“ネイル”とは、わたしにとって人生で初めて極めたもの。
爪甲剥離が始まって、自分にとって当たり前だったものがどんどん無くなっていく恐怖を毎日感じながら生きていました。空氣と同じくらいあって当たり前と思っていた爪。無くなるなんて思ってなかった。(わたしの人生はいつも突然氣づかされることばかり。)
そもそも“ネイル”って、わたしにとって人生で初めて極めたもので、自信があると言える唯一のことでした。
小2から高3まで習っていたピアノも、中学高校と続けていた卓球部も。何一つ極めたものなんてありませんでした。自分の中で全部が中途半端で、何一つ自信があるものなんてない。人生の全てが中途半端で、それを誰かに責められているような氣にさえなるほど。合唱コンクールでピアノ伴奏なんて本当にやりたくなかった。下手すぎて。
そんなわたしが、唯一。これだけは!と思えるのがネイルだったのです。それだけ練習したし、センスもあると自分でも思えたものでした。
そして何より大好きなもの。
作るのも学ぶのも、全てが好きで好きで仕方がないもの。それがネイルで、もしネイリストじゃなくなったらわたしって何者なんだろう…って本氣で思っていました。
今考えたら、ネイリストでもネイリストじゃなくてもわたしなんだけど。
このまま爪が剥がれていって、自分の爪はネイルも何も出来なくて、そんなわたしってネイリストを辞めるしかないのかな。当時そう漠然と思っていました。
ネイリストという肩書きがあることこそが、わたし自身のような氣がしていました。
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