大体私は8年おき
決して大衆受けしない私である。
世渡りベタで、一生懸命やっても空回り、そのことで疎まれる。
本当に人間モテしないのだ。
生きるというのは辛く険しい。
そんな私には、ジンクスがある。
8年おきに現れる、私を盲目的に愛する人の登場。
となると、逆説的に人生において愛は8年しかもたなかったことになる。
でも、家電だって8年もてばまずまずのものなのだから、心と口のある人間の愛の寿命なら大往生といえないかしら。
私には他に8年も何かが続いたためしはない。
やりたいことにはすぐ飛びつくけれど、大勢の人の営みの中でそれにしがみ続ける忍耐力がない。
今は8年の孤独と飢えていた愛の矛先をただひとりに注ぐ。
ありがとう…!
相手の目に映る姿に、実際の私はどこにもないと知りながら、彼女のために今日もドレスを縫っている。
二人は一緒になれないから、ハロウィンの衣装にドレスを選ぶことを薦めたの。
お針子仕事は得意ではないけど、あなたのことを考えた時間を形にしてみたかったのだ。
恋人にお菓子を焼くのもそう。
私の一番きれいな気持ち。
どんなものを作るだろう。
あなたはとても綺麗。
あなたによって救われた。
あなたがいなくなったら生きていけない。
いつまでも時を忘れて私と過ごして。
チク、チク。
でも8年、きっと8年。
それが分かるからあなたを大切にできるのか。
これが出来た時、愛はどう変わるのか。