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【妊活】テレビ越しの友だちの言葉に救われた【不妊治療】
毎年、年に1回のペースで高校の友人たちと地元でBBQを開催してる。
アラサー女子あるあるだが、友人6人のそれぞれライフステージも違う。地元に残っている人、地元を離れた人。結婚している人、独身ライフを謳歌している人。仕事もバラバラ。事務関係の仕事をしている子もいれば、自分のお店を経営している子もいるし、過疎地域の活性化のために奔走している子もいる。
「大人になれば集まるのが難しくなる」という定説は我々にも例外ではなくて、開催当初、華の女子大生のときには全員集合できていたBBQも、今では半数が集まれればラッキーという雰囲気になりつつある。かくいうわたしも地元を離れた組なので、参加率が低くレアキャラになりがちだ。
7月中旬。今年もグループLINEでBBQの日程調整が行われ、そのなかでIちゃんが現在妊娠していることが分かった。
先ほどライフステージはバラバラだとお伝えしたが、我々グループのなかにはまだ子持ちはおらず、初めての妊娠報告。画面には「おめでとう」と祝福のメッセージが続く。
「わたしの方が先に結婚したのにな」そんなモヤモヤを胸に抱えながら、わたしも彼女にメッセージを送った。わたしが不妊治療をしていることは、友人たちには誰にも伝えていない。喜びと同時に湧き上がったグレーの気持ちは、そっと胸の内に隠していた。
(ここから先は身バレ覚悟で書く)
少しづつ秋づいてきた日、その友だちが妊娠8ヶ月でNHKののど自慢に出た。
Iちゃんは昔からファンキーなところがある。(褒めてる)生徒会に立候補し、全校生徒の前で演説をするときに壇上で原稿をビリビリにし、「学生は勉強だけでなく、恋愛もエンジョイすべきです」と声高々と訴え、自称進学校の先生の空気を凍らせた。
大学生のときには、恋愛系のブッタギリでTwitter上で少々有名になった。
社会人になってからも、口外できない有名人と恋愛したり、聞くたびに仕事が変わっていたりと、アグレッシブだ。わたしの旦那は、Iちゃんと会ったことはないが、数々の武勇伝をわたしの口から聞かされ、すっかりIちゃんのファンだ。
そんな彼女がのど自慢に出場し、力強く歌いあげた。鐘2つで惜しくも合格は貰えなかったが、わたしには大きいお腹で一生懸命歌う彼女がかっこく、彼女の友達であることを誇りに思った。
歌ったあとの司会者とのやり取りの中で母になった心境を聞かれ、彼女は「不妊治療でやっと授かった命で毎日、いとおしくて会えるのが楽しみです」と口にした。
時間にしては10秒ほどの言葉だったが、画面越しで彼女の苦労を知り、泣きそうになった。
Iちゃんも同じ仲間だったんだ。
BBQでも数年会えていなかったので、彼女が不妊治療をしていたことを画面越しで初めて知った。
自分が置いて行かれて、彼女が先に行ってしまったような気がして、勝手に悲しい気持ちになっていたが、彼女は彼女なりにもがいて命を授かった。
そしてそれを電波に乗せて伝えてくれたことで、わたしは勇気がもらえた。
今まで必要最低限の人にしか不妊治療をしていることを伝えてなかったが、放送後Iちゃんに LINEで伝えた。勇気をくれてありがとうの言葉と一緒に。
Iちゃん、マタニティライフ楽しんでね!