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不妊症#22 「おなかに赤ちゃんがいます」。弱音。

ときどき電車で見かけるマーク。
「おなかに赤ちゃんがいます」
これを不意に見てしまったときは、何やら涙ぐむことがあって、自分でびっくりする。

自分、そんなに電車座りたかったのかな…?
自問自答してみる。そういうことなら、心狭すぎる自分が嫌にはなるが、まぁ単純明快ではある。

だけど、座りたいとか全く思ってなかったとき
も、なんだか泣けるのだ。なんでかなぁ。



同僚のAさんが妊娠したことを聞いた。

おめでとう!と同時に、セーフ!!!と思った。

というのも、Aさんは少し前に結婚したばかりで。「こりささんは結婚の先輩ですし、色々教えてくださいね〜」みたいに話したことがあった。
そのときわたしは、もし腰を据えて話すタイミングがあるなら「もし子ども欲しくてうまくいかなかったら、早く病院に行ったほうがいいですよ!とお伝えするのが良いのか…!?」とか厚顔無恥のおせっかいにも、考えたものだった。

計算上、この頃には既にお腹の中にいたことになる。余計なこと言わなくてよかったと、心底思った。

とにかく、その話を聞いてもわたしは、間違いなく、ただただ「おめでとう!」と思えていた。

けど、「おめでとう」か。
わたしたちが、現状おめでたくないことは間違いない。そう思って、なんだかひとりでぐさっときた。メンタルよわよわだなぁ。



別の部署にも、妊婦のスタッフさんがいる。
お腹が大きくなる頃に制服がマタニティになるから、どうしてもわかってしまうのよね。

そのスタッフさんとは長く喋る間柄でもないが、おめでとうくらいは伝えてみたいなと思った。

だけど、わたしが言ったら不幸がうつるんじゃないか。そう思ったら、何も言い出せなかった。


わたしは自分のことを、
不浄なもののように思っているのか。

そういえば、自分が無精子症だとわかった夫が、その事実を受け入れられなくて暴れ出す漫画があった。漫画の読みすぎだが、根本の精神はわたしも同じってことだ。

不とつく言葉10個挙げてみよ。
・不本意
・不意
・不可思議
・不死身
・不慣れ
・不思議
…↑ここまで自力 ↓ここから予測変換
・不満
・不仲
・不在
・不安

ひえ、予測変換に頼ったらめちゃネガティブな言葉が並んでしまった。
まぁ確かに、素直に不幸らしく過ごした方が、楽なんじゃないかと思うこともある。

個人的には、「不」妊という言葉には、そんなに抵抗感はないのだ。
通院経験に学びを見出してる自分すらいる。

そんな風に、意識しないようにはしているが、
自分でコントロールできない現状は、長引くほど、心を蝕んでいるようだ。

ふたりで幸せに生きる夫婦を知っている。
幸せのために夫婦をやめた人も知っている。
全額自費の時代に、9年も10年も治療を続けたのが功を奏して、幸せになった夫婦も知っている。

運に選ばれない限り、
自分で選べるのは、続けるか、辞めるか。
そのとき、わたしは何を選ぶのだろうか。

すっかり寒くなって、弱気になってしまった。


でも、今はとにかく、うまく行きたいな〜〜。
うまく行きますように!!!


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