何が特殊?<合計特殊出生率>
合計特殊出生率って何?日本の未来を考えるヒント
知ってるつもりで知らないことっていっぱいありますよね。
2024年6月11日のヤング日経、10秒ビジネス用語「合計特殊出生率」。
出生率といえば、女性の人数を出生数で割った数字だと思っていましたが、「特殊」という言葉がついていますね。
そもそも何が「特殊」なのでしょうか?
合計特殊出生率のどこが特殊?
合計特殊出生率の何が「特殊」なか調べてみると、合計特殊出生率は15~49歳の女性の年齢別出生率を合計したものでした。
つまり、特定の年齢層の女性の出生率を集計していることが「特殊」でした。
特殊でない一般的な出生率は、全年齢の女性の出生数を人口で割った値。 それに比べて合計特殊出生率は年齢別の出生率を合計しているので、女性の出生力を詳細に捉えることができる「特殊」な指標となり、人口動態の分析や施策立案に活用されているのですね。
人口を維持するためには何%必要なのでしょうか?
では、人口を維持するために合計特殊出生率は何%必要なのでしょうか。調べてみると、人口置換水準と呼ばれる、人口を維持するために必要な合計特殊出生率は2.07前後とされていました。
現在の日本の合計特殊出生率は、2023年時点で1.20程度と見込まれていますので、間違いなく人口が減少する傾向にあります。
それだけでなく、出生率の低下は将来の日本を支える若年人口の急激な減少につながるので、日本政府としても以下のような取り組みをしています。
育児休暇制度の拡充
保育サービスの充実
子育て世帯への経済的支援
男性の育児参加促進
地域コミュニティの活性化
今の国会でも児童手当や育児休業給付の拡充などを盛り込んだ少子化対策関連法案が審議されているようです。(2023年6月現在)
それで今回の用語が選ばれたのか!
そういえば2024年6月10日の「飯田浩司のOK! Cozy up!」でも、子ども・子育て支援法などの改正案が成立ということで「合計特殊出生率」について話されていました。
ざっくりまとめると、日本の少子化問題に歯止めをかけるためには、子育て支援の拡充や、男女の働き方改革など、総合的な少子化対策が不可欠という話でした。
なるほどね。国会でも審議されている重要な問題なので、ヤング日経の10秒ビジネス用語に選ばれたわけなのですね。
それにしても「飯田浩司のOK! Cozy up!」のトークの中で驚いたのがフィンランドの合計特殊出生率。2023年の速報値では、フィンランドの合計特殊出生率は1.26となっており、日本の2022年の出生率と同じ水準。子育て支援が充実した国として知られるフィンランドでも少子化が急激に進行しているのですね。
とはいえ、シニアの私が一番感じたのは、時代が変わったなーということ。
私がヤングだった頃は、人口増加が問題視され、食料生産が追いつかないので人口増加を食い止めねば!と言っていた気がします。
ヤングが知っておくべきビジネス用語を通じて、時代の変化も学んでいきたいと思います。