本棚:『写真館とコロッケ』
「ゆうれい居酒屋」シリーズ第3弾。あとがきによると、今年からは6月と12月に新作が出るようになったとのこと。「食堂のおばちゃん」シリーズ、「婚活食堂」シリーズに続き、こちらも長寿となるといいなぁ。それぞれ、お店のある場所は違っていまして、私はいずれも馴染みがない場所ではありますが、作品のおかげで勝手に身近に感じています。ちなみに本書の舞台は新小岩。新しい駅ビルと昔からのランドマークであるルミエール商店街に行って見ようかな。
「ゆうれい居酒屋」とありますけれど、怖くはなくて、むしろ、ほっこりします。どうすれば居酒屋「米屋」にたどり着けるのかは、分かりませんが。なにせ30年ぐらい前に閉店した店。30年前といえば、スマホどころか、PCじゃなくてワープロだったんじゃないかなぁ。
本書では、飼い猫が出て行っていったきり戻ってこなくて、高いけれどもペットハンターに探してもらうか…というところで、猫の爪とぎ板を小さく切って、近所中の電信柱の低い位置に貼るといいとアドバイスされる場面があります。この方法は、著者の実体験に基づくものだそうで、なるほど!と。もし、猫が行方不明になって困っている方は試してみるとよいかもしれません。
実体験に基づいているネタが含まれるからか、たとえば社員食堂などで、同僚の世間話を聞いているような気分で楽しめます。