私の原点、シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ
1. ハンナとマイリーふたつの世界
今では知らない人はいないであろう米国の大人気歌手マイリー・サイラス。
もしこの名を聞いて「知らない」と思った方でも、おそらくこの曲なら1度は耳にしたことがあるはず。彼女の代表曲、『Party In The U.S.A。』この時マイリーはまだ16歳・・・。
数々の伝説を残し今でこそ米ポップス界で名を馳せる大御所歌手となったマイリーですが、彼女の芸能界デビューについて知っている人は日本だとそこまで多くないのではないでしょうか。
マイリーは2006年にディズニー・チャンネルで放映開始されたテレビドラマ『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』で芸能界デビューを果たしました。
彼女が演じることになったのは、全米で大人気のアイドル、ハンナ・モンタナ。ハンナはその素性を隠しながら、どこにでもいる普通の14歳、マイリー・スチュワート(役名)の名で一般人としての生活も送っているのでした。
「え、普通にバレるでしょ?どうやって一般人の生活を?」と思ったそこのあなた!このドラマのすごいところは、マイリーがブロンドのウィッグひとつ被るだけで、なぜか誰もマイリーだと気付かず、ハンナという別人として成立してしまうというだいぶ無茶な設定が(笑)。
この無茶設定についてはラランドのサーヤさんも自身のYouTubeチャンネルで話してました。
『ハンナ・モンタナ』は放映後、社会現象と言われるまでに大ヒット。どれくらいヒットしたかというと、視聴者総数は40ヶ国以上で1億3,000万人以上、放映開始から1年後の14歳時点で推定年収18億、16歳の誕生日ではアメリカのディズニーランドを貸し切って一晩で3億円の誕生日会を開催(ディズニーの貸切はこの時点で史上2人目だったそう)、など様々な伝説をいとも簡単に残せてしまうほど。
当時のディズニー・チャンネルではマイリーの他にも、デミ・ロヴァート、セレーナ・ゴメス、ジョナス・ブラザーズといった現在の超人気アーティストらが主演のドラマがそれぞれ放映中だったので、ディズニー・チャンネルファンの間では【黄金期】とよく言われています。(セレーナは『ハンナ・モンタナ』に出演したこともあるんですよ!)
ディズニーを卒業すると当然『ハンナ・モンタナ』ではなく『マイリー・サイラス』として活動することになりますが、世間では『ハンナ・モンタナ』のイメージが強く残っていたので、マイリーが表現したい音楽を受け入れてもらえなかったり、ハンナ時代のファンが徐々に離れていったり、そのせいで一時音楽活動を休止したりなど、苦労した時期もありました。
2. 私の青春、ハンナ・モンタナ
田舎生まれの夢見る少女は、マイリーだけではありませんでした。私もその1人。
私は沖縄県の宮古島で産まれ、高校で島を離れるまでの15年間を島で過ごしました。当時は今ほどリゾート地としての認知もなく、宮古島を知ってる人なんて島の外にはほとんどいませんでした。
ゲームセンターと言えばTSUTAYAの2階にクレーンゲームが数台、太鼓の達人が1代、プリ機が2台ほど置いてあるだけ。ショッピングモール的なところもないので、小学生の頃は木に登ったりバレバレの秘密基地作ったりして遊んでました。(東京の小学生はどうやって遊んでましたか?)
そんな何もない島でも、あったんですよ、ディズニー・チャンネル。なぜか『宮古テレビ』を契約すると、他のBSとかも観れるっていう神システムが!(笑)うちは契約してなかったんですがおばあちゃんちでは観れたので、毎週末は船に乗っておばあちゃんちに行き、テレビの前を陣取ってずっとディズニー・チャンネルを観てました。
1度聴いたら頭から離れなくなるあのオープニングは、私の心に興奮と憧れと外の世界への好奇心を植え付けました。この出会いは私が小学2年生、9歳の時でした。
テネシーという大草原と馬しかいないようなど田舎から大きな夢だけを抱え、カリフォルニアという大都会に飛び出してきた14歳の女の子。これは役中の設定でもあり、マイリー自身のバックグラウンドでもある。
大海原と牛しかいない宮古島で産まれ、歌うことが大好きで幼少期はよく自分だけのコンサートを開いたりしてたので、ハンナと自分自身がよく重なりました。
小4のときのクリスマスで、ハンナがライブで着用しているピンクのグローブをサンタさんにお願いしましたが、実際はハンナのファーストアルバムが届きました。当時はECサイトもそんなに普及してなかっただろうし、グローブ探すの大変だったよねサンタさん。ありがとう。
お願いしたグローブはもらえませんでしたが、アルバムを手にして死ぬほど嬉しかったのを覚えています。そしてこのアルバムによって、英語力が驚異的に伸びます(笑)。
小4なので英語なんて知りませんでした。日本語と英語の歌詞カードが同封されていましたがアルファベットも習ってないし意味不明だったので、英語の方は目もくれませんでした。でも歌えるようになりたかった。その一心で私が取った行動は、CDを1秒おきに停止しては再開、停止しては再開をくりかえし、聞こえた通りにカタカナで文字起こしをするということでした。そのせいでCDに傷が付いたのか、同じところで飛んでしまうようになりました(笑)。
このおかげで私は小4にしてハイレベルななんちゃって英語を身につけました。ヒアリング力も勝手に上がりました(というより、英語を聴くことが得意な耳ができたという方が正しいかも)。でもそんななんちゃって英語を使うのはハンナの歌を歌う時だけなので、実用的な英語力とは呼べない程度です。意味も分からず発音してたので。
中学で英語学習が始まってからは、自分が聴いていた言葉を答え合わせするような感覚でした。「レツギックレイゼイ」って書いてたのは「Let’s get crazy」のことだったんだ〜、へぇ。先生たち「ゲット」って発音してるけどハンナは「ギッ」って発音してたよな〜。「クレイジー」って言ってるけどここ「ジ」ではないんだよな〜。みたいな(笑)。
私の中で英単語はハンナの曲でどう発音されてるかの方が重要だったし、先生がなんと発音しようと私はハンナの通りに発音したかった。英語だけは文法も得意だったのであんまり勉強しなくても学年1位とったりしてました。今振り返ってみるとハンナの曲を聴いて書いてみることが良い勉強法だったなと思いますが、当時は勉強のつもりなんて1ミリもなく、ただヲタ活をガチってただけでした。
でも現実に戻ると、学校ではハンナを観てる人があんまりいなくて、他の子の流行りの話にはあんまりついていけませんでした。しかしある日、運命の出会いが訪れます。
「え、ハンナ知ってるの?!めっちゃ良いよね!」
あるきっかけで同じクラスの女の子とハンナの話で盛り上がったんです!当時はあまり話したことのなかった子だった(と思う)のですが、実は小1の時から仲良くなりたいなと思っていた子でした。それが今の親友です。小2からなのでもう15年の仲。人生の半分以上!ハンナがきっかけで、その後人生の大きな局面を共にする大事な親友ができました。
彼女も歌うことが大好きで、小5くらいの時に学校のベランダで「一緒に歌手になろう」って約束したこともありました(笑)。休み時間はベランダに出てディズニーの歌を歌ったり。(ベランダ好きかよ)今思えばだいぶメルヘンですね。というか今も会社でずっと歌ってるしやることは全く変わってないみたいです(笑)。
「いつかハンナのコンサートに一緒に行きたいね!」とふたりで夢見た日もありましたが、私たちが小4の時にマイリーは『ハンナ・モンタナ』を卒業しました。ディズニー・チャンネルではその後も同じエピソードが何回も何周も放映され続けたのでドラマ自体は引き続き楽しめましたが、「ハンナのコンサートに行く」という私たちの夢は、叶わぬものとなりました。
3. マイリー、史上最年少で『ディズニー・レジェンド・アワード』を受賞
そんな元ディズニーキッズのマイリー。2024年8月9日~11日に行われたディズニーファンのイベント『D23』にて、史上最年少で『ディズニー・レジェンド』に選ばれました。これはウォルト・ディズニー社に対して多大なる影響を与えた個人に贈られる最高の栄誉とされています。ディズニー社やその子会社の社員・従業員だけでなく、ディズニー社と関連のある全ての人に賞を授与することができるようです。
アワードでのマイリーのスピーチがとっても大好きなので、紹介させてください。日本語字幕付きを探しましたが見つけられなかったので、YouTubeの自動翻訳機能を使ってご覧ください!(このあとスピーチの見所も解説するので動画は飛ばしてもいいですよ笑)
マイリーはスピーチの中で、
13歳にしてテネシー州からハンナのオーディションテープを送ったこと
「小さいし若い」という理由で不合格の通知が来たこと
それから1年以上経ってから、『ハンナ・モンタナ』のパイロット版の撮影期間中に制作チームから「番組がうまくいっていないからLAに来て直接オーディションをして欲しい」と電話があったこと
オーディション用の服を買いに行ったモールで "I should have my own TV show" (私は自分のテレビ番組を持つべき!)と書かれたTシャツと運命的な出会いをして、それを買ったこと(マイリーのオーディション映像を改めて見返すと、確かに着てました😭💕)
オーディションで見事、合格を勝ち取ったこと
人気アイドルという「設定」で歌っているライブ映像を撮る必要があったので、「グレンデールモール」というショッピングモールでチケットを配って無料コンサートを開いたこと
その無料コンサートの1曲目で歌ったのが、のちの大ヒット曲となる "This Is The Life" (これが人生)だったこと
しかし実際には、ただ大きな夢だけを持ったブロンドのウィッグをかぶる小さな無名の少女だったこと
それでもマイリーは、心の中で自分自身を「ハンナ・モンタナ」だと信じていたこと
などなど、マイリー・サイラスからハンナ・モンタナになるまでを振り返ってくれました。
一旦ここまでのスピーチを聞いてまずやることとしては「グレンデールモール」がどこなのか、当時のコンサート映像がないかを調べることですよね。誰でもやると思います。そして見つけました。
グレンデールモールは『Glendale Galleria(グレンデール・ギャラリア)』というカリフォルニア州グレンデールにあるショッピングモールでした。そしてマイリー、いやハンナが人生で初めてコンサートを開いたのは、そのモールのすぐ目の前にある『Alex Theatre(アレックス・シアター)』という劇場だということが判明。アレックス・シアターはウォルト・ディズニーのスタジオから近く、ディズニーは昔から作品が観客にどう映るかを見るためにここをよく使っていたそうです。
当時の無料コンサートの映像も発見…。見れば解りますが、マイリーが「心の中では自分自身を「ハンナ・モンタナ」だと信じていた」と言っていたのは大袈裟ではないんです。これのどこが無名の13歳でしょうか?どう見てもスーパースターですよね(笑)。ちなみにこの日は初のコンサートにして6曲を完璧に歌って踊り遂げます。。。オソロシスギル。
ただこの動画の本当に恐ろしいところは、無料チケットで集められた観客たちが、あたかも目の前にいるのが本物のスターかのごとく声援を送っているところですよね。この一瞬でハンナの虜になり、最初は誰のコンサートかも分からず来たただのオーディエンスが「本物のファン」へと変化しているのがわかります。動画の中でも言ってますが、観客は「次のディズニー・チャンネルに出られるチャンス!」という名目で集められたようです(笑)。
そして私は、別の理由で鳥肌が立っていました。実はこのコンサートに見覚えがあったんです。そう、これはハンナの第1話の冒頭で使われている "This Is The Life" のコンサートと同じなのです。
私は第1話を見た時から思っていたことがありました。
「これが第1話ならまだ誰もハンナを知らないはずなのに、このコンサート映像にはなんで観客がこんなにいるんだろう?」
なるほど、あれはコンサート映像を挿入するために、まだ無名のマイリーがブロンドのウィッグをかぶって、無料でチケットを配ってやっとの思いで開催したものだったのか。
長年の謎が解け、私が自分で張った伏線はマイリーのスピーチによって回収されました。あまりにスターの振る舞いだったので、この15年間ずっと「本物のファン」に囲まれた「スパーアイドル ハンナ・モンタナ」のコンサート映像だと騙されていました。あっぱれです。
そんなマイリーファン、ハンナファンにとってエモすぎる5分間のスピーチは、こんな言葉で締めくくられました。
マイリーのオーディション映像も貼っておくので興味のある方は見てください!例のTシャツは4:00あたりから登場します!(1番目に着てる "go to school to gossip"(ウワサ話のために学校に行く) も好き笑)
4. ハンナ・モンタナ、復活
そして今年。11月23日マイリーのお誕生日に、この華々しい歴史的瞬間を祝して、ディズニーが夢のような特別企画を用意してくれました。
でもこれ、開催されることを直前まで全然知らなくて…。(ファン失格)日曜日の寝る前にGoogleを開いたら、トップページのニュースに出てきたんですよ。(Google天才。ありがとう)即チケットを購入しようと思ったんですけどサイトがメンテ中で出来ず、、、。とにかくわくわくのせいで5時まで眠れませんでした。(23日のハンナ・モンタナナイトめちゃくちゃ行きたかった。もう少し気づくのが早ければと後悔。)
5. 109シネマズプレミアム新宿
『ハンナ・モンタナ ザ・ムービー』を上映している映画館は109シネマズプレミアム新宿。行ったことがない映画館でした。東急歌舞伎町タワーという東京の夜の街のど真ん中にある建物の9、10階にあります。
サイトを開いてチケットを探すと、安い席でも4500円と映画代にしては結構お高い…その理由はのちに判明します。
夜の街を抜けて映画館を目指すと、何やらパリピすぎるお店が入っていてとても怖かった。
10回に到着して入場すると、ハンナのカードがもらえました🥺可愛すぎる、、、嬉しい。
そして入場。なんとこの映画館、上映1時間前からラウンジを無料で利用することができるんです。
ラウンジの中ではドリンクやポップコーンを追加料金なしでいただくことができて、おかわりも自由にできます。(一部有料のメニューもあります)
ポップコーンも2サイズから選ぶことができ、私は小さいサイズにしましたが、大きいサイズはこれの2倍くらいありました。もちろん大きいサイズでも追加料金なし!チョコソースも無料でかけられます!私はかけなかったけど(笑)。
そしていよいよ、上映時間に。
これで4500円なら妥当だなと思いました。もう少しグレードアップしたチケットだと、終演後に「余韻に浸るための特別なお部屋」でウェルカムドリンクをもらえるらしいwwww
入場の時に間違えてその特別なお部屋に入っちゃったんですけど、VIPルームって感じで本当に怖かった、じゃなくて凄かったです。私は大人しく帰るので充分でした(笑)。
6. Mixed Up
映画の前に、『ディズニー・レジェンド・アワード』を受賞したマイリーのスピーチが始まりました(パート3で紹介したやつ)。すでに2、3回みたスピーチでしたが、この日も泣きました。
そしていよいよ、映画がスタート。場面はコンサート当日。マイリーとして会場に入場しようとしますが、素性を隠しているせいで顔パスできずに困っているところから始まります(笑)。
なんとか入場してハンナの衣装に着替え、ステージの下から登場するアレに乗ったマイリーに向かって父のロビーが「今日は帰ったら皿洗いだからな」と言ったところでもう号泣。
ステージに上がると、名曲『Rock Star』が始まりました。ハンナの本当のコンサートに行く夢はこれからも一生叶えられないけど、大画面と良い音響で曲を聴けて、まるで夢が叶った気分でした。
本当はもっと書きたいことがあるんですけど、だいぶマニアックすぎる領域になってしまうのと、もうこの時点で7500字ほど書いてしまっているので、この先はまたどこかでお伝えしようと思います☺️
7. My Favorite Playlist
ここまで読んでくれた人はほとんどいないと思いますが、もしいたら読んでくれてありがとうございました(笑)。ちょっとでもハンナ・モンタナに興味が出てきた人のために、おすすめの曲を載せておきます。Youtubeでライブ映像を見るのがおすすめです!
この中でも私が1番好きな曲は『It's All Right Here / すべてはここに。』その中から大好きな2フレーズを紹介して、今日は終わりにしましょう。
結局伝えたいことの半分くらいしか書けなかったので、「私の原点、シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ Part.2」をそのうち書きます(笑)。
それではみなさま、本日はこの辺でおさらばえ。
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