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わたしの本棚

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わたしの読書記録です。
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2022年11月の記事一覧

本棚:『ボロボロになった人へ』

以前、同期から借りて読んだ『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』。もう内容はほとんど覚えていませんが、母親とは子どもに対してなんと無欲でありがたいものなのかと思った記憶があります。 本書はその『東京タワー』を発表する前の初めての小説だそう。文庫を読んだのですが、一般公募による解説って珍しいなぁと思いました。 短編集なのですが、一番印象に残ったのが「死刑」。この話の中では、どんな微罪であっても、凶悪犯であっても、犯罪者は一律、死刑となります。例えば、万引きでも死刑です。そ

本棚:『ゴミ清掃員の日常』

お笑い芸人かつゴミ清掃員でもある滝沢秀一さん。以前、図書館で『やっぱり、このゴミは収集できません』を見つけて、ゼロウェイストが理想と思い始めていた私は、なんとも素敵な本に出会えた!と喜びました。ちなみに「やっぱり」とあるように『このゴミは収集できません』があって、その後の「やっぱり」なので、こちらもすぐに予約して読みました。 本書も気になっていたのですが、当時住んでいたところの図書館には無く…。また、まんがなので図書館には無いものだと思っていたのですが、なんと!あるじゃないで

本棚:『社会で生きていくために知っておきたい知識』

社会人となって十数年経つ、もういい大人ですが、世間知らずです。これじゃいかんと思ってはいるものの、今すぐ困ることがあるわけじゃないのでそのまま…。でも、「知ってる」と「知らない」の差は大きいんだろうな。しかも、その差はちりつもで大きくなるだろうし…。 社会に出てから気になるのは、なんといってもお金と仕事のことかなと思いますが、選挙のことも書かれていて、これも大事だと思います。また、これから社会に出る、もしくは社会人となってまだ間もない人に向けた本だと思いますが、老後の話もあり

本棚:『コンビニ兄弟2 テンダネス門司港こがね村店』

九州だけで展開するコンビニチェーン「テンダネス」の門司港こがね村店。本人はいたって勤勉なのにフェロモンを泉の如く垂れ流している店長とそこに集う客たち。イートインスペースでは今日も優しさが溢れています。 シリーズ2作目です。前回、この子は今後大丈夫かしら?と思っていた人物も登場。本書に限らず、小学生~高校生が主人公の話では、いじめの話はそこそこ多いかなと思うので、ソワソワしてしまいます。 幸い、いじめのターゲットにされたことはなく、また、クラス全員で無視するみたいな場面にも遭

本棚:『夫の墓には入りません』

結婚して15年。脳溢血で急死した夫は、まだ46歳だった。しかし…。どうして悲しくないんだろう。 大好きな垣谷美雨さんの本。姻族関係終了届と復氏届は、別の著者の作品でも出てきて、その時に知りましたが、知っている人は多くはないのかな。 途中までほとんど出番のなかった主人公の父親が、後半、大活躍なのですが、相手を非難せずに、自分がどう感じたか言うように娘にアドバイスする場面があります。これってもしやアサーティブ?アイメッセージ?と思いまして、難しく考えなくとも、これが自然とできて

本棚:『稲荷町グルメロード』

御名掛幸菜、大学3年生。就活を有利にするための社会奉仕系活動はないかと調べる中で見つけた祖父母の住むまちでの「求む!若き感性!」 それは商店街の活性化のためのアドバイザー(上限25歳)の募集で、報酬はなんと年額二千五百万円…。 同じ著者の『本日のメニューは。』を以前読んで良かったなぁ~ということを思い出し、こちらも食べ物のお話だ!と手に取りました。しかも、商店街というのがいいなぁと。『本日のメニューは。』もそうでしたが、表紙のイラストだけでも、美味しそう…。 最近は実行でき

本棚:『私らしい暮らしとお金の整え方』

著者は暮らしや旅にまつわる本を30冊以上 出されている柳沢小実さん。お金との付き合い方について書かれています。 私の場合、もともと物欲は少ない方なので、特に意識しなくとも赤字になることはなかったですし、小学生の頃のおこづかい帳に始まり、家計簿をつけるのも苦ではありませんでした。でも、振り返ってみれば、数年前までは家計簿をつけているといっても、何にどれぐらいお金を使っているのか、1カ月どのぐらい必要なのか、ということは分かっていませんでした。 今はマネーフォワードを使っており

本棚:『ひとなつの。真夏に読みたい五つの物語』

ひねくれている…というよりはタイミングが悪いんでしょうね、きっと。夏は過ぎ、クリスマスのイルミネーションのニュースを聞く時期に読むなんて。ちなみに以前は『X'mas Stories』という6人の作家によるクリスマス・アンソロジーを春頃に読んだっけなぁ。 出身地もばらばらの中学2年の男子6人が沖縄で4日間を共に過ごす『三泊四日のサマーツアー』が好きだなと思いました。小学生もしくは高校生だったら、また違っただろうなぁと思ったり。 社会人になって十数年経ち、夏休みはお盆の数日間なの

本棚:『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』

九州だけで展開するコンビニチェーン「テンダネス」は『ひとにやさしい、あなたにやさしい』をモットーとする。そして、北九州市門司港区大坂町通りの中ほどにあるのがテンダネス門司港こがね村店。本人はいたって勤勉なのにフェロモンを泉の如く垂れ流している店長と彼に集う客たち。たかがコンビニ、されどコンビニ。コンビニで手に入れているものは商品だけではなくて…。 コンビニは高いという印象があって滅多に行かないのですが、すぐ近くにコンビニがあるというのは心強いです。スーパーと変わらないはずです

本棚:『風に舞いあがるビニールシート』

6つのお話が収められた短編集。直木賞受賞作なので、読んだことがある方も多いかもしれません。わたしが好きだなと思ったのは、『守護神』と『ジェネレーションX』。 『守護神』では大学の二部、すなわち夜間部に通うフリーターの裕介が主人公。単位を落としそうな裕介は、代筆の達人であるというニシナミユキに頼み込むのですが…。代筆を頼むということは、勉強は好きじゃないのかな?なんて思っていたのですが、徐々に感じる違和感。なぜ裕介は、代筆を頼みたいのか…。 『ジェネレーションX』では、出版社に

本棚:『アコギなのかリッパなのか』

かつては不良少年で、今は引退した大物政治家の事務所の事務員。そして時々 大学生の21歳、佐倉聖。腹違いの中学生の弟を養うため稼がなければならない。聖に押し付けられる雑用は、ワケありのものが多く…。 政治家を目指す物語はいくつか読んだことがあるけれど、事務所の事務員は初めて。普段は選挙の時ぐらいしか気にしないけれど、日々の暮らしは政治で決まっているんだよなぁとも思います。ボランティアでお手伝いをする人も結構いるんだなぁと知りました。ただ横目で見るだけじゃなくて、実際に政治家がど

本棚:『ごみを出さない気持ちのいい暮らし』

好きな言葉の1つがZERO WASTEでして、できるだけゴミを出さずに暮らしたいと思っています。どうしたらゴミを減らせるか…参考になる本といえば『ゼロ・ウェイスト・ホーム』が有名だと思うのですが、他になかなかなくて。わたしと同じようにゴミを減らしたいと思っている人、そこそこいると思うんだけどなぁ…という中で見つけた本書。まさしく求めていたものにピッタリのタイトルです。本書では6人の方が実践していることが紹介されています。何か1つでも真似できることがあるかもしれません。 本書で

本棚:『腸がすべて』

以前、友人から、ヨーグルトと蜂蜜を食べるようにしたら便の色が変わったという話を聞いて以降、よく便をチェックするようになりました。ちょっとジャンクなもの食べすぎちゃったなぁ…というときは、やはり便にも表れて、正直だなぁと。ここ最近は悪くない感じなので、これを維持できればと思います。 先日紹介した『多様性の科学』の影響もあって、これが全ての人にあてはまるのかな?という疑問も無きにしも非ずなのですが…。本書によると、消化の速い食品(ほぼすべての果物、トマト、かぼちゃ等)と消化の遅

本棚:『多様性の科学』

オススメされた本とはいえ難しいのかな…と思っていたのですが、はじめの9.11に至るまでの話からグイグイもってかれました。エベレスト大量遭難事件の背景も。そして、身近な話で一番興味深かったのがダイエットの話。 以前読んだ『トロント最高の医師が教える世界最新の太らないカラダ』の中で、ダイエットにおけるキーワードは「カロリー」ではなく、「インスリン」であり、「何を食べたらいいか」と「いつ食べたらいいか」がポイントと知り、だからこそ間食は太るんだなぁ…と。でも、そのキーワードとなる「