サキちゃん
サキちゃんとは小学校が一緒だった。
歳は私の1つ上で特別支援学級に通うダウン症の女の子だった。
最近何故かサキちゃんをよく思い出すようになって
ちょっと懐かしくなった。
サキちゃんは私が小学4年の時に転校してきたと思う。
そこら辺の記憶が曖昧だけどその頃からサキちゃんと関わるようになった。
休み時間になると友達と一緒にサキちゃんのクラスまで行き、
”サキちゃん、おはよー!”と声をかける。
支援学級は他の生徒の出入りが禁止されてからいつも窓からサキちゃんに声をかけた。
なにか他に話をするわけでもなくて、ただ挨拶する程度だったけど
声をかれば手を振ってくれるサキちゃんにみんなは黄色い歓声を上げた。
みんなのアイドル的存在だった。
たまにみんなで校庭で遊ぶこともあった。
サキちゃんは感情をあまり表に出すタイプじゃなくて笑うことは滅多に無かった。
でも、たまにふと見せる笑顔がすごく可愛かったのをよく覚えている。
感情のコントロールができなくて何か嫌なことがあった時は引っ掻いてきたり、噛んできたりしたこともあったけど
サキちゃんと関わるのをやめようなんて考えはこれっぽちもなくて、そんな喧嘩っぽいことがあっても
次の日も変わらず友達とサキちゃんのクラスまで遊びに行った。
今思えば、騒がしかっただろうし、ちょっとしつこかったかなとも思う・・・
サキちゃんが卒業する時、私は”あぁ、もうサキちゃんとは会えないのか”と感じて悲しくなった。
実際に卒業してからサキちゃんに会うことは無かった。
卒業式後、正門から出ていくサキちゃんを見送りに行った時、
最後に”バイバイ”と言って手を振ってくれた。
嬉しかったなぁ
あれからもう何年経っただろう。
サキちゃんは今何をしてるんだろう。
元気にしてるかな。
少しでもみんなで遊んだことを覚えててくれてたら嬉しいなぁなんてちょっと図々しいかな。笑
またいつか、どこかで会えたらいいな
END