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わたしの本棚

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わたしの読書記録です。
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2024年11月の記事一覧

本棚:『バスに集う人々』

『バスを待つ男』『バスへ誘う男』に続く、シリーズ第三弾なのですが、この第三弾で完結なのかなぁ。『バスに集う人々』というタイトルだけあって、バス好きがたくさん出てきますが、第一弾、第二弾で出てきた人たちがバス仲間となっていて、「いいなぁ、もっと見ていたいなぁ」と思うけれど、読み終えての印象としては、これで完結なのかなと。 今回は路線バスの経路図がないなぁと思っていたら、東京を飛び出して、青森や福岡でのお話もありました。青森は行ったことがなく、福岡はほぼ出張でしか行ったことがな

本棚:『タルト・タタンの夢』

〈ビストロ・パ・マル〉シリーズの第一弾。勤めはじめて二カ月のギャルソンである主人公の高築智行、ソムリエの金子ゆき、副料理長の志村洋二、料理長の三舟忍の4名で切り盛りしているフレンチ・レストランが舞台。 表題作の「タルト・タタンの夢」と「割り切れないチョコレート」は、アンソロジーで読んだことがあるので、このシリーズ自体は知っていたのですが、ちゃんと読んだのは初めて。そして、読書メーターの感想を見て、「シェフは名探偵」というドラマにもなっていたのね、と知りました。(テレビをあまり

本棚:『バスへ誘う男』

シリーズ第2弾。前作とは主人公が変わり、今回の「私」は路線バスのコーディネーター。前作の主人公およびその妻の名前が本作で判明し、言われてみれば、主人公が自ら名前を言うことはないだろうし、説明部分がなければ、主人公の名前って分からないものかも…と思いました。そして、今回の主人公の名前と素性も気になるところですが、それが分かるのは終章。 きっかけは些細な嘘、もしくは、嘘をつくつもりはなく、相手の勘違いを訂正しなかっただけだったとしても、それが度重なると、修正するのは難しいかもし

本棚:『ソロキャン3』

インドア派で、キャンプをしたこともありませんが、シリーズ第3弾を見つけて、「あっ、読まなくちゃ!」と思って手に取りました。潜在的にキャンプへの憧れがあるのでしょうか。ちなみに実家は近くにキャンプ場がありまして、キャンプ場に来ている人たちは非日常を楽しんでいるんだろうけど、我が家にとってはこの景色、日常なんだよなぁ~なんて思っています。 主人公の千晶は、総合スーパーを軸とする会社で働いているものの、かつてカウンセラーの勉強をし、お人好しで、困っている人を放っておけず、わざわざ

本棚:『夕闇通り商店街 純喫茶またたび』

「夕闇通り商店街」シリーズの第3弾。お店の名前から想像がつくように、喫茶店のマスターは猫。というか、正しくは大きな黒い猫又さん。 どうして猫又さんになったかは、最後のお話で分かりますが、有川ひろさんの『みとりねこ』もちょっと思い出しました。本当のところはわからないけれど、猫が猫又になりたいと思う時、それは飼い主とずっとずっと一緒にいたいからなのかもしれないなと思うと、猫又さんは怖い妖怪ではないのかも。 ただ、猫好きではありますが、自分より大きな猫に出会ったら、びっくりするだろ

本棚:『バスを待つ男』

本書を知ったきっかけは、以前読んだ『ミステリな食卓 美味しい謎解きアンソロジー』。本書の第一章が収録されており、続きが読みたいなと思っていました。 ちょっとした謎、長年の謎を解くのは、元刑事の主人公ではなく、主人公から話を聞いた妻。けれども、謎を解いてほしいと頼んだ側は、主人公が解いたものだと思い、なかなか訂正できずにいます。 私が一番いいなと思ったのは、主人公と妻の夫婦仲。お互いを思いやっており、すごく穏やかな雰囲気で、出来すぎと言えば出来すぎなのかもしれないけれど、こう