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【答弁集】(前半)「連れ去り」「偽装DV」等と主張することの人格尊重・協力義務違反性などについて

共同親権法案での国会審議では、数多くの重要な国会答弁がありました。
その中から、「連れ去り」「偽装DV」等と主張することの人格尊重・協力義務違反性などについて、答弁をまとめた資料を掲載します。

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【答弁集】「連れ去り」「偽装DV」に係る答弁の正確な表現について


以下、こちらのnoteの資料を許可をいただいて転載しています。

※転載するにあたり、Web画面にあわせて修正しています(下線太字は太字のみに、見出しの文字を大きく、行間をあける等)


●誹謗中傷等と人格尊重義務

【4/9衆・法務大臣・寺田学君】

  • これは、やり取りの中でぽっと口をついて出てしまう場合はあると思うんですよね。ですけれども、それが繰り返し、他者に対して誹謗中傷、人格否定、こういった言動が繰り返されるような場合には、やはり共同して親権を行うことの困難性に該当してくると思います。

  • (寺田委員 いや、大臣、ぽっと出ても駄目ですよ。あんたね、あんたなんて犯罪者だよと言われたら、それは言われた側にしてみれば、言った側はぽっと思わず言ってしまったと言うのかもしれないですが、言われた方にしてみれば、犯罪者だと言われることというのは物すごい大きいですよ。
     なので、ぽっとでも駄目ですよ。やはり私は、相手を犯罪行為を犯しているぞと言うような関係は父母相互間の人格尊重義務を損ねていると思いますが、改めて、答弁、どうですか。)

     その御夫婦の日頃のコミュニケーションの在り方、関係性の在り方、そのニュアンス、その言葉が出た状況、総体によりますよね。よります。と思います。
     多くの場合は先生がおっしゃるとおりかもしれません。でも、一〇〇%、全部、常に、その隙間がやはり残ると思いますね、その全体の状況性において判断するべき部分は残ると思います。

  • (寺田委員 日々、日常からお互いを犯罪者と罵り合っているような方々がいるのかどうか私は分かりませんけれども、やはりそれは、離婚をする中において、相手に対して一方的に犯罪行為を犯したと決めつけた言動をするのは、私はもうこの人格尊重義務を失っていると思うんですね。
     その意味において、今までは、子連れで別居することに関して、理由があって別居していることに関して、略取誘拐だというふうに一方の親を罵る、まあ、罵っていない、指摘でもいいですよ、相手を犯罪者、犯罪を犯している人だ、あなたのやっていることは犯罪行為だというふうに一方的に言い、それをまた対外的に、ソーシャルメディアでも結構ですし、友人に対してでもそうですけれども、相手に対してその理由自体の存否を確認するまでもなく、及び、確認したとしても一方的に相手に略取誘拐なのだというふうに言っているような方は、私は、今、前段で一般論とお話しいただいた人格尊重義務を損ねていると思いますけれども、大臣、どう考えますか。)

  あくまで一般論として申し上げれば、そのとおりだと思います。

 

●暴力、暴言、濫訴等と人格尊重義務

【4/2衆・法務大臣・道下大樹君】

  御指摘のとおり、本改正案では、親権の有無や婚姻関係の有無にかかわらず、父母は、子の養育に関し、子の利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければならないとされております。
 どのような場合にこの義務に違反したと評価されることになるかは、個別具体的な事情に即して判断されるべきであるとは考えますが、あくまで一般論として申し上げれば、暴力、暴言、濫訴等は、この義務違反と評価される場合があると考えております。

 

●DVからの避難のため子を連れて転居することへの支障の有無

【4/5衆・法務省民事局長・鎌田さゆり君】

 本改正案では、父母双方が親権者である場合には、子の居所の変更を含めて親権は父母が共同して行うとした上で、子の利益のため急迫の事情があるときは父母の一方が親権を単独で行うことが可能であるとしております。
 親権の単独行使が認められる、子の利益のため急迫の事情があるときとは、父母の協議や家庭裁判所の手続を経ていては適時に親権を行使することができず、その結果として子の利益を害するおそれがあるような場合をいいます。そのため、DV被害を受けている場合はこれに当たると考えております。
 また、個別の事案にもよりますが、御指摘のモラルハラスメントについても、いわゆる精神的DVに当たる場合などには、親権の単独行使が可能な場合に当たる場合があると考えております。
 そして、法制審議会家族法制部会におきましては、急迫の事情が認められるのは、加害行為が現に行われているときやその直後のみに限られず、加害行為が現に行われていない間も、急迫の事情が認められる状態が継続し得ると解釈することができると確認をされております。したがいまして、暴力等の直後でなくても、急迫の事情があると認められると考えております。
 このように、本改正案は、DV等からの避難が必要な場合に、子を連れて別居することに支障を生じさせるものではないと考えております。

 

●子連れ別居に係る「特段の理由なく」の意義

【4/9衆・法務省民事局長・寺田学君】

  四月五日の衆議院法務委員会におきまして、父母の一方が子を連れて別居することが父母相互の人格尊重義務に違反するとかやDVに当たるかにつきましては、個別具体的な事情の下でそう判断されることがあり得ると答弁させていただいたものです。委員お尋ねの特段の理由なくというのは、例えばDVからの避難などの急迫の事情があるわけではないのにという意味で用いたものでございます。

 

●DVからの避難のため子を連れて転居することが別居親への精神的DVに該当する可能性

【5/14参・法務大臣・石川大我君】

 DVから避難する場合のように、これ特段の理由ですよね。子と共に転居することに相当の理由があり、またこれによって別居親の心身に有害な影響を及ぼしたとは認められない場合には、DVと評価されることはないものと考えております。

 

●フレンドリーペアレントルールとDV主張

【4/2衆・法務大臣・道下大樹君】

 フレンドリーペアレントルールは、これは様々な意味で用いられているため、一義的にお答えすることは困難でありますけれども、御指摘の規定、これは、子の養育に当たっては、父母が互いに人格を尊重し協力して行うことが子の利益の観点から望ましいと考えられることから、父母相互の人格尊重義務や協力義務を定めたものであり、DVや虐待の主張をちゅうちょさせるものではないと認識しております。

 

●「急迫の事情」の判断をめぐりDV被害者支援の活動が萎縮しないための配慮の有無

【5/9参・法務大臣・川合孝典君】

  •  DV等からの避難、これは単独親権で対応しようということであります。
     したがって、本改正案では、DV等からの避難が必要な場合には子を連れて別居するということができるわけでございます。このことをより広く周知をしていく、国民の皆さんに理解をしていただく、そういう努力が必要であろうかと思います。

  • これ(DV等からの避難)は、婚姻中の父母についても起こり得るケースでございますよね。それが共同親権、離婚したけど共同親権の下にある夫婦の問題としてどうなのかと。それは、現状の婚姻中の父母間の問題、つまりDVがあればみんなで支援をする、守る、そして逃げていただく、子どもを守る、そういう仕組みがあるわけでして、そこと問題は全く、問題が動くということはないと思います。変わるということは、対応が変わるということはないと思います、基本的には。

  • DVがあるにもかかわらず、その濫訴、たくさんの無駄な訴訟を仕掛けてくるというリスクをおっしゃっているのかと思いますけれども、それに対してしっかり守りを固めるということも必要であります
     でも、それは今の婚姻中の御夫婦の間に起こっていることと変わらないわけでありますから、この法案が施行されても基本的な問題の在り方、課題の在り方、また解決方法、それは変わらないと思います。


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