爪を口実に自由をとり戻す。 爪と孤独とわたし
爪が剥がれている、その原因がよく分からない。
という事実は、わたしに自由になる良い口実をくれました。
わたしはもともと自由じゃないと生きていけないタイプ。いつもフラリふらりと好きなところに出かけて、いろんな人と出会ってきました。
それが子どもを産んだら全然真逆の生活。スーパーやコンビニすら自由には行けない日々。どんどん孤独になっていきます。そして子どもを見るのは母親しかいない、自分がしっかりしないと…という考えにも押しつぶされそうになる毎日。
わたしの自由、どこ行った…???状態。
全部の爪が酷く剥離したことで「爪を診てもらいたい人がいる!」「爪のこと勉強してくる!」というちょうど良い理由を得たわたし。これだったら、「子どもを置いていくのか?」「母親なのに?」っていう反論も出にくいはず!だってこんなに酷い爪だよ?!って自分でもなんか安心出来るいい。
実際誰も「なんで行くのさ?!」なんてわたしを責めたりしないだろうけど、当時のわたしにはこんな口実でも無ければ動き出すことも出来なかったんです。ガチガチのがんじがらめ。
それから、田舎に住んでいたわたしは新幹線や電車で片道2時間以上かけて東京にある皮膚科・ネイルサロンにでむいたり、渋谷に爪の講座を受けに行ったり。2日連続でネイルの勉強で東京へいくことも。一人で飛行機に乗って関西方面に行くこともありました。
毎日の子育てから解放されるワクワク、爪をもっと知りたい、面白い!!!!というドキドキ、少しずつ元に戻っていく爪にもドキドキ。なんかどんどん変わっていく自分や環境にソワソワ。
わたしは本当に少しずつだけど、自由を選べるようになっていきます。
「こうしてみたい!」って自分のしたいこと・やりたいことを主張することが本当に苦手でした。誰かとファミレスに行っても、自分が食べたいものよりみんなが頼んだのと同じものを頼むような人でした。わたしは長女だしみんなに合わせるよ。的な(笑)それは自分の気持ちを考えずに済む、楽な選択。思考停止状態。
そんなこといつまでやってるの?自分を生きて。
という身体からのメッセージだったんですよね。
だから、自分の自由度が上がるにつれて爪元に戻っていきました。時間はすごくかかったけど。はじめの1本目から約3年くらいかな。一生大事にしなきゃいけない経験です。