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不妊症⑧一般不妊治療中の娯楽と愚痴と

遠くに行きたい。旅行したい。
検査も手術も治療も二人のために、わたしの方は仕事は欠員出てるのに何度も融通してもらって、残業して大変で、それなりに痛くて不安な道を頑張ってきた。次からも頑張るための、ご褒美がほしい。もしも次で終われるのなら、最後の旅行がしたい。

通院の合間の2週間くらいしか、チャンスはない。
夫とは行き先やら計画やらで揉めたけど、弾丸飛行機旅行を決断してくれた。

快適な空の旅 限定ジュースって響きが良い


ほぼ初飛行機に震える夫を慈しんで、たらふく海鮮食べて、地酒で乾杯して、ふわふわのケーキと苺を食べて、海を見て、幸せな日だった。

青色は癒し


今の治療法だと、およそ2週間毎に通院が必要となってくる。その2週間毎というのがやや困難で、生理が来る日や、卵の育ち具合にと、直前まで日付の確定ができない。

3ヶ月後の旅行計画なんてもってのほか。
今なら行ける!となったとしても、1週間後沖縄どう!?なんて、急すぎて友達を誘うのは現実的ではないし、大浴場には行けないし、

ジビエに誘われても、もし妊娠してるならと思えばお断りせざるを得ないし、

会社の飲み会ではお酒を飲まないから、お察しされてしまうし、
善意から「根を詰めずにふっと気が抜けた時にできる、授かり物ってそういうものよ」なんて言われてそれが出来るならわたしだってそうしたいし、

大好きなアイドルちゃんの史上最大キャパのライブが決まっても、治療を最優先にしようと思えば、宿ってるわけでもないのに遠征の予定も立てられないし。

遊びに関しては不自由極まりなかった。



だから、この状況でできる最大限の方法で楽しんでいるつもりだ。

居ないとわかってるうちに決めて遠出したり、
近所でカフェ巡りしたり、お花見したり、
地元のちょっと良いホテルに泊まってみたり、
ゲームでオープンワールドを駆け回ったり。

事情を知っている友達が、変わらず接してくれるのは本当にありがたかった。


だけど楽しい会話の中で、次は何県に行きたいとか、どんな美しい景色を見に行こうとかは言えず、
「今は妊活かな〜」と、結局はここに帰結してしまう。もう、ずっと。


自分がどこにも進まず留まっている、
いつにも増してひどくつまらない人間に思えた。


この記録のnoteも、特別な存在なんかになりたくて書いているのではない。悲しいアピールをしたいのでもない。誰かのためになれば嬉しいのは嬉しいが、詰まるところ、
こういう話題を、気軽に、冗長に、話せる仲間がいないだけ。

できることなら、普通に授かって、普通に子育てしたかったよ。


人工授精は、劇的に確率が上がるものではない。
何回かやって、累積妊娠率が上がるのを待つ。タイミング法と同じ。
運に任せて、ただ待つことしかできない。

また、人工授精までの手法は“一般"不妊治療と呼ばれ、こんなんでしんどいと言うなんてと、咎められてしまうこともあると聞いた。


たまには弱音も吐かせてください。
すきで選んだこの道は、少し歩きにくいです。


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