続く不安 2
1ケ月後に検査結果が出て、ポリープが悪性だという事が告げられた。検査の重要性やストレスや生活でのケアが大切だと思い知らされ、考えさせられる結果となった。綺麗に切除出来たので問題ないとの医師の言葉には安堵したものの、一部が癌化していたという事実は彼にはショックだったようだ。検査結果の翌日、以前から予定していた久しぶりの家族旅行に出掛け、日本海の広い海を眺めながら夫婦で新しい将来の形を語り合い、平穏な生活が何よりの幸せだと話した未来の形も、この時私達に更なる苦悩が襲ってくるとは想像もしていなかった。
春頃、日常生活を送っていく中で、また以前のような異変が私の体に起り始めていた。
主人の健康を考え、夜夫婦でウオーキングをするようになっていた。そのたび感じる足の違和感。普通に歩いているだけなのに、足が痺れ歩行の感覚がおかしく、何もないところで蹴躓いてしまう事が多くなっていた。丁度その頃、ギックリ腰で動けなったり、娘の試合観戦で長時間立っていると足首より下が真っ青になったりと、あらゆるところに異変が起こるたび「おかしいな・・・」と思いながらも、深く考えず日々を過ごしていた。そんな私に決定的に異変が起こったのは、6月の初めの仕事に向かう自転車での転倒。折り畳みサイズの小さな自転車での転倒は、さすがにおかしいと感じた。再び自転車に乗ろうとしていても片足では支えきれず連続して転倒してしまう。何とか自転車を押しながら職場まで着いたが、そのあとも自分の体を自分でコントロール出来ず、その日の仕事も左手の小指と薬指が震え上手くパソコンが打てない。しかも首から腰までの広範囲の痛さも増していて、何か一抹の不安を感じながらも数日過ごし、職場で相談してすすめられた整形外科を受診する事にした。この時点で自分で歩け普通の日常的な事は出来たが、体半分が痺れ感覚が鈍く温度を感じない状態で、首の痛みが日々増していた。
この日を境に恐ろしい現実と、苦悩と不安、痛みの生活の始まりになる事など、私はおろか家族誰1人想像もしていなかった。