わたしの旅暮らしをつくる #3|4/22-28
4/22
料理をするのが楽しい。昼下がりのキッチンで、野菜を木のまな板に載せてすとん、すとん、と切るのが好き。お気に入りのスーパーが初めてできた。
作り置きをしていて、今日は3品作った。人参とピーマンのきんぴら、じゃがいもとこんにゃくの煮物、かぼちゃの煮物。JAで買ってきた、ふたつで200円ちょっとのこんにゃくがすごく美味しい。
カフェや喫茶店は大好きだし、食の楽しみを外に求めるのも良いけれど、自分の手でつくることってこんなにも幸せなんだなと感じている。
4/23
図書館の帰りに、向こうから小学生が歩いてくるな〜と思っていたら、こちらを見て「あ、rucoの…」と言われた。先日rucoで出会った近所の子だった。「どこ行くの?」「友達のとこ遊びに行く〜」「いってらっしゃい〜」と別れる。
当たり前のように声を掛けてくれたのが嬉しかった。わたしなら気づかないふりして通り過ぎただろうなと思った。特に田舎ほど、知り合いに出会うことをわたしは窮屈に感じていたけれど、それは意外に心地良くてあたたかかった。
今日は宿が休みで、rucoにはわたしひとり。誰もいないシェアスペースで本読んで、友人に電話を掛ける。観光ホテルの日帰り温泉に浸かってきて(シャワーを掃除しなくて済むからね)、雨の止んだ屋上で涼んで、音楽をかけてソファに埋もれる。ときおり歌を口ずさみながら日記を書いている。
常に人の気配がある生活で、知らないうちに気を張っていたんだなと思う。大きく羽を伸ばす。
わたしは自由だ〜〜〜!
4/24
たくさん外食をした。「自分でつくることが幸せ」なんて一昨日書いたけれど、やっぱりまだ簡単に、たくさん食べることに逃げてしまう。
ひとり暮らしをしている時にはコンビニで大量のお菓子を買ってきて食べていたけれど、ゲストハウスでは人の目を気にするからそうはいかない。いつか行こうと思っていたカフェを雑に消費してしまった感じがして虚しい。
4/25
金木犀みたいな香りがしている。夏みかんの花はきっともう少し先のはず。
いつでもおいで〜と言われていた家具職人さんのところへ遊びに行った。展示直前の追い込み期間だったこともあり、少しだけお手伝いさせてもらった。広い作業場にかかりっぱなしのラジオがだんだん耳元から消えていく、大きなパーツを黙々と磨いた。
彼のもとにはいろんなモノや人が集まってくる。譲り受けたものや、お手伝いしにくる人、旅人など。いつも救世主が現れる、今回も、と笑いながら言う。不思議なエネルギーを持つ人。
4/26
今日のrucoの雰囲気好きだな、と思う。
古い町並みの残る萩だからなのか、観光に来ました!帰って美味しいもの食べて寝ます!朝早く出発します!といった、単に寝泊まりする場所として使う方も多い。もちろんそれも良いのだけれど今日は、ゲストハウスだから泊まりに来た、という方がなんとなくゆるく過ごしている気がする。
自然発生的な会話があって、けどそれを強いるような雰囲気でもなくて、ほわーっとしていて、わたしはこの空間が好きでゲストハウスにいることを決めたんだったな、と思った。
4/27
近くの飲食店で(時々ヘルプだけど)アルバイトを始めた。年始の神社のバイトで体調面でも精神面でもやられてしまってから、わたしは働ける気がしないなんて思っていたけれど、実は大丈夫なのかもしれない。少し自信がついたし、過去に飲食のバイトをしていた数ヶ月も案外侮れないなと思った。
とはいえ働くことはまだ怖い。無理をしすぎて一気に落ちてしまうのが怖い。まわりに惑わされずに、自分のペースを保ちながら生活していけたらいいなと思う。
4/28
よく行くコーヒー屋さんにて、「自分の中になにかこれ!ってもの持ってそうだよね」と言われた。大切にしている芯のようなもののことかな。いつか自分の場所を持ちたいと思っている、みたいな話はしたけれど、わたしにとってそれはまだ現実味を帯びていない先の話で、いま表出しているエネルギーとは少し違う気がする。
わたしを見失わないぞ、とは思っているかもしれない。そう思うことでなんとか自分を保っていられる。余裕そうに見せておいて、実は必死なのかもしれないね。
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3週目、そろそろ慣れとともに日記に飽きてきた。
食べてばかりいるなと思って、いやいや他のこともしてるなと思うけれど、写真は食べ物ばかりだからやっぱりたくさん食べてるのかもしれない。