見出し画像

不妊症#23 ポケモンバトルで学ぶ確率論

不妊治療を始めてから、ずっと確率の世界だ。

自然に授かる確率が何%、人工授精の成功率が何%、累積だと何%、体外受精に進むと、受精率が、胚盤胞発生率が、このグレードの胚の妊娠率は、出産率は……%%パーセントづくしだ!!!

だが、残念なことに、わたしには数学の才能がない。サイコロを二つ振って何の目が出る確率がうんぬんの問題は、人生の宿敵。
いくらドヤ顔で理論しようとも、その目が出るかは運じゃろ。運ゲーは嫌いなんだよ!小細工させろ!プンプン!


そんな阿呆のわたしの理解を、陰ながら助け続けてくれているゲームがある。それが、

ポケットモンスター、縮めてポケモン。


わたしの累積の確率の原体験は、ポケモンバトル。技の命中率なのだ。

今回は、多少武闘派のポケモン歴のわたしが、
バトルで体験した確率と、
不妊治療の深みに踏み入れつつ体感した確率を比べることで、身近に感じてみよう!という記事。


※数値はこちら↓のサイトや、各クリニックがネットで出しているデータを参照したが、この記事に乗ってるパーセンテージは、どうか参考程度に…。
※自分が属するのが30-34歳なので、そこだけ抜粋。


▼不妊でない人が1回周期で妊娠する確率:16~18%

いきなり、該当する命中率の技がない。
だが、命中率の他に、追加効果の発現率がある。

みずのはどうを当てたら、20%の確率で相手が混乱する。かみくだくを当てたら、20%の確率で防御力が低下する、といった具合に。

16-18%に一番近しいのが、これら20%の追加効果かと思う。
確かに、Aボタンを連打していたら、いつの間にか「わけも わからず じぶんを こうげきした!」や、攻撃が通りやすくなっていることは、かなりの頻度である。
健康なら1年あれば妊娠するというのも納得だ。


▼不妊の頻度:30~34歳で14.6%

15%の技というのは見当たらなかった。前述の20%と、後述の10%の間というところでしょう。

ポケモンじゃないけど、友達同士で不妊というのは、なかなか出会わない。友達の友達、世代違いとかではポチポチ出会う。孤独になりがちな、絶妙な数字だなと思う。


▼人工授精:1回あたり5-10%

はい、確率が低すぎて、相当する技がない。
だが、10%の追加効果の技ならいっぱいあるので、見てみよう。

でんきショック:まひ
サイケこうせん:こんらん
ふぶき:こおり
ポイズンテール:どく
じゃれつく:こうげき力低下
3色パンチ系:やけど、まひ、こおり

ポケモンスカーレットバイオレット攻略 hyper wikiより


適当に何件か抜粋したが、
追加効果を期待して覚えさせるというよりか、
でんきショック連打してたら、忘れてた頃に麻痺ってラッキー!みたいな技たちだな。

にしたんARTクリニックさん曰く「人工授精を4周期以上行った累積妊娠率は、40歳未満で約20%」とのことなので、発生頻度のイメージは一致する。

わたしは人工授精中、ドクターから
繰り返すことが肝という旨の説明を受ては、
この、ポケモン確率論を思い起こしたものだ。

たかが10%、されど10%。
四天王戦みたいなギリギリの戦いにこそ起きるラッキーに救われた経験、プレイヤーなら誰しもあるのではなかろうか。

四天王戦といえば、じゃれつくの命中率90%は、結構〜外す。外す確率、10%しかないのに。
当時、わたしはこのじゃれつく外れる体験を、人工授精中の希望にしていた。


▼体外・顕微授精の胚移植1回あたりの妊娠成功率:30~34歳:50.2%

お〜この上がり幅はすごい、期待値爆上がりしてしまう。だが、油断してはいけない。

すぐに思いつくのは、命中率55%のうたう。

わたしは、だいすきな歌うチルタリスちゃんを、旅パ捕獲要員にしているのだが、まぁ55%が一発で成功することはまぁないね!2-3回やる前提。
だけどそのくらいやれば、だいたい相手は眠ってくれる。


▼体外受精での受精率:約70-80%

命中率70%ともなれば、普通に対戦で使える。
大威力だけど命中に不安のあるハイドロポンプなのか、火力は劣るけど安定して打てるなみのりなのかは、永遠のテーマなのではないでしょうか(知らんけど)。

わたしは、ハイドロポンプがあんまり外れないことに気づいてからは、ドロポン派になった。


▼良好胚盤胞発生率:57.0%(32-34歳)

命中率55%のうたうは先程書いたように、結構当たるような、当たらないような。
採卵がうまく行くかどうかだと思った。


▼胚盤胞のグレードごとの妊娠率:胚による

ここまで勝ち残った胚たちはもう全員褒め称えたい。わたしは今ここにきてまた躓きそうで、今はこれが最大の関心ごと。
さて、既出の%は割愛して見ていく。

▽命中率60%:さいみんじゅつ
あ〜、これは結構外れますね〜。この戦法は、運ゲー要素入ってきますよ。
10%で戦ってきたので錯覚し、とっても期待しちゃうが、油断は禁物。

▽命中率30%:ぜったいれいど
あ〜、これはもう確信犯的運ゲーですね〜。
わたしはしない戦法だが、フラット50の対戦ルールとかだと結構当たるって誰かが言ってた。
なので、これが胚の持つ確率なら、諦めないことが大事だと思った。

追加効果30%:のしかかり→まひ
命中率30%の絶望感に比べて、のしかかりで麻痺る確率には、かなり期待できる自分がいる。
やっぱり諦めることなんてないさ!確率が低いと思うときでも、ほどほどに期待していこう!


まとめ

ポケモンバトルは、このような技たち、ポケモンたちを組み合わせて戦術を組むのが、とっても楽しい。運要素とのバランスが良い。

不妊治療は、生殖“補助“医療というだけに、あくまで確率を上げるアプローチがメインなんだなぁと、つくづく思う。
要所の判断はもちろん自分たちでするのだが、特に体外受精を始めてからは、効率よく良い方の結果を引くためのマネジメントを、専門医にお任せしている感覚。

ポケモンバトルみたいに、粘り強い心を持たなきゃ。すぐ折れてちゃ、マスターボール級には到達できないのだから。


ここまで、少ない方の確率をかなり引きがちで進行しているわたしたち。漫画『ゴーストハント』によると、全てで低い方の確率を引くのも一種の霊能力らしい。
嗚呼、もはやそろそろ念能力発現しないかな。


▼おまけ 妊娠検査薬の精度:99%

わたしはホルモン剤を使っているので、病院での妊娠判定から生理が来るまでに、4-5日のラグがある。
なんと恥ずかしいことに、この間に、もう一度検査してみたら陽性になるのでは!?なんて思いがちなのだが、これまで間違いなく生理がきている。
妊娠検査薬は、必中のスピードスターだな。


いいなと思ったら応援しよう!