閉店
この度、2024年1月16日(火)をもちまして、閉店することとなりました。
2024年5月31日(金)
最近映画館で映画を観る回数がかなり減っていたことに危機感を感じ、久しぶりに映画館へと向かった。
映画館と言えば日比谷ミッドタウン。
特に日中は人生を成功させたマダムたちとこれから人生を成功させようと企む若者たちに溢れ民度が高い。
上映中にスマホを触る人は皆無だし、スマートウォッチの光にさえも気を遣う心の余裕を感じる。
かくいう私も大学時代は人生を成功させようと企む若者の1人だったのかもしれない。
学生時代実家に住んでいた時に、20回は日比谷ミッドタウンに来ているので
道のりには脳を使わず歩くことができる。
日比谷という土地は等身大よりも少し首を伸ばした景色を見れる気がする。
奔放としていたベクトルを俯瞰から自分に向け、言葉にできない焦燥感に駆られて目を背く。
人間は目の前に課題があると、本質を見失う。
毎日作業に追われ、自分の本質に対して脳を使っていなかったことの落ち度を久しぶりの日比谷という土地で感じた。
見慣れた景色である地下鉄から直通する日比谷ミッドタウンへの入り口をくぐり映画館へと向かおうとしていたが足を止めた。
来た道を往復し、また同じ場所で立ち止まる。
あれ、ないな…
スマホで『RINGO 日比谷ミッドタウン』と調べると、
キャッチャーミットのようなアップルパイを売っていた“RINGO”がなくなっていた。
そして見たことのないオシャレパン屋に生まれ変わっていた。
すごい喪失感だった。
好きだったアップルパイのお店がなくなってしまったことに対してもだが、今年の1月に閉まっていたことに5月末まで気付けなかった自分に対しての方が強かった。
1番好きな映画館に半年以上も来ていなかったのだ。
付き合った当初はあんなに愛し合っていたのに…どうして…
そんなクサイ言葉が脳裏を過り、
危機感と焦燥感と喪失感を抱えながら観た映画『関心領域』はくらった。
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