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<小学生探究レポート②>徳島市の森林づくり - 森林環境税って?

9月から伴走させていただいている、鳴門教育大学附属小学校5年1組の総合学習。
前回の授業 <小学生探究レポート①>見えているものだけが全てではない 
からの第2弾として、10月22日に第2回目の出前授業を行いました!

今回は徳島市経済部農林水産課の津田 隆介さんに来校いただき、徳島市の森林事業の取り組みについてお話いただきました。

 まず、徳島市の森林事業についての説明の前に、「そもそも森林とは?」というところから。
・徳島市には森林はあるの?どこに?どのくらい?
・森林の種類
・広葉樹と針葉樹
・森林の役割について
・森林の整備について
本題に入る前ですが、結構ボリューミーな内容。
子ども達にも考えてもらう時間を設けながらお話していただきました。

日本の森林率について。意外と多い?少ない?反応はさまざま。

健全な森林づくりには、「伐って・使って・植えて・育てる」循環が大切というお話があった後は、「徳島市の森林って今どうなっている?」徳島市の現状や課題についてのパートへ。

出典:森林業循環活用図(作:林野庁職員 平田美紗子)

日本全体の課題として、森林整備が進んでいない現状があるとのこと。
もちろん、徳島市でも同様の状況。「なぜ整備が進んでいないのか」ということについて、子ども達からは以下のような発言が。

「林業をする人が少ない」
「私有地ということを知らない(自分の山のことをよく知らない)」
「使う量が減ったから」

子ども達からは核心を突く回答が!津田さんも驚いていました。

徳島市の森林課題の共有ができたところで、今回の授業の内容の8割方は完了しているのですが、実は、この後の話が子ども達にとっては高カロリー。
次は徳島市の森林事業についてのお話なのですが、具体的な徳島市の取り組みを紹介する前に、理解しておいてもらいたい『森林環境税・森林環境譲与税』についての説明をしていただきました。

「森林環境税」と「森林環境譲与税」について
「森林環境税」は、令和6(2024)年度から、個人住民税均等割の枠組みを用いて、国税として1人年額1,000円を市町村が賦課徴収するものです。
また、「森林環境譲与税」は、市町村による森林整備の財源として、令和元(2019)年度から、市町村と都道府県に対して、私有林人工林面積、林業就業者数及び人口による客観的な基準で按分して譲与されています。

森林環境譲与税は、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律に基づき、市町村においては、間伐等の「森林の整備に関する施策」と人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の「森林の整備の促進に関する施策」に充てることとされています。
また、都道府県においては「森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用」に充てることとされています。

引用: 林野庁「森林環境税及び森林環境譲与税」https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/kankyouzei/kankyouzei_jouyozei.html
引用: 林野庁「森林を活かすしくみ 森林環境税・森林環境譲与税」


・・・どうでしょうか?
大人でも、一回読んだだけでは理解するのは難しい内容ではないでしょうか。
(森林環境税・森林環境譲与税については、後日、先生の方でフォローしていただくことになりました。)

津田さんの方から、この森林環境譲与税を活用して徳島市ではどのような取り組みを行っているのか、事例を紹介していただきました。

 林野庁と総務省では、全国の様々な市町村の森林環境譲与税を活用事例をまとめた『ポジティブリスト』を展開しています。
 リストには≪森林整備人材育成木材利用普及啓発≫の分野別に、具体的な取組事例が整理されています。つまり、森林環境譲与税の使途として、上記4つの分野に活用することが推奨されているということです。

徳島市での過去の取り組み例
わくわく実感!森林づくり支援事業 →人材育成
徳島市テナント店舗等木質化モデル創出事業補助金 →普及啓発・木材利用
・リモートセンシングデータを活用した森林境界明確化事業  など


 そもそも森林とは?というところから始まり、徳島市の森林課題から森林環境譲与税、徳島市の取り組みまで。津田さんに一通りお話しいただいた後、最後に改めて今回の総合学習のミッションを共有しました。

 もともと、附属小学校5年生の今年度の総合学習のテーマは『徳島の木の魅力を発信していく』こと。ポジティブリストにある、森林環境譲与税の活用の推奨4分野≪森林整備・木材利用・人材育成・普及啓発≫にも合致します。 
 そこで、今回子ども達へは『森林環境譲与税を活用した事業プランを、徳島市へ提案する』というミッションが伝えられました。

「徳島市に提案」って、まだピンとはきていないけれど、何だかすごそうだ!

 子ども達がこれから徳島県の木のことを学ぶ中で、どのような気づきや問いに繋がるのか。また、その気づきや問いに向き合う過程を経て、どのような企画が生まれるのか。
 子ども達の柔軟な発想から考え出される事業プランが楽しみです!


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