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2時間半を超える映画が人気の謎
どうやら時代はタイパだけではないようだ
タイパ時代に逆行?長尺映画が注目を集める理由
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ここのところネット配信の映画ばかり見ていて映画館に足を運んでいませんでしたが、ヤング日経で上映時間が3時間近い作品が満席だったことに驚きました。
情報源:ヤング日経 1月8日(水)「月に住む時代」足場築く年、映画タイパ時代の異端 ヒット作2割強が2時間半以上
今のトレンドとして「タイパ(タイムパフォーマンス)=時短志向」が強まっています。
SNSの短尺動画や、簡潔なニュース要約が人気を集めるいますが、映画では逆に長尺作品がヒットするという、一見すると矛盾に感じる現象が起きているようです。
この「タイパ時代の異端?」とも言える長尺映画のトレンドは、どのような意味を持っているのでしょうか。
以前、「最新アニメ映画トレンドをセールスプロモーションの視点で読み解く」という記事を書きましたが、今回は長尺映画という切り口から映画界の最新トレンドを探ってみたいと思います。
長尺映画ブームを分析してみる
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ヤング日経の記事によると、2022年の国内映画興行収入の上位20作品のうち、上映時間が2時間30分以上の作品が全体の4分の1を占めているそうです。
この数値は過去数年間の傾向と比べると高い水準にあり、長尺作品が健闘していることが分かります。
人々が短時間で手軽に楽しめるコンテンツに親しむ今日、なぜ長尺映画が人気なのでしょうか。
観客心理やその背景にある社会的な要因を探ってみましょう。
長尺映画がヒットする要因
長尺映画がヒットする背景には、以下のような要因が考えられます。
■集中力と没入感の向上
スマートフォンの普及により、私たちの注意力は細分化され、短時間のコンテンツに慣れ親しんでいます。それに対して、映画館の大スクリーンと臨場感のある音響は、観客を作品の世界に引き込み、集中力を高めます。どうやら、長尺作品ならではの没入感が人気の一因となっているようです。
■非日常体験への渇望
日常生活にメリハリがない中、長時間映画を鑑賞することで、現実世界から離れ、非日常的な体験ができると考えられます。ストレス解消や心の癒しを求める観客心理が、長尺作品の支持につながっているのかもしれません。
■精神的充足感
単なる娯楽だけでなく、作品世界への思考や感情の深化を求める観客も多いようです。じっくりと物語を味わえる長尺作品には、ゆっくりと内省する機会を提供するという魅力があります。
■変化への警戒感
私のようなシニア層では、変化への適応に不安を感じる人々が存在します。タイパ志向が強まる中、長尺作品はある種の「逆行」とも受け止められています。この現象は、シニアだけでなく、移り変わりの激しい現代社会に疲れを感じる人々の反応かもしれません。
出典:映画、タイパ時代の異端 ヒット作2割強が2時間半以上(日本経済新聞WEB 会員限定記事)
シニアの目線で見る長尺映画ブーム
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今回の調査から、長尺映画が人気を集める背景には、集中力の向上や非日常体験への渇望、精神的充足感などの要因があることが分かりました。
一方で、変化への警戒感もこの現象を支えている一因なようです。
これは、シニアの私だから思ってしまうのかもしれません。
私自身、若い頃はポップコーンムービー的なエンターテインメントを好んでいましたが、年齢を重ねるにつれ、じっくりと作品世界に浸れる長尺映画の魅力に気づくようになりました。
現代社会のスピードに疲れを感じるシニア層にとって、長尺作品は心の休息を与えてくれる貴重な体験かもしれません。
以前の記事「映画館の魅力再発見:デジタル時代に輝きを増す銀幕の世界」でも、映画館ならではの没入感や非日常性について触れましたが、今回は具体的な事例として長尺映画に注目することで、別の角度から映画のマーケティングに気づきました。
これからも映画界のトレンドに注目しながら、作品やその背景にある社会動向を分析していきたいと思います。
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