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【イノベーションは3つの領域で起こす】日々の掃き溜め No.76


今回も、たびたび取り上げている濱口さんの頭の中を紹介したい。(下記は過去に書いたnoteの一例です)

今回は「イノベーションは3つの領域で起こすべし」というおはなし。

その3つとは、

1.B(ビジネスモデル)

2.T(テクノロジー)

3.C(コンシューマーエクスペリエンス)

略して「BTC」である。それぞれの領域で、「今までに見たことが無く」、「実現可能」で、「議論を呼ぶ」仕掛けをしていくことで、強力なイノベーションを起こすことができる。

過去の歴史を振り返るとより理解できるため、1つの例を紹介したい。

1984年にデルというコンピューター会社が設立された。当時のコンピューター業界というのは、ハードディスクの容量が増えたり、CPUのスピードが上がるなど、「テクノロジー領域」でのイノベーションがすべてだった。より性能の高いPCを作り売ればよいという認識だった。

しかし、ここを崩したのがデル。彼らは、PCの部品やインターフェイスを「顧客の要望に応じてカスタマイズ」し、「オンライン決算経由のBTO(受注生産)によって顧客に直販する(当時は店頭販売が一般的)」という新しいビジネスモデルを確立させた。

そう、彼らは「テクノロジー」ではなく、「コンシューマーエクスペリエンス」と「ビジネスモデル」領域でイノベーションを起こしたのだ。

これにより、ユーザーは自分の欲しい仕様のPCを店頭に行くことなく購入することができるようになった。さらに、受注生産のため先に顧客からの代金が入るうえに、部品の在庫量も最小限で済ますことができた。売れるかわからないものを先に作り販売するという当時主流のビジネスモデルを、完全に変えてしまった。

これにより、デルは約10年間も業界最高のROIを記録し続けた。業界の常識を一気に変え、それによりトップに立ち続けた。

ここで重要なことは2つ。「当時主流の領域以外でイノベーションを起こした」ことと、「複数領域で同時にイノベーションを起こすとものすごいインパクトになる」ということだ。

さらにすごいのはアップルで、彼らは3つの領域すべてでイノベーションを起こし、一気に世界的ブランドとなった。

今のご時世、1つの領域でのイノベーションでは競争力がなく、3つの領域で複合的に、かつ緻密にイノベーションを起こさなければ勝てない時代になっている。

何かビジネスの参考になれば幸いだ。

ちなみに、上記の話をもっと詳しく書いている本がある。濱口さんが過去にHBRに寄稿した論文を1つにまとめた『SHIFT:イノベーションの作法』である。

少々お値段は張るが、何度も見返したくなる(というか、いざ実践しようとすると難しすぎて何度もリファレンスせざるを得ないのだが)本である。

興味があればぜひご一読を。

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本日も読んでいただきありがとうございます。

では!

西川恭平

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