&hereでの金継ぎワークショップ ご報告
京都のギャラリー&hereで金継ぎ教室を担当しています。
今回は、1日で行うワークショップを行いました。
今回のワンデーワークショップでは、私が本漆金継ぎの方法で修理した
明治、大正時代のお皿を用意しました。
骨董屋さん、古道具屋さんがたくさんある京都に生まれ育ち、気が付けば古道具屋さんや骨董屋さんによく訪れています。やっぱり古い物は好きなんですよね。用もないのに古道具屋さんは通りかかると寄ります。そしてつい買ってしまいます。
今回は、夏に涼しげ、普段の食卓でも使いやすい柄と大きさを選んでみました。
10数個の中からお持ち帰り頂くお皿を選んでもらいます。
ワンデーワークショップスタート。
まずは金継ぎについてのお話から。
最近は金継ぎが人気で色々な方法や言い方があり、少し混乱気味です。
私が行っているのは伝統的な本物の漆を使用している金継ぎです。
金継ぎで器を直す順序や、方法をご説明します。
その後、実際に作業を体験してもらいます。どのような器を直す時でも行う作業、生漆を下塗りします。
器に漆をしみこませるように。
次は「錆漆」という物を作る体験です。
砥の粉という土と水、漆を混ぜます。
これで欠けを埋めていきます。
これが金継ぎで基本の作業。欠けの器も割れている器にも使います。
この器はこの後、3日から1週間おいておかなくては、次の作業は出来ません。
説明と錆付けの体験の後は、色々な作業の末、最後の工程まで直した器(私が!がんばった!)に最後の仕上げ、
「粉蒔き」をしてもらい、その器をお持ち帰り頂きます。
直した器の線の上をうすーくうすーく漆を塗ります。
その後、10分から15分ほど湿気のある箱にいれてしばらく待ちます。
湿気と温度を与える事で漆は硬化します。乾くとも言います。
半乾きになった漆に金色の粉を蒔きます。
「蒔き」とは、蒔絵の蒔きです。昔からの漆の重箱やお椀にきれいな絵や柄がありますよね。それが蒔絵です。
金継ぎは基本的に昔からの漆の工芸の作業です。
漆職人さんが副業で金継ぎをしていたとも、言われています。
さてさてそれでは、金色の粉を蒔きます。
現在、金はとてもとても高いので真鍮の粉を使っています。
真鍮の粉でも十分きれいな金色になりますし、初心者の方は
真鍮の粉の方が扱いやすいと私は思います。
ご自宅で金継ぎをされる方もぜひ、最初は真鍮の粉を使ってみて下さい。
その後、金の粉を購入しても良いのではないかな、と思います。
芸術品を直すのではないし、普段使いの自分の器を直してみるにはその方が気楽に楽しめると思いますよ。
話が脱線しましたが、粉蒔き作業です。
実際のワークショップや普段の教室でも私の金継ぎ小ネタがちょいちょい入ります…。
では、いざ粉蒔き!!
この作業が皆さん一番テンション上がってくれてうれしいです。
綺麗にできました!
粉蒔き前の黒色の漆の状態から金色が入ると豪華ですね。黒色の漆のままでも実は使えます。
金継ぎの金は強度や修理というよりは、ただの飾りです。
でもやっぱり素敵ですよね。
金継ぎ粉蒔きの動画はインスタに載せているので良かったらこちらもみて下さい。
出来上がったお皿は、お持ち帰り用の箱に水を含んだ布を入れてお渡しします。
1週間以上、水をあげて下さい。しばらく湿気と温度が必要です。
今は暑いし、湿気ているのでまあ、ちょっと忘れても大丈夫です。
その後、1カ月ほどしてから使って頂けます。急いで使うと金色が取れやすくなってしまいます。
今回のワンデーワークショップはこのような流れで行いました。
実際に流れの説明を聞いてもらい、金継ぎの最初と最後の作業をしてもらいました。
ご自宅で金継ぎをしてみたいという方も多いので、このワークショップを受けていただければ本などを読んで分からなかった、金継ぎセットを買ったけど出来そうにないと放置している、まずよく分からん、という方に金継ぎの基本を簡単でもお伝えできればいいな、と思っています。
こんな事聞いてもいいのかな、というご質問などもどうぞ。
今後も月1回位開催していければ、と思っておりますので、ぜひ京都旅行の際にもご参加くださいませー。
ワンデーワークショップでは、&hereオリジナル自宅で出来る金継ぎセットをご用意致しました。
本物の漆を使っているけれど1万円以内にしたい!とかなりがんばって作った金継ぎセットです。
こちらもぜひよろしくー。基本的にワークショップを受けて頂いた方や、教室の方へ販売しています。
&here Kyotoオリジナル
私にやさしい金継ぎセット
【私にやさしい5つの理由】
*本漆を使って身体にやさしく
*初心者の方へ分かりやすく簡単に
*なおす作業で気持ちが整う
*自分でなおして未来にやさしく
*最小限セットで気楽に始める