マガジンのカバー画像

わたしの本棚

315
わたしの読書記録です。
運営しているクリエイター

#碧野圭

本棚:『凛として弓を引く』

高校生になるタイミングで東京に引っ越してきた楓。地元の弓道会に入って弓道を始めた。高校2年生となり、1つ年下の弓道会メンバーに誘われ、学校で弓道同好会を立ち上げ、部長に。そして初めて挑んだ試合は、あっけなく終わってしまい、不完全燃焼で…。 本書を読むと、背筋を伸ばして、お腹に力を入れ、所作を美しく…と意識するようになり、好きです。上半身はゆったり脱力して、下半身は肚(はら)を中心にどっしりしている状態。少々のことでは動じない、常に平常心でいられる、そういう人のことを肝が据わ

本棚:『凜として弓を引く 青雲篇』

高校2年生になった楓。弓道会の仲間の賢人から、高校で弓道部を作ることを持ちかけられ、部長となることに。 中学や高校なら、3年間だけ…というか、部活をできる期間は3年より短い中で、先輩・後輩がいて、教えたり、教えられたり、特殊な空間ではあるなあと思いました。 今まで、弓道会では一番下で先輩からいろいろ教わっていた楓が、高校では教える立場となり、迷いながらも成長して行きます。 仕事でもいつの間にか「教わる」から「教える」場面も増え、教えるとなれば、ちゃんと理解していなければいけな

本棚:『凜として弓を引く』

高校入学を目前に控えた3月下旬。数日前に引っ越してきたばかりの楓はやることがない。近所の図書館に行ってみたものの休館日で、家に帰る途中にたまたま中に入った神社で弓道に出会い…。 楓が春休みの退屈しのぎに弓道の体験教室に通ったものの、入会にいたるまでの間。高校が始まって、新たに友達もできてよかったけれど、まわりに流されている感じのところは、ちょっと切ないなと思いました。でも、自分自身も、高校は中学からの友達がまったくいない状況でのスタートで、けっこう頑張って明るいフリをしてい

本棚:『書店ガール7』

シリーズ完結編です。第1章から第4章まで、主人公は愛奈、彩加、理子、亜紀。理子のところが一番ボリュームがあって、色々大変な状況でもあるのですが、理子は久々の登場。そして、最初の頃と比べると、理想の上司のような感じが強くなったなぁと思います。4人の主人公の中で、著者が一番好きなのは理子だと思っているのですが、どうでしょう。 第1章の学校で司書をしている愛奈の話では、ビブリオバトルをやることになります。その中で登場する本はどれも興味が引かれますが、その中の1つ『トトロの住む家』

本棚:『書店ガール6』

取手駅の駅中書店の店長になった彩加。駅中書店では珍しくフェアをやったり、アルバイトとも良好な関係を築いてきたが、突然、閉店を告げられて…。 書店に限らず、閉店というのは「さみしいな、残念だな」と思いますが、店側にとってはもっと辛く、悔しいものなのでしょう。引っ越し前に住んでいたところは、区画整理していたところで、新しい家がぽつぽつと増えていくにつれて、お店も徐々に増えてきて、「今度は何ができるのかな?」と楽しみでしたが、どこかで開店するところもあれば、閉店するところもあるわ

本棚:『書店ガール5』

取手駅の改札の中にある書店の店長となった彩加。ここで求められるのはスピード。前にいた吉祥寺店のような、お客様との会話はほとんどなく、売れる本も違っていて…。 実はいまだにライトノベルの定義がよくわからないのですが、例えば図書館では若者向けの本棚があって、そこには自分がもう若者ではない頃に読んだ本も含まれていて「これって若者向けなのか」と思ったり。 私が読書をするようになったきっかけは2つあって、1つは小学生の頃。小4のときの担任が、朝よく本を読んでくれたから。そしてもう1つは

本棚:『菜の花食堂のささやかな事件簿 木曜日のカフェタイム』

菜の花食堂のオーナー兼料理人で、料理教室の先生もしている靖子先生が、お客さんから持ち込まれたちょっとした謎を解きほぐしてくれるシリーズの第5弾。前作で、主人公の優希と川島さんとのその後の関係はどうなったのかしら?と気にしながら読み進めると…、お楽しみは最後に取っておいてありました。 お弁当の話が2つあったのですが、私が学生の頃はキャラ弁なんてなかったけど、作るの大変そうだし、すごいなぁと思います。会社に持って行くお弁当は、週末にまとめて作りおきで、1週間、お弁当の中身は同じ