58.逮捕されますからね

　調査という名目の面会交流が始まった時、弁護士さんに言われた言葉です。

　『面会の時間は必ず守ってください。面会交流が終わる時、お子さんが「ママと一緒にいたい。一緒におうちに帰りたい。」などと言って泣いてしまったとしても、必ず相手の家に帰してください。逮捕されますからね。』

 　なんの同意もなく強引に勝手に連れて行くのは許されて、一緒にいたいと泣く子をもともと住んでいた家に戻すのは「合意なし」では許されず下手すると逮捕されるだなんて、なんと理不尽な・・・。

　様子を見に行ったり、話しかけたりしただけで警察を呼ばれてしまうこともあるんだとか。どんなに心配でも、決められた面会以外に勝手に会いに行ったりしないようにと口を酸っぱく注意されました。

　少しでも会えるようになったら辛さは和らぐのかなと思っていたけど、まったく会えない時の辛さと、少し会えるようになったときの辛さは、単純な辛さの大小という問題ではありませんでした。「少しでも会えているんだからいいじゃないか」と思おうにも、だからといって気持ちが軽くなるわけでもなく・・・。

　やはりどうしてもこの状況に納得がいかず、負の感情でいっぱいのままなのでした。はやく係争をやめて折り合いをつけるのがよいのか、とことん戦うのか。折り合いをつけたくてもそうもいかないから、とことん戦うしかないのか。

　子どもと一緒にいられるなら逮捕されてもいいじゃないかと考えたり、でももし本当に逮捕されたら一緒にいられなくなってしまうじゃないかとか、逮捕されなくても結局会えないならもう逮捕されてもいいじゃないかとか、今思えば不健全な思考回路になっていた時期がありました。

　我が子を愛するごくごく普通の親が、ただただ自分の子どもに会いたいだけなのに逮捕って・・・・・・・・・・・。クレイジー。