男の一人暮らし
突然脳梗塞で倒れる。本人も予想などしていなかった出来事で、気がついた時には病院に運ばれてた、そんな状況はまるで悪夢のよう。
本人も辛いし、家族も困惑する。
そして、担当医師からは手術は出来ない状況で、かなり深刻な状態なので、いつどうなるかわからない。心臓に残ってる血栓が次飛んだら致命傷になるだろうから、血液をサラサラにする薬も投与出来ないと言われた。
なすすべもなく、弟の住んでいたハイツへとタクシーを走らせたのでした。
まあ、男一人暮らしで50歳後半ともなれば、こんな暮らしになるのかと…まともな家具は無く、ミニテーブルの上には飲みかけの酒とつまみがあるだけ。布団もないので、床にそのままころんで寝てたんやな~。
ユニットバスは、扉を開けて…一旦締めた。あまりの事に思考停止状態に。父はそれをみて苦笑いしてたよ。
さすがにトイレは我慢出来ず用をたしたけどね。住めば◯◯とかで、暫く使えば気にならなくなったから不思議です。
その日は父と二人床にごろ寝です。次の朝身体中が痛かったのは言うまでもありません。
一緒に来ていた父は、もともと痛かった狭窄症が悪化して足腰がより悪くなり、慌てて来てしまったので持病の血圧の薬も残り僅かに。このままでは父が倒れてしまうと思い、一旦実家に帰ろうかとその晩話をしながら部屋を片付け始めた。
とりあえず、免許証や通帳、年金手帳やカード類。見つけておかないとね。
いつ、どうなるかわからない状態だし、この部屋にも帰って来れないだろうから。
そして、次の日病院に行き、明日一旦帰りますと伝えたのでした。