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41.偽物のシャネルとマガオでマカオ

 まだ結婚する前の夫が、ネックレスをプレゼントしてくれたことがありました。「なりちゃんに似合いそうなシャネルのネックレスだよ!」と言われてもらったのですが、何度見ても「N」が一個多いのです。箱も普通の白い箱に入っていて、すこぶるブランド物に疎い私でも一眼で偽物とわかりました。

 本物というテイでもらっているのですが、本人も本物だと騙されて買ったとかでもなさそうで・・・。なんなんだろうという違和感でいっぱいで半年くらいモヤモヤして過ごしていたのですが、半年後に勇気を振り絞って「これって偽物じゃないよね!?」って聞いてみました。結局、のらりくらりかわされて、疑った私が悪いみたいな感じになってしまい、チャンネル(シャネルのNが一個多いからチャンネル?)のネックレスの真相はわからず終いでした。

 またある時は、寝坊して仕事の打ち合わせに遅刻した彼。お客様から電話がかかってきたときに「いまマカオなのですがフライトが遅れてしまっておりまして・・・!」と言い訳をしていたことがありました。真顔で・・・。日本の自宅の布団の中なのに・・・。

 育った環境だったり、息を吸ったり吐いたりするように嘘をつくのが癖になってしまっているのかなぁと思いました。陳述書の中に、誰が見たってすぐにわかる嘘がいっぱい散りばめられていたのも、そういう癖がいっぱい出てしまったんだろうなぁと思います。

 そういう癖自体はわざとはなさそうなので、仕方ないのかなぁとは思いますが、一緒に暮らしていくのは本当に辛かったです。

 子どもたちから、離婚しないで仲良く一緒にいてくれたらよかったのになと思われていることをひしひしと感じるのですが、一緒に暮らすのは身が持たなかったです。子どもたちにはとても申し訳ないけど、離婚は仕方なかったと思っています。


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