや良い取材をするためのポイントを学びました。
辻さんによると、取材のプロセスは、事前のリサーチからインタビュー、撮影、記事のまとめまで多岐にわたります。
取材において特に重要になるのは、取材対象とのリレーション構築。
事前のメールでの質問リスト送信からインタビュー当日での会話まで、取材対象がリラックスして答えられるような雰囲気作りを心がけているそうです。
海外での取材では、上下関係なくフラットにコミュニケーションを取るので、取材対象とフランクなやり取りが可能になるという、海外で働く編集者ならではのエピソードも話していました。
また、取材現場でのムードを和らげるためのテクニックや、取材対象の個性を引き出すための質問技術などが紹介されました。
辻さんの豊富な経験と具体的な取材のリアルに基づくお話は、今後ファッション業界でのキャリアを目指したい、海外で活躍をしたいと考えている受講生にとても好評でした。
参加者からの質問タイム
講義も終盤に近づき、参加者からの質問の時間に。
取材のプロセス
インタビューのテクニック
記事の書き方
海外でのネットワーキングの方法
などの幅広いテーマの質問がありました。
辻さんから、取材対象との良好な関係構築、リスク回避のための事前準備、そして話が脱線した場合の対応策など、実際の経験に基づいた貴重なアドバイスをもらいました。
さとみさん:取材の際、質問は頭の中で決まっていますか?
辻さん:事前に編集部と相談し、質問リストを作成します。でも、インタビュー中に追加の質問が浮かぶこともあり、その場で臨機応変に質問を行いますね。
そうさん:取材後、記事はどのタイミングで書いていますか?
辻さん:公開日に合わせてスケジュールを立て、その計画に従って進めます。緊急の場合は即日取材し、記事を書くこともありますね。
みさとさん:話があまり得意ではない取材対象をリラックスさせる方法は?
辻さん:取材対象の年齢や性格、その日の気分に応じて接し方を変え、こちら側のスタンスをはっきりと示し、その場において取材対象が迷いがなく話せるように心がけています。
辻さんからの参加者へのメッセージ
「ファッションとか、新しいトレンド、新しい情報の話だと、そのブランドやデザイナーについて読者が何も知らないということがあるんです。それをいかに理解してもらって、興味を持ってもらうかを意識しています。
こういう仕事をしてると、シーズンを先取りするのが当たり前になっている一方、それはみんなにとって当たり前じゃないから、理解してもらうのって結構難しいと思うんですよね。
読者に対して優しく簡単に噛み砕きつつ、芯を食ったような伝え方を意識しています。『きっとこういうのがあったらすごくいいと思うし、みんなの毎日がすごく良くなると思うよ。』みたいな。それはどんなターゲットの人でも必要で大切なことだと思います。」
辻さん、貴重なお話をありがとうございました!
最後は、参加者全員でNEON ACADEMYのNのポーズで記念撮影。
取材やインタビューの成功は、対象者を理解し、読者に対してもわかりやすく伝えることを心がける準備が大切です。
今後も聞く力と伝える技術の両面のスキルアップを積み重ね、豊かなコミュニケーション力と執筆力を磨いていきましょう!
次回のレポートもお楽しみに!