6色の虹


歌えない歌を書いている
もう歌えない歌を書いている
歌えないということは伝えられることもない
伝わらない歌を書いているのは
それでも私が私でいたいから

歌えない音を置いて行く
もう出せない音を置いている
歌えないということは形にできることもない
実在できない歌を書いているのは
それが私が私である意味だから

朝日の中に声を落とした
突然にだからきっと
新月の日にでもまた拾えるよ

明日は明日の風が吹く
空っぽな私は叫べないから
誰も探せないのに
空っぽだから留まれず飛ばされちゃうよ

今日は昨日の雨が降る
空っぽな私に水がたまって
空は晴れたのに
探してくれるように赤い傘をさすよ

歌えない歌を歌ってる
もう聞こえない歌を歌ってる
聞こえないということは空気が震えないからちょうちょが飛んで奇跡が起きない
それでも私は私が好きだから

歌えない歌を抱いている
もう歌えない歌を抱いている
悲しいから捨てた方が楽なのに
再現できない歌を持っているのは
それが私が私である意味だから

朝日の中に声を落とした
突然にだからきっと
新月の日にでもまた拾えるよ

明日は明日の風が吹く
空っぽな私は価値がないから
誰もいらないよね
空っぽだから留まれず消えてっちゃうよ

明日は明後日の虹が降る
空っぽな私に色がたまって
雨は続かないから
諦めないように赤い傘をさすよ

雲は言いました
それは不治の病だと
雷は言いました
こんなことで負けるなと
私は言いました
きっと大丈夫
君は言いました
絶対大丈夫

明日は明日の風が吹く
空っぽな私を満たしてくのは
昨日も昔も今もある空気
代わりに歌ってよ

今日は昨日の雨が降る
空っぽな私に水が溜まって
また溢れたら
音の代わりに君に見せるよ
私を持っててね

明日は今日の虹が消える
空っぽな私に色がたまって
6色の虹を
いつか一緒に見たい

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有坂愛海
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