無駄に長い私のオイル美容履歴
2021年の終盤、40歳。現在もセラピストをしているのだが、今の様に色々なオイルが手に入らなかった頃から始まる”私のオイル美容履歴”は無駄に長い。
何故、無駄に長いかというと、これはもう簡単な理由だ。
「売っていなかったし、存在を知らないものが多かったから」
そもそも、私がセラピストになった理由も「子供の酷いアレルギー肌」をどうにかしたい!といった母心からなので、無駄に長いのだ。
2001年▶初めてのオイルは、オリーブオイル
今の様に、色々な美容に作用するといわれるオイルが無かった頃、ちょっと良いオイルと言えば「オリーブオイル」だった。オリーブオイルをメインにした、某化粧品ブランドが、ニキビにも乾燥にもこれでOK!これで解決!みたいに宣伝もしていたし、赤ちゃんの脂漏性湿疹も「オリーブ油をつけてカサピタをうるかす様に」「乳首を噛まれて痛む時もオリーブオイルを塗る」と産婦人科で教わったので、疑いようもなく使ったのが私のオイル履歴の始まり。
つける量を考えてなかったので、見事にベタベタに仕上がった20歳の私と子供。今考えると不乾性油(空気中に放置しても乾燥して固まることのないオイル)なので、乾かないったらありゃあしない。
子供の肌着はイエローグリーンになり、私はニキビ大量発生した苦いファーストデビュー。
2002年前半▶ゴマ油で香ばしく、馬油でテカテカの子供
何やら「アーユルヴェーダ」っていうもので、ゴマ油を使うらしいよ?肌の乾燥も無くなるらしいよ?という情報を、雑誌で見た21歳。
ゴマ油って、あの天ぷらのでしょうか?と疑問がよぎったものの、そこは若い私は考えない。無知極まりない、若気の至り。キュアリングもしていない食用ゴマ油を子供に塗り、オリーブオイルの様に肌着がベタベタになるのを避ける為、包帯を巻きつけてカバー。
何て香ばしい…。
そして「火傷には馬油」という言葉から「ケガや傷にも?」と思った私は馬油にもチャレンジしたが、テカテカ、ベタベタは変わらず肌着も酸化臭がする始末。
これではいけないと思い、アロマのスクールでオイルについても勉強したいと思った一件。
2002年後半▶オイルのグレード?
アロマスクールで、アロマクラフトに出会った私。そこで知る事になる、オイルのグレード。
「食用とクラフト用のオイルは異なります」「精製と未精製があります」という言葉に、ああ納得。そりゃあ、香ばしい子供になった訳ね。
ホホバオイル
スイートアーモンドオイル
アプリコットカーネルオイル
グレープシードオイル
マカダミアナッツオイル
ファーナスオイル(ヤシの実油とパーム油を原料とし、中鎖の飽和脂肪酸だけを抽出して作られたオイル)
月見草オイル
これらの存在を知るが、なぜかスクールではファーナスオイルだけしか使わなかった。その当時は、ファーナスオイルという物の中身が何なのかさえも判らなかったが、取りあえずそれで習ったので、数ヵ月ファーナスオイルを使っていた。
この時に「酸化」というものが、オイルに関係する事を知る事になる。酸化しやすいものは、早く使わないといけない。その位の価値観だったのと、経済力だった(色々買えるほど裕福では無かった)ので、安定して使えるものを最後まで使用したいといった気持ちだった。
2003年前半▶安定のホホバは酸化臭で悩まない
ファーナスオイルの次に手に入れたのは、ホホバオイル。これも酸化しにくいとアロマスクールで習った為購入してみた。子供の肌へ塗った後の保湿感は、ファーナスオイルよりも良かった。
最も良い!と思えた事があるとすれば、ホホバオイルを塗った子供の肌着は酸化臭がしにくい事。べたつき感はするけれども、酸化臭で臭かったので、とても有りがたい発見だった。
2003年後半▶ローズヒップオイルがオイルの概念を変えた
アロマスクールで、手作りの楽しさに味を占めた私。しかし、精油濃度の怖さも知る事となる(水膨れとシミ)
私の興味は、アロマ精油よりもオイルや植物に変わっていき、いつもの様に検索をしていると「ローズヒップオイルがニキビに良いらしい」といった情報を見つける。
今だったら、なぜ作用するのだろう?どんな成分なのだろう?と調べるのだが、まだまだ若かった私は「結果」が全て。これは試さないといけないと思い、当時はまだ楽天にあった石けん百貨でGAIAのローズヒップオイルを購入(GAIAも今は無い)
これが、オイルへの「ベタベタ」への偏見を変えた。浸透の速さに驚いた。なんてサラサラなんだろう!そして毛穴が小さくなった!ニキビにもならない!
ここから、私は長期に渡るローズヒップオイル信者になる。
色々なローズヒップオイルを手に入れる様になり、比較するのだが、30mlは酸化してしまい最後まで使いきれなかった。また、同じチリ産でも手元に届いた時点で酸化臭がしているものもあったり、散財しながらも、好きなメーカーを見つけた。
※当時のお気に入りは、結局GAIAのローズヒップオイル。回転率の高いお店でサンプルサイズ8mlを買っていた。
2005年▶リフレで使っていたのはマカダミアナッツオイル
この頃、子供はホホバオイル、私はローズヒップオイルが定番になっていたのだが、2005年頃リフレクソロジーを学んだ(今となっては正確な日にちまでは判らないけれども、昔の日記をみてこの頃)
リフレクソロジーでは、マカダミアナッツオイルを使った。パルミトレイン酸という存在を知る。エイジングケアにはもってこいという内容だったのと、テクスチャーの重さがトリートメントしやすかった。
2010年▶アルガンオイル
比較的話題になっていたアルガンオイル。アルガンオイルの成分なども知りもしないまま、購入し、相変わらず子供と一緒に使用してみたのだが「私だけニキビ発生」という事態に。
なぜ子供は大丈夫で、私は使えないのだろう?使い方なのか?量なのか?それとも中身なのか?
ローズヒップオイル信者だった私は、ローズヒップオイルに逆戻り。
2011年▶震災でトリートメントの重要性を知る
震災で一応県外避難したのだけども、夜泣きがおさまらないので毎日子供達をトリートメントしながら寝かせる日々が続く。
この時思った事は、触れる事への重要性。安心感。オイルは、その密着度を高めてくれた。
どこへ行くにも持ち歩いていたホホバオイルが、とても役に立った。毎日毎日、余震でおびえる子供達の足をさすりさすり、ウトウト。
2012年前半▶タマヌオイル、バオバブオイル、マルラオイル
オイル好きなので、気になるオイルがあるとすぐ買う様になっていた。近場では中々見つけられない為、この頃の私はアイハーブで個人輸入する事が多かった。
アフリカンオイルというジャンルなのかは知らないけれども、この頃からアフリカ特有の植物オイルが出てくるようになった。
タマヌオイルは抗酸化力が強く、アトピーにも良いとの事だったので期待が高かったが、色がグリーンで粘性が高いのと、ニオイが強い印象だった。
バオバブオイルとマルラオイルは、アルガンオイルとテクスチャーが似ていると感じ、当時はタマヌオイル程興味がわかなかった(ビタミンEとパルミチン酸はバオバブオイルの方が多いと思う)
2012年後半▶スクワランオイルはマタニティとロミロミ
マタニティートリートメントの講習で、スクワランオイルが安定性が高く、敏感になるマタニティー時期には最適と教えていただいた。完全精製でサラッサラ。
普段、子供にはホホバオイルを使用していたのもあって、ホホバが重く感じる程、このサラサラに驚いた。
広範囲ロングストロークのロミロミにもピッタリだったので、ロミロミにもスクワランを使う様になった。(暑い地域のオイルトリートメントはサラサラなオイルが好まれるのだと思う。セブ島で受けたトリートメントはココナッツオイルだったし、バリニーズもココナッツオイル多い。)
2019年▶改めてホホバオイルの使い勝手の良さを実感
更年期~ちょっと人より早い閉経期間、サロンを閉めていた。
その後、再度サロンを開く事になったのだけれども、メニューを考えたり、使用するオイルを考えるにあたって、「やっぱりホホバオイル」と思う様になった。
使う人を選ばない
タオルの酸化臭問題
安定性
久々のゼロからのスタートなので、オイルの使用量やコスト、使いきるまでの期間も全く読めなかったから余計に、ホホバオイルの安定感に頼った。サロンを開くときに一本選ぶとするなら、間違いなくホホバオイル。
2020年▶コメヌカブランオイルとヘンプオイル
コロナ渦の中、サロンは自粛しなくてはいけなくなり、暇を持て余した私はオンラインで植物美容を勉強していた。そこで勉強した事は「脂肪酸」や「肌別に選ぶオイル美容」
オイル美容を始めた2001年に比べ、数百倍の知識が手に入る様になった。欲を出すならば、もっと頭が若く覚えが良い年齢の時に学びたかった。
コメヌカブランオイルのγーオリザノールやトコトリエノール。ヘンプオイルのオメガ3・6・9等、とても今まででは知り得なかった事が面白く、10年以上知りたくても知れなかった事が、自分の知識になっていくのが面白くて仕方がない。
2021年▶20年経った私のオイル美容
相変わらず大好きなのは、ローズヒップオイル。中でも、ローズドビオ「ローズオブローズ」は秀逸。エアレスポンプに入れるという考えは、フレッシュに長く使える。ちょっと初めてだと値段が張るので戸惑うかもしれないけれども、あのサイズを常にフレッシュに使えるのはかなりの魅力。
次いで、抗酸化系の種子オイルが気に入っている。ラズベリーシードオイル、キャロットシードオイル、サジーオイル等。生命のパワーが詰まった種のオイルはとても魅力的。
20歳からはじまったオイル美容も、すでに20年の月日を流れて40歳。私も抗酸化したいのです。紫外線に強いお肌になりたいのです。それがエイジングになるからね。
最後に、インフューズドオイル。色々な植物をオイルで浸出する作業は、昔もやっていたけれども、知識が備わってきた今の方がずっと楽しい。植物の作用を考えながら漬込み、色の移り変わり見るのが癒される。
きっと、20年も続いたのだから、ずっとずっとオイル愛は変わらないと思うんだ。