きらめくポップ・ロック、人間讃歌「Awkmiu」の話がしたい

はじめに

 「魅惑ハレーション」というバンドがあった。どのような経緯で出会ったのかはよく覚えていない。Spotifyでテキトーに音楽を流しているときに聴いた曲にハマったのかもしれない。とにかく、ここ最近の女性ボーカルのバンドの中で一番好きなバンドとなっていた。メンバーの脱退等もあり、活動は休止してしまったのであった。しかし、メンバーを新たに再始動した後、「Awkmiu」(オークミュー)という名前となったのである。感動した。
 というわけで、私が鬼リピしている「Awkmiu」の話をしたくてこの記事を書いているのである。最高なので聴いてほしい。

「Aukmiu」ってどんなバンド?

シキ(Vocal & Guitar)、Aki(Keyboard)、カヤケンコウ(Bass)、関根米哉(Drums)からなる4ピースバンド“Awkmiu(オークミュー)”。

メンバーそれぞれのカラーが重なり合って生まれるソリッドなサウンドと、日常を鋭利かつシネマティックに切り取るシキの歌詞世界で、"Solid Pops"の現在地を提示。新しさの中にもどこか根源的な懐かしさ感じさせ、少年と少女、危うさと巧妙さなど相反するエッセンスを内包した楽曲たちを掻き鳴らす。

バンド名は英語のAwkward(不器用な)とフランス語のmieux(より良い)を掛け合わせた造語で、「不器用ながらもより良い音楽を届けたい」という思いが込められている。
(公式サイトより引用)

 心地よいポップなロックも魅力だが、やはりボーカルのシキさんの歌声こそがこのバンドの根幹であることは疑いようもない。力強く伸び、人を惹きつける歌声は、疾走感のあふれるロックサウンドに負けない爽やかさと、きらびやかなポップサウンドに負けない華を持ち合わせている。この2つを高いレベルで両立していることがこのバンド一番の武器だと思う。
 一方で、楽器隊の技量も一人ひとりが高いと思う。ベースは難しいフレーズを多用しているが、ギターサウンドがあまり前に出てくるタイプのバンドではないため、グルーヴだけでなく楽曲の音の厚みも担っている。曲の色付けを鮮やかにしているのはキーボードの仕事である。これは「魅惑ハレーション」の頃からの特徴だったが、キーボードのサウンドが目立つのではなく曲の色彩を豊かにしているような溶け込み方をしているので、耳を過度に持っていかれないのである。バンドサウンドの中にピアノの音が溶け込んでいるから心地よく聴こえる。ドラムも多分上手いんだけど、ドラムの良し悪しをアンサンブル内以外で判断する能力が私にはないので、多くは語らないことにする。ただ、ベース同様、手数で音の厚みを担っているタイプだと思う。あとはぜひ曲を聴いて判断してほしい。

曲を語る

「Awkmiu」の楽曲は現在三曲である。「魅惑ハレーション」時代の曲は配信停止してしまったため、この数となっている。名前を新たにすることへの覚悟がうかがえる。
 そのうちYou Tubeに上がっているのが二曲であるため、ここではその二曲について記していく。

「どくどく」

 記念すべき新スタートの一曲めである。このタイトルを見たとき「ポケモン?」と思ったが、歌詞に「TOXIC(毒)」とあるのであながち間違っていないのかもしれない。「It's TOXIC」で「健全ではない」という意味にもなるらしいから、「どくどく」と脈打つ心臓の動悸が早まっているという意味合いもあるのだと思う。新しい世界に対するときめきが溢れて止まらないというような歌詞が、生きることへの喜びを表しているように思う。この歌を再スタートのための歌とした「Awkmiu」の決意も伝わってくる。

「avalanche」

「どくどく」はポップ調だったが、「avalanche」は疾走感溢れるロックである。「avalanche」は雪崩という意味だが、この曲における雪崩とは、「抗いようのない巨大な力」を指しているように感じる。MVでも何かから逃げるようにシキさんが走り続けているが、得体の知れない不安や焦燥などから追い立てられているように感じる。しかし、雪崩とは雪解けでもあり、春の訪れでもある。希望や光を余すことなく歌おうとするからこそ、シリアスな曲調でありながらポジティブさを失っていないのである。

「なんて素晴らしい世界だ」と 呟くのはあなただ

というフレーズから受け取れるエネルギーは計り知れない。

おわりに

 音楽を言葉でまとめるというのはいまいち野暮な気がしてしまうのだが、やはり好きなものを文章化することは大切であるとも思う。
 本音を言えば「魅惑ハレーション」の曲も聴きたいが、新たなスタートを切ると決めた「Awkmiu」を応援したい。そして有名になってたくさんドラマとかアニメとか映画のタイアップをしてほしいしライブをたくさんして、私も行けるタイミングのライブが増えてほしい。欲まみれである。
 つい最近三曲目である「color」も発表されたが、こちらもまた聴いていて気持ちがいい。ど真ん中まっすぐのポップ・ロックが聴きたい人にはオススメである。
 私と一緒に「Awkmiu」古参ヅラをしよう!


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