『あの花』に感じる、どうしようもない夏
今年の夏は何が足りないんだ?
とずっと思っていた。
マスクで人を遮断する社会で。
こんな狂い倒れるような酷暑の中で。
自由が足りないのか。好きなことが自由に、華やいだ気持ちでできないからだと思っていた。イベントも何もない。変化の少なくなってしまった世の中で、もやもやした気持ちの中過ごすから。
どうしようもないことなんだと思っていた。
でも、少し違った。
春は、別れと出会い。
夏は、春の芽吹きが育ち新緑が萌える。
秋は、文化やスポーツが実る。
冬は、乗り越えれば花が咲く。
部活ばかりしていたわたしにとって、
暑さで燃やすのが夏だった。
次に実らせるための。
焦がして終わらせるための。
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』
初めて見た。
何がこんなに痛む?ストーリー?演出?演技?
もちろんそれもある。
きっかけ次第で、一夏でびっくりするくらい遠くまで行ってしまえるのが、高校生の成長ってもんだろう。
それができない夏なんて。
闘うだけじゃない、守るのも代償は大きい。
最近は、日本人は季節の中で生きているんだなと思い知らされることばかりだ。