『テオ・ヤンセン展』風を食べるビースト
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
オランダ人のアーティスト、テオ・ヤンセン(Theo Jansen)さんの展覧会へ行ってきた。大阪のATCギャラリーで9月末頃まで開催中。
全く知らなかったのだけど、おむすびチャンネルで配信している時に、視聴者の方が教えてくれ。
風を食べて動く作品、と聞いて興味津々。
実際に見に行って、まるで小学生の夏休みの自由研究に、大人が全力で取り組んだかのようなワクワクを感じた。とても面白かったです。
その作品は「ストランド・ビースト」と名付けられている。
オランダ語で、ストランド=砂浜、ビースト=生命体
ビーストと聞くと、英語のbeast から、獣・猛獣をイメージしてしまうけど、オランダ語はニュアンスが違うようですね。
そんな、砂浜で生きる作品。
作品と言ったけれど、ヤンセンさんは本当の生き物かのように扱う。
作品名も学名のようになっていて、
アニマル(animal 動物)+マーレ(mare 海)=アニマリス(animaris)
という単語で始まる。
さらに、構造や機能ごとに進化系統樹に分けている。
セレブラム期、アウルム期、等々と名付けられ、まるで地球の時代区分、ジュラ紀とかのよう。
そんなビーストはプラスチックチューブで作られる。あとは、結束バンドやペットボトル等。
ぱっと見は細い管の骨組みのようだけど、動く姿を見ると、なるほど生き物のようなしなやかさ。見た目からは想像がつかない動き。
その動きの源は風。
ヤンセンさんの表現を借りると、「ビーストは風を食べる」。
大きいものだと、高さ4m、体長7mもあるのに、それが風で動くというのだから驚き。
進化の過程で、風を受けるだけではなく、蓄えることもできるようになるのだけど、その「胃袋」はなんとペットボトルでできている。
そんなビーストたちを、ヤンセンさんはなんと設計図なしで作り上げるそう。計算は脳内で。すごい。
展覧会には大小様々なビーストたちが並ぶ。ヤンセンさん曰く、ビーストは風を受けて動くから、砂浜でしか生きられない。従って、展示されているビーストは「死んだ」姿なのだとか。
死んでいても、動くことは動く。小さいビーストは実際に手で押して動かしてみることができ、大きいものも送風機を使って動く姿を見ることができた。とは言っても、3歩くらいの一瞬なのだけど。
ヤンセンさんもたくさん動画をアップしているので、見てみてほしい。
でも、ネットの動画で満足せず、是非実物を見に行ってほしい。
日本まで運ぶの大変だったと思うし、実際に目の前のビーストがあんな風に動くのか、と分かると、砂浜でのその迫力をよりイメージできると思う。
それでは、今日はこの辺で。
ごきげんよう。
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