本棚:『バスを待つ男』
本書を知ったきっかけは、以前読んだ『ミステリな食卓 美味しい謎解きアンソロジー』。本書の第一章が収録されており、続きが読みたいなと思っていました。
ちょっとした謎、長年の謎を解くのは、元刑事の主人公ではなく、主人公から話を聞いた妻。けれども、謎を解いてほしいと頼んだ側は、主人公が解いたものだと思い、なかなか訂正できずにいます。
私が一番いいなと思ったのは、主人公と妻の夫婦仲。お互いを思いやっており、すごく穏やかな雰囲気で、出来すぎと言えば出来すぎなのかもしれないけれど、こういう夫婦っていいなぁと思いました。しかも、新婚時代ならまだしも、長年連れ添った老夫婦ですし、交通事故で小学生の娘をなくしたという過去もあります。
さて、主人公はシルバーパスを使って、バスであちこち行くので、本書のはじめに主要バス路線図が載っています。電車の路線図だと、本来の地形とは違うので、距離感が分からないですが、地図とあわせた路線図ならば実際の位置関係がわかって、「ふむふむ…」となんだかおもしろいです。シルバーパスは無理だけれど、一日乗車券とかであちこちまわってみるのも楽しいかもしれないなぁ。あ、でも、その前に「はとバス」に乗りたくて…。