みんなとちがっていたらどうしようって、あのおめでたい港のキリンの群れの中のだれかも思っている
例の港のキリンがおきざりにされた翌日のことである。
新たなおめでたいキリンの群れを捉えようと、歩道を歩き回るうち、わたしは足下の路におめでたいストライプの滑り止めが塗られていることに気がついた。
横断歩道ではない。もし横断歩道が紅白で、横縞でなく縦縞だったら、みんなどんな気持ちで道を渡るのだろうか。
右見て左見てまた右を見てから渡ろうなんて思わず、ただひたすらまっすぐに祝福のゴールを目指すだろう。もはや横切るという概念はなく、どこまでもどこまでも脇目もふらずに突き抜けて行くのか。どうしても行きたいところがあるならば、そうすればいい。
なぜひとは立ち止まるのか。否、なぜひとは立ち止まることばかり不吉な行為のように気にしてしまうのか。
立ち止まらないと、こんな写真すら撮れないじゃないか。
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