Wonderland
さいきん結婚したわたしは、挙式やら披露宴やら新婚旅行やらを終え、いまは年に1〜2回訪れる常宿にてこれをかいています。あわただしく過ぎる毎日で空中に拡散していたじぶんをようやく、ひとつずつじぶんの器のなかに仕舞い込んでいる感覚。
はじめてジェルネイルをしたり、はじめて両親と居酒屋に入ったりしてそわそわした。相変わらず両親はけんかばかりだった。むかしは断然、母のことがだいすきで、母が正しいとばかり思っていたけれども、社会に出てみて父のことがよくわかり、父にも父の立場があることに気づけた気がする。
何かで読んだけれども、女性はじぶんの母親より幸福になることを避けてしまうらしい。わたしはその感覚がよくわかる。それはたぶん、じぶんがすきなことをしたりしあわせな気持ちになったりすると、苦労をしてときには自分のことを我慢してまで育ててくれた母親に対して、申し訳ない気持ちになってしまうからかもしれない。
子の幸せが親の幸せ、とはよく聞くけれども、ほんとうにそうなんだろうか。わたしは親になったことがないから、なおさらわからない。
いずれにせよ、やはり子どもはほしくないなと思う。わたしは偏狭な性格だからじぶんのすきなことができないのは耐えられないし、コンプレックスからじぶんができなかったことを子どもに押しつけてしまいそうだ。あとはじぶんの気持ちを言葉にするのが苦手だから、我慢して夫に何もいえず、いつかばくはつしてしまうとおもう。ばくはつする前に、ひとにはちゃんと話すべきだと思うので、子育て云々を別にしてそこは訓練していきたい所存です。
新婚旅行先でこのうえなく素晴らしい、朝焼けをみました。偶然この日記をみていただいたあなたにも、おすそわけです。
プールサイドや浜辺で本を読んだり、うとうとしたり、相変わらず何もしないことの多い旅行だった。わたしは観光名所やアクティビティなどには興味がなく、「何もしない」ことをしにいくのがすきなので、たいていのひとには怪訝な顔をされるし、説明するのもたいへんだ。じゃあ家でいいじゃん、といわれても、家で考えつかないことを考えるのがたのしいとおもっていることをなかなかうまく説明できない。
泳ぐのが得意な夫にプールで平泳ぎを教わった。落ち着いたらいっしょに市民プールに通う予定なので、めちゃくちゃたのしみです。
さいきんは村上春樹の短編集を読んでいて、旅先でもたくさん読んだ。この話はまた別のときに。
最後に空港のてきとうなお店で、うまくてでかい肉(わたしは煮込まれてほろほろになったかたまりの肉がすき)とビールでしめた。夫はこの日2回目のそばを食べていた。旅行、大きな水族館やホテルの豪華な朝食、きれいな海よりも、思い出したり記憶に残ったりするのは、偶然入ったこのお店でぽつぽつ話したことなんだろうな、と予感めいている。いつもそう。きみとの旅行はゆるくていいな、と言われてうれしかった。
結婚式のことも旅行のことも、思い出してぽつぽつ書きたい。
Wonderland / 世武裕子
なんとなく思い出して聴いてみた曲、いま聴いたら、すごくいいなあと思った。むかしといまと、わたしの中で何が変わったんだろう。夜の高速道路で聴きたい。それはこのジャケットが関係しているのだろう。音楽のイメージはジャケットに左右されてしまうのではないかの話、もうちょっとまとまったら書きたい。
ひさしぶりでまた長くなってしまった。書くハードルをもうすこし下げたい。それでは!