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鈴の緒作り

友達が電話で言った。
「神様との約束ですから、今年中に行かないと!と思ってます」
確かにもう12月になってしまっていた、彼女たちが鈴の緒を作りたいと言ったのは4月だった。

一緒に参拝した神社の鈴の緒がボロボロだったから、別の神社の宮司さんをしている旦那さんが、新しいのを作りたいと言ってくれたのだった。この神社を管理されている人をよく知っていたので、話をしたら、村の人口が減って奉納される人がいなくなり、長い間取り替えていない、とのこと。作ってくれるならその代金は神社のお金で払うと言われた。


とってもみすぼらしい鈴の緒だった

都合のいいタイミングで電話くれたら、私も一緒に作るし、村の人も来たらいいから神社の近くの家で作ろうということになった。

それから数ヶ月、私はあの神社に行くたびに、いつ来てくれるのか?と思っていたけれど、こちらから催促するのも何だし、黙っていたらやっと電話があり、近々そちらにいくのでと、その日にちを相談してきた。彼女が言った日は私もちょうど空いていたので、神社の係の人に相談して、近くまできたら連絡してもらうことになった。


そうしてその日、9時過ぎに電話があり、まだ買い物など準備があるからもう少しかかるとのこと。私は、家を出て、近くまで行って待機することにして、あと5分ほどで着くという時に、その鈴の緒の代金を立て替えると言ったことを思い出し、お金を出しに行くために来た道を引き返した。ところが、なぜか銀行のATMのある店の前を通り過ぎてしまって、少し走ってからそのことに気づいた。
「あれー?なんで通り越したんだろ?」またUターンして、ATMに行き、お金を用意して
「ま、これも何か意味があるんだろ」
と、車を走らせながら思っていて、交差点の手前で、友達から電話
「今、どこにいますか?」
「大音の信号のところ」
「あ、それならうちに来てもらえますか?うちで作ろうと思ったんです」
彼女の実家には材料に必要な縄があった。

これだ!!神社の近くの家で作るつもりだったから、この交差点をまっすぐ行こうとしていた私は、信号待ちで止まったところで、友達の電話を受け、右折して友達の実家に行くことになった。このタイミングで電話を受けるために、わざわざ、Uターンさせられたのか!?
神様のなさることは完璧だ!!

そうして、友達の実家で鈴の緒作りは始まった。


さらしを2本と赤いさらしを1本、3mにきり、縄を3m✖️3本2、6m✖️6本用意する


短い縄2本と長い縄1本をさらしで巻く


3本の縄を1本のさらしでくるくる巻いていく


さらしを巻いた縄の端をゴムで止める


白いさらしをねじって2本をなう


さらに赤いさらしを捻りながら合わせていく
白2本の間に赤1本


最後はしっかりくくる
麻ひもで結ばれた。

代金を払うと言ったら、
「奉納させていただく」と言われた。ありがとうございます。

今日作った鈴の緒を取り付けるのは、神社の係の人がしめ縄をつけに行く15日になったのだけれど、13日が正月こと初めという日なので、新しい鈴の緒をつけることは新年に向けての準備ではないにしても、15日の方がいいでしょうと言うことだった。

4月に話が出て実行されたのが12月、随分待たされたように思ったけれど、実はこの日が一番いい日だったのだ。
15日には神社の係の人と、新しいしめ縄と鈴の緒を持って神社にいく。今年最後の参拝になるだろう。

読んでいただきありがとうございます✨✨



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