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44.半分だけ好きなママと半分だけ嫌いなメロン
裁判所で行われた施行面会で、長男は大きな声で「一番好きなのはパパ!二番目はシバちゃん(義母のこと)、三番目はハルママ(義弟のお嫁さん)」「(このセリフを)たくさん練習したよ」と大きな声で言った後、しばらく黙り込んで・・・消え入るような小さな声で「なりちゃんのことはね。半分だけ好き」と言いました。
私は、あの子の精一杯の表現に涙をこらえるのに必死でした。
長男はしばしば「半分だけ」という表現をします。それは言ってはいけないけど、どうしても伝えたい時に出る言葉です。分かりやすいエピソードとして、「僕はメロン、半分だけ嫌いなの。」と言った時の話があります。
私の友人が家に遊びに来た際、メロンをお土産に持ってきてくれました。長男はメロンが大嫌いなのです。とても申し訳なさそうに「僕はメロン、半分だけ嫌いなの・・・」と言いました。空気を読んで、遠慮している時に「半分」と表現することがあるのです。だからあの子が、まわりに遠慮しながらも、「ママのこと大好き」って言いたかったということが、私にはちゃんとわかったし、痛いほど気持ちが伝わりました。
それに相手の陳述書にもあったように、義妹のことを「ママ」と呼んでいるからか、私のことをなかなか「ママ」と呼ぼうとしませんでした。ママのことをママと呼ぶことも、ママのことが好きだという当たり前の気持ちさえも自由に表現できないなんていうことがあっていいのでしょうか?